大阪日暮綴



●松竹座「七月大歌舞伎」鑑賞

 昼の部メインは「夏祭浪花大鑑」で、これは2004年に勘三郎(当時は勘九郎)が平成中村座公演で取り上げた。但し、野田秀樹がとんでもない脚本に書き換え、ニューヨークで公演して大受けした、その凱旋公演を見た、という次第。本当は親殺しの悲劇なのに、ドタバタ喜劇に仕立て直したのが大成功で、勘三郎(当時は勘九郎)亡き今はもう二度と見られない。あのキャラを再現できる役者さんはいませんね。


・・というわけで、今回はまじめな「夏祭浪花大鑑」。主役、団七は市川染五郎が初役で勤め、なかなかの熱演でした。大阪弁も無難にこなし、違和感なしなのは鴈次郎あたりがねちねち教えたのかもしれない。尾上松也もかっこいい。最後の場面は団七が舅、義平次にいびられた末、堪忍袋の緒が切れて斬り殺してしまうというアクションシーンですが、ちょっと長すぎる。もう5分くらい縮めたらどない?と思うのであります。


憎いとはいえ、義理の親子の間柄、あんなに長時間の「殺意の持続」は不自然であります。しかも、最後に後悔の台詞を述べるのだから、だったら、途中でハンセーして救急車呼びなさいよ・・は、ないか。殺される義平次役はたいへんな重労働で、逃げ回り、切られたうえに泥池にざんぶと放り込まれたりして、3週間、毎日これを続けるのは大難儀であります。(だから、アクションタイムを縮めろというのであります)


もうひとつの「二人道成寺」。道成寺バージョンの一つで、長唄囃子連中をバックに、時蔵と孝太郎がデュエットで舞う。公演期間の後半なので舞も囃子もこなれてリズムはきっちり決まり、ひととき、極楽気分を味わえます。舞踊のさなかに北朝鮮製ICBMがびよ~んと飛んで来て松竹座に命中しても文句は言いませんです。ハイ。(7月21日)


歌舞伎




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