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犬町・猫町情報



小学生時代の思い出    作:DH
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(65)漬物(沢庵)

 漬物屋もあるにはあったが各家庭でも作っていた。我が家も沢庵は自作で、まず大量に買ってきた大根を軒に吊るして十数日陰干しする。いい加減水分が抜けてしわしわになってきた処で、やおら漬物樽を持ち出し、底に糠と塩をたっぷり敷く。菜っ葉を除いた大根をできるだけ隙間の出ないように首と根を交互に組み合わせて底一杯に並べる。これが一番底の段。次にそれらが見えなくなる程度に糠と塩で埋める。その上に二段目の大根をを下の段の大根とは直角になるように並べて又もや糠と塩。これの繰り返しで、全部漬け終ったところで蓋をして重石を置く。


この状態で放っておくと蓋の上にどんどん水が上がってくる。塩と重石でまだ大根に残っていた水分が出てきたものだ。この水を何回か捨てて殆ど水が出なくなれば一応の出来上がりである。但しこの段階ではまだ色も白く味も浅い。日と共にだんだん黄色くなり,やがて黄褐色へと変わり、色も味も濃くなってくる。大根そのものも小さく萎びてくる。そして、食べ終わるころにはまた新たに漬ける季節になっている。

 余談だが私どもの地方では沢庵とは言わず、「こーこ」または 「おこーこ」と言っている。極く希だが「親に孝行(こーこー)、親に孝行」と呼びながら沢庵を売り歩く人を見る事もある。
道明 たくあん


(66)なすび (=水茄子)

 昔からこの辺では「茄子」の事を「なすび」と言い慣わしている。「水なす」なんて聞いた事もなかった。それが いつのまにやら全国版の「泉州名産 水なす」と言われるようになってしまって、何だかその辺がむずむずするような、変な気がする。昔は余程の特産品でない限り流通する事が無かったから、茄子と言えば「なすび」しか知らず、茄子紺と言われるような綺麗な細長い「茄子」の実物は見た事も無く、絵で知るのみだった。その立派な「茄子」と比べると形はずんぐりむっくりで、お世辞にもいい形とは言い難いし 色も良くない 何の取柄もない「なすび」だが皮の薄いのが取柄で「浅漬け」にして食べると誠においしい。


専用の小振りの糠床に、夕方数個の「なすび」を放り込んでおき、翌朝取り出して刃物は使わず指で割いて食べる。この時は醤油ではなく「もろみ(醤油にする前の液状の味噌)」を使う。これまた甚だおいしい食べもので、これだけをおかずにして御飯をたべても、却って食がすすむ程の代物である。そんな訳で「なすび」と言えば浅漬け、浅漬けと言えば「なすび」だが、もう一つ「じゃこごうこ」という食べ方もある。これは「じゃこ」と称する地で獲れた小エビと「なすび」をかなり辛い目に味付けした煮物だが「じゃこ」がいい出汁になって、これまた一倍食のすすむおかずだ。一体に御飯のおかずには塩辛いものが適しているようで、昔は御飯と塩だけで3年過ごした剛の者も居たとか聞いた事もある。 

道明 なすび







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