閑人帳


●千年前に驚きのハイテク・・投入堂

 5日のテレ東「美の巨人」は興味津々の内容でした。鳥取県三徳山の国宝「投入堂」の歴史、建築技術を紹介する内容です。私たちはあの超絶技巧の建築を見て「なんの因果でこんな険しいところにお堂をつくったのか」と怪しんでしまいます。実際、国宝に指定されてるのに、建築の目的も技術もよくわからない、困ったお宝です。


それはともかく、番組後半での解説が興味津々です。この投入堂のはるか東方、千葉県に同じ構造のお寺「笠森寺」がある。そして、投入堂の西、島根県には出雲大社がある。実は、この三カ所は位置的に一直線で結ばれているのです。その距離、約700キロ。(写真参照)
 千年も前に立てられた寺院、神社が一直線上にある。日本国の地形の輪郭さえ誰も知らなかった時代にこんなことがあり得るのか。


これだけでも凄いことなのに、さらにビックリするのは、その700キロの直線の精度の高さです。千葉の笠森寺の緯度は北緯35度23分58,6秒。投入堂の位置は北緯35度23分47秒、5秒。そして出雲大社は北緯23度23分55秒。(出雲大社はウイキによる) 笠森寺と出雲大社との緯度上でのズレは3,6秒。1秒を距離に直すと約30mなので、3,6秒は108m。たったの100mですよ!!東西700キロ離れたお寺と神社の位置の水平上でのズレが100m! ドヒャ~~~であります。どどど、どないして測りましてん。


標高900mの岩山の大岸壁をくりぬいて、その中にお堂を建てた。なんの因果でこんな険しいとこに・・という疑問の答えは「精密測量の結果、得られたピンポイント」だったのです。ここしかない、です。 企画、設計、施工に関わったのは修験道の開祖、役小角(えんのおづぬ)と言われてるけど、半分、まぼろしの人物ですから確かめようがない。そうだとしても、建築工事はたぶん普通の人間が行ったはずで、それなら、資材の加工、搬入、足場づくりなど、どうしてやったのか。専門家が研究しても分からないそうです。


あの、法隆寺を建てた世界最古の建築会社、天王寺区の「金剛組」にもオファーがあったのでせうか。「あの、ウチは大工しかいてへんから、岸壁くりぬきはでけまへん」とかいって逃げたのか。それはさておき、千年のあいだには何度か改修工事をやってるはずなので、請負の棟梁、職人の記録は残ってると思うのですが・・。


番組で説明役だった学者は、あれほど正確に位置を測量できたのは、春分の日の太陽の位置を精密に測る技術をもつ人間がいたから、と言ってましたが、本当なら神業です。紫式部や清少納言が活躍した時代に、ものすごい科学者がいた。もしや、陰陽師=科学者だったのか。

投入土居


垂直の岸壁をくりぬくだけでも大難儀なのに・・・
投入 


投入堂を軸に東西の直線を引く
投入 



西に出雲大社、東に笠森寺が一直線上に位置する。南北の誤差、100m。
豆乳 



千葉県の笠森寺 投入堂と同じ構造の建物になっている
投入 



投入 





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