アートシーン
アートシーン原田慶太楼の「新世界」を聴く ~Eテレ・クラシック音楽館~
カタブツN響にしては珍しい・・まだ実績のない若い指揮者を登用して「新世界」を演奏した。コンマスが「まろ」なので軽い扱いではないのだろうと判断した。ご本人は絶好のチャンスとものすごく意気込んだことでせう。ルックスも悪くない(政治家の石破茂氏に似ているという評判だけど、石破センセよりハンサムです)ので人気高まるかもと予想します。
クラシック音楽ファンでなくても十分耳タコの名曲をどう振るか。演奏前のインタビューで「私のアイデア(解釈)であたらしい新世界をお聴かせします」と語っていたので、パソコン使いながら背中で聴いた。スローなところは丁寧すぎるくらいゆっくりと、フォルテはビシッと決めて、楽譜のオタマジャクシ、全部耳に届けますよ、という感じのメリハリのきいた演奏で好感がもてる。でも、それだけなら彼でなくてもできる表現だ。
??・・むむむ、これが新アイデアかい?と思ったのは、第一楽章と第二楽章のあいだ、休みナシで演奏したこと。(ふつうは10秒前後の空白をつくる)この「楽章間スキマナシ演奏」のアイデアを第三楽章と第四楽章の間でも用いた。休んだのは二~三楽章の間だけだった。これって、たしかに新案ですね。
コーダ(終曲)をどうカッコよく表現するか、あれこれ考えて選んだのは「思いっきり、伸ばす」だった。彼にしたら「どない? こんなに丁寧に演奏しましたよ」のメッセージだったろう。(昔はフォルテで短く収める演奏が多かった)その効果ありで、音が消えてから拍手が起きるまでの無音時間、この曲の演奏では最長だったかもしれない。「まろ」さんの指導よろしく、オケは新米指揮者に本当に真摯につきあったこと、視聴者にも伝わりました。幸福感に満ちた演奏でした。
話変わって、N響の男性奏者のネクタイがすべてシルバーだったのはなぜか。偶然でこんなことはあり得ない。かつ、シルバーであっても柄はバラバラだから楽団の支給物ではなく、メンバーの私物にちがいない。ならば、指揮者の要望で?かけ出しの指揮者がそんな厚かましい要求はできないはずですけどねえ。
そこでdameo は想像した。指揮者、原田はコンマスの「まろ」にもみ手しながら「あ、あの、誠に勝手なお願いです。視覚的に統一感を出すために、ネクタイのデザインを揃えたいのですが、センセからお伝えいただけないでせうか、モジモジ」 「まろ」はぎょろりと目をむいて「お前、新米のくせにエラソーなこと言うやないか。ネクタイの色をそろえても演奏が上手くなるはずないやろ、アホちゃうか・・。そやけど、ま、今はN響もコロナでヒマこいてることやし、きいたるわ。おい、者ども、本番ではシルバーのネクタイするんやで。なぬ、もってへん?100均で売ってるがな」で落着。原田ファンクラブの皆様、真相を調べてくれませんか。
先般の読書感想文で紹介した佐渡裕と同じ「アカデミックな音楽教育をうけていない指揮者」のニューフェイス登場であります。佐渡に追いつき、追い越せの情熱秘めて精進してくださいまし。(Eテレ 2月14日)
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