アジア ウオッチング



●モノづくり 日中の逆転がはじまった

 8月28日のテレ東<未来世紀ジパング>の内容は十分に刺激の強いものだった。中国の企業が日本に工場をつくり、日本人を雇ってモノづくり、MADE IN JAPAN のモノとして中国へ輸出する・・という、これまでとは全く逆の生産、流通システムが生まれている。日本人が目にするMADE IN CHINA商品には高品質、信頼 のイメージは乏しいが、中国人にとってMADE IN JAPANは信頼のブランドである。それで値段が手頃なら確実に売れる。何十年間も培ってきた、日中のモノづくりの常識が崩れはじめた。


進出企業の一例として紹介された上海のブラシメーカーは、あのブラウンのシェーバーのブラシを生産しているくらいだからレベルは高いが、それでも社長さんは日本製にはかなわないと品質差を認めている。何年も前から日本の生産、品質管理システムを勉強し、ようやく会社を立ち上げた。生産の中心は新発想の歯ブラシなど、口腔ケアの商品である。


この逆転現象の一番の原因は中国の人件費の高騰にある。もう中国でつくれば安いという概念は通用しなくなりつつある。よって、衣料品や雑貨などはベトナムやバングラデシュに生産を移しつつあるが、高品質を求められる商品は日本でつくるという考えになってきた。大げさにいえば、日本が中国の下請けになる時代がやってきた。ただし、スマホの生産など何万人もの従業員が必要な業態は、当然、日本で対処できない。


横浜市は中国企業の誘致に熱心で、制度上の特典をつくって優遇している。もう「珍しい例」なんて言う時代ではなくなった。中国企業がこのように日本進出に熱心であることには他にも理由がある。相変わらず中国のカネは海外への流出が止まらず、政府の大きな悩みになっているが、このままだと将来、政府が強烈な資金持ち出し禁止措置をとる可能性がある。そうなったら日本への投資はできなくなる。今のうちに日本シフトをやっておこうという魂胆である。北海道で土地の爆買いをしたり、各地でリゾートホテルの買収を進めたりしているのも、今のうちに投資して仕事、生活の基盤をつくっておきたいからである。それくらい、中国人は祖国を信用していない。そのような海外進出人を昔は「華僑」といった。今は華僑の血筋でなくても自分の甲斐性で同じ事ができる。


一方、中国は相変わらず陰険で強欲な国家である。覇権主義むき出しで領土の拡張を目論んでいる。平和な国どうしのビジネス交流が進んでいるなんて認識は大間違い。いつ、何が起きるかわからない。一部のトレンドだけ見て甘い判断をしてはならない。

tyuugoku



中国 



念願叶って日本で工場を立ち上げた
中国進出 



中国企業が続々日本へ進出中
中国 








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