閑人帳



●Nスペ「祗園・女たちの物語」

 冒頭、中村時蔵の顔がちらりと見えたのはお愛想としても、次の場面では顧客の社長さん連中がそのまんま写る。お茶屋での飲食のあと、拝観時刻が過ぎた高台寺庭園をおかみが借り切って鑑賞してもらうという超贅沢な趣向。東京在の企業のトップが芸者遊びをしている場面をTVで公開するなんて考えられないが、祗園なら許されるのはなぜか。


べつに、くそまじめに考えるほどの問題ではないけど、祗園文化の特異性が分かります。一見さんお断り、のシステムも同じ。いろいろ批判の声はあるにしても、廃止しようという気配はない。露骨な差別待遇を世間のみんなが受け入れてしまっている。
 ・・というようなことがこの番組のテーマではありません。格式高いお茶屋「富美代」の女将の世代交代の話です。お茶屋二百年の伝統を守ることがいかほどしんどいことか、がテーマであります。「富美代」では、代々の女将は結婚せずに女子をもうけ、次代の女将にするという仕来りがあり、これが途絶えるか、つながるか、が大問題。番組では四十代の娘さんが「継ぐ」意志ありでメデタシふうに終わります。


それにしても理不尽な伝統であります。母娘の葛藤、即人権問題をはらんでいる。幸い、娘さんは基本的に合理的な考えを身につけた人のようなので、ベターな解決が出来そうな気がしました。(6月3日)

祗園 


わずか10人ほどの客のために高台寺庭園を借り切り
祗園

77歳の女将さん
祗園

 


左の女性が次代の女将さん
祗園 






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