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読書感想文

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01 /31 2021
 

万城目学・門井慶喜「ぼくらの近代建築デラックス!」
 人気作家二人が、京阪神、東京、横浜の近代建築を訪ねてウンチクを披露する読みもの。題名からしてクソまじめな本でないこと分かりますが、作家にもこういう趣味をもつ人がいると知るだけで楽しい。

 万城目氏は大阪生まれなので関西の建築に詳しい。そういえば、「プリンセス トヨトミ」という作品では大阪府庁を登場させていましたね。取り上げる建て物はメジャーなものばかりで、中央公会堂、大阪府庁、綿業会館、芝川ビル、難波橋、など。例外は堂島薬師堂で、この設計は誰なのか気になっていましたが「日建設計」でした。(個人名不詳)

 大正から昭和時代にかけて日本で一番活躍した建築家は辰野金吾と渡辺節(せつ)であるという見方は賛成です。この二人が近代建築設計におけるリーダーだった。辰野金吾は大阪の中央公会堂と東京駅の設計者であるといえば、そのデザインの共通性でハハンと納得する人おられるでせう。

 渡辺節はdameoの大好きな「ダイビル本館」の設計者で、オフイスビルという合理主義優先の建て物に、なにやらおどろおどろしい、エキゾチックな様式を加えて浪漫と風格を演出している。注文したオーナーは「なんどす?このけったいな飾りは」と困惑したのではと想像します。淀屋橋の「芝川ビル」も小さいけどかっこいいビルでお気に入りです。

 知らなかったのは、あの京都鉄道博物館のSL機関車庫の設計も渡辺でした。無装飾、合理性のみの建築でも無難にこなしてるのですね。紹介されてる京阪神のビルはほとんど知っているので、なつかしさもあって、すいすい読み終えてしまいました。

 余談ながら、中之島中央公会堂は現在建て物正面の東西方向の道路が車道から歩道への改造工事が行われており、完成すると公会堂正面のロングショットがかっこいい風景になるのではと期待しています。この道路工事が計画されたのは、昨年、道沿いに子供向き本の図書館「子供 本の森 中之島」が新築されていて、子供たちの通行の安全を保つためではないかと察しますが、その裏で図書館の設計者(寄贈者)安藤忠雄氏の働きかけがあったのではないか。これも想像ですが、ほぼ、間違いないでせう。(2012年 文藝春秋発行)


表紙 

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 dameo

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