■この記事(その1)〜(その3)は、新設の掲示板 「快道ウオーキング掲示板 閑人帳」に転載しています。
●「死刑廃止論」はなぜ支持されないのか(その3) ★終身刑の新設は国民の理解を得られるのか つい先月のこと、国会内では超党派で「量刑制度を考える超党派の会」が生まれました。これは、来年から始まる裁判員制度もふまえての会合で、死刑制度の存続、廃止の議論ではなく、死刑と無期懲役刑とのギャップが大きすぎるから、懲役以上、死刑未満といえる終身刑の創設を考えようというものです。現在の無期懲役は実際には10年以上になれば出所や仮釈放が普通になっているので、現用の無期より厳しい長期の懲役制度を作ってはどうか、を議論しようというのが趣旨です。 メンバーの亀井静香氏は自ら「死刑廃止論」なる本を出版している熱心な死刑廃止論者です。 ■「・・超党派の会」発足を伝えるオーマイニュースの記事 http://www.ohmynews.co.jp/news/20071019/16313 もし、終身刑ができたら、「生きて償いをする」刑としては最も厳しいものになりそうなので、死刑容認派の人にも賛成者があるかもしれません。 しかし・・・です。貧乏性の駄目男は「待った」をかけたくなるのです。 「終身刑のムショ代、誰が払うねん?」人権論でも文化論でもなく、ゼニで引っかかるのです。嗚呼、なんとセコイ根性であるか、とお嘆きの方も、あと2分辛抱してお読み下さいまし。 ★終身刑受刑者の収容に一億円以上かかる 孫引き情報でありますが、2006年末現在、刑務所に収容されている懲りない面々は 66、000人。そして当年の刑務所の維持運営予算は2200億円。単純に割り算すると、一人当たり330万円になります。犯罪者を一人収容すると一年間にこれだけの経費がかかるのです。駄目男でなくても「おい、ま、待った!」と言いたくなるでしょう。 その金、誰が払うねん、といえば、答えは「税金」しかありません。国家予算で賄われるのです。年収330万以下の地味暮らしの諸兄、納得できますか。 終身刑が確定し、仮に30年間服役したとします。330万×30=9900万。 物価変動ゼロとしてこの金額です。凶悪犯一人を終身刑に処すると1億円以上の収容コストがかかるのです。人命をカネの多寡で計るとは何事だ、と怒る人道主義者も少しはたじろぐかもしれませんね。(いえ、こんなことでビビッてはいけませんよ) 上のオーマイニュース記事によれば、07年末での無期懲役受刑者は1670人。10年前の2倍に増えているそうです。犯罪件数が増えてるというより厳罰化が進んでるせいでしょう。少なくとも合計2000人以上は殺したと思われる凶悪犯1670人の生命と人権保護に毎年55億円(330万×1670)の国費が費やされる。 ならば、殺された人の命は?・・・2000人の被害者に彼らは何ほどの償いをしたのか。 ★ワーキングプアの生活費は受刑者の半分 年金暮らし同胞のことはさておき、一番考えさせられるのは、社会問題になっているワーキングプアのことです。身分不安定のまま、必死に働いても年収200万そこそこの人が500万人以上いるのです。終身刑者と同じく、30年働いたとして収入は6000万円。この差を彼らが知ったらどう思うでしょう。まじめに汗だくになって働いた報酬が 受刑者の生活コストの半分ですよ。その上、なんらかのカタチで税金を払う限り、乏しい収入から受刑者の経費を負担することになります。 カネが惜しいから死刑にせよ、ではなく、新しい制度をつくるなら、国民の経済的負担も考えよ、と言いたい。犯罪者の人権保護をうたうなら、不安におびえながら必死に働いてる人の人権、生活権も考えよ、です。 なんの因果か、かの秋葉原通り魔事件の犯人もワーキングプア的境遇におかれた男でした。罪を憎みつつも、自暴自棄になった境遇に一端の共感を抱く人、皆無ではないと思います。・・・と、死刑廃止論者への悪口を書き連ねましたが、廃止論は劣勢であるにしても今まで通り、死刑廃止運動に情熱を注いでいただきましょう。 もし、廃止論が容認論に押しまくられて、世間にアピールする力を失うようなことになれば、恐ろしい社会の到来です。大政翼賛(ふるう〜)、ファシズムに毒された自由のない社会になります。死刑廃止論をビシバシ叩きながら「ぐわんばれ、廃止論」でなくてはならない。
廃止派も容認派も等しく願う犯罪激減の社会になれば、当然、廃止論が勝利します。そんな平和な時代が早くきてほしいが、さて・・・。(完) ■参考情報「TACHIYOMI」 (この情報の元資料は中嶋博行著「この国が忘れた正義」文春新書) http://www.bunshun.co.jp/tachiyomi/200707/t9784166605828.htm ■参考情報「死刑廃止論を嗤う」 http://f26.aaa.livedoor.jp/~nanase/hitori/ht010.htm ■参考情報「死刑囚リスト」 http://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage29.htm ■参考文献 「ワーキングプア」門倉貴史著 宝島新書 06年発行
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