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犬町・猫町情報


(74)スキヤキ

 竹の皮から連想されるもの・・・スキヤキというとまるで判じ物のようだが。母が「晩はスキヤキにしよか」と言うと喜び勇んで肉屋に走る。「ロース(?)の肉 百目。」(目は匁で3・75グラム)と言うと肉屋さんが竹の皮を拡げ(そーら竹の皮が出てきた)それに、おおよその肉を盛って秤に載せ、多少足したり減らしたりして丁度百目にし、最後に四角い脂身を添えて一丁上がり。竹の皮の端をピッと割いて作った紐で縛って「はい、お待ち遠さん」となる。


さてスキヤキ。世の中にこれ程ヤヤコシイ料理があるだろうか。ヤヤコシイというのは、料理の仕方も味付けも地方によっても違い、各家によってもやり方がいろいろあるという意味で、それぞれの家でその家のスキヤキをする分には何の問題もない。所が、赤の他人が五六人集まってスキヤキ鍋を囲む段になるとさあ大変。肉が先だ、野菜が先だ、いやまず下地だと収拾がつかない。結局、ご苦労でも誰かが鍋奉行になって仕切らないと前に進めない。


所で、肉以外の具も所により季節により様々あるとして、これだけは絶対欠かせないものとなると、まず葱、焼き豆腐に糸蒟蒻ぐらいだろうか?ほかには、玉葱,シイタケ、春菊、白菜などなどはその時任せという事にしておこう。
 ここに卓袱台なる「すぐれもの」が登場する。丸い板の裏に一対の二本脚が折り畳まれているだけの簡単なものだが、平素は部屋の隅にでも立て掛けて置けば場所を取らないし、望みの場所まで運ぶにしても転がしてゆけるから子供でもOKだ。場所が決まれば四つ脚を開いて食卓の出来上がり。おまけにテーブルの真ん中辺の四角い部分を外すとそこにカンテキがすっぽり納まるようになっている。こうして居間が食堂に早変わりし、狭い家を出来るだけ有効に活用する生活の知恵である。


スキヤキの中で何が一番好きと聞かれたら、躊躇なく「脂身」と答える。肉にはなかなか砂糖の味が浸み込まないが、脂身はすぐ甘くなり、それが口の中で溶けるおいしさ。最高である。しかし、これもたった一つしかないから余計おいしく思うのかも知れない。それよりも翌日の食べ残し(もしあれば)の方がもっとおいしい。こってりと味が着いている。スキヤキの最中はただもう食べる事に忙しくてゆっくり味の附くのを待っていない。勢い味の方は薄味となるが、一晩置いた後のじっくり浸み込んだ濃厚な味は、これこそ肉の最高の味になっている。


スキヤキ

スキヤキ








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