大阪日暮綴


●バー「COCOROOM」一年生存

 西成のど真ん中でクラシック音楽を聞かせるバー・・なんて狂気の沙汰でありますが、狂気を保ちつつ開店一周年を迎えた。かれこれ20回くらいは行きましたが、んまあ、なんともいえない奇妙な酒場であります。何が奇妙なのかといえば、店主が奇妙、客も奇妙、店のカタチも奇妙・・ノーマルな酒場しか知らない人が訪ねれば、一杯呑んであたふたと逃げ出すやも知れず、しかし、そういう場面を意外と見なかったのは客自身が奇人変人の類いだからでせう。


一日900円のドヤで暮らすおじさんがワーグナーを論じたりするのは楽しいが、音楽なんか全く興味のないオジン、オバンがビール一杯で2時間くらい座ってるのは、無口なのではなく、ただ人恋しさのためだったりする。とても陽気でおしゃべりな若者が、実は××だったりして警戒警報が出たりする。外国人客のほうが多い場面もある。 場所柄、リスクが大きいのはやむをえない。リスクというのは、ハヤイ話が呑み逃げである。で、対策として、店主は初めての客を即時に判定して前払い(キャッシュ・オン)後払いに分ける。音楽が好きでやってきて前払いということはない。しかし、自称バッハファンでも酔っ払って入店したら前払いである。


なんやかんやで100万円は投資したという店主自慢のシステムがゴミ屋敷然とした空間に鎮座している。先月、自分のリクエストで、ブルーノ・ワルターが振ったモーツアルトの交響曲40番を何十年ぶりかで聴いた。1950年代の録音らしいが、これが実にいい。正統にして中庸、なんのケレン味もない淡々とした演奏。(オケはコロンビア交響楽団)しみじみ感満点で聞き惚れた。



ココルーム





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