読書と音楽の愉しみ



●「値段の風俗史」を読む  ~その2~

■焼酎(鹿児島産芋焼酎 1,8リットル)
昭和元年・・・81銭
昭和20年・・8円
昭和54年・・850円
 半世紀で1000倍になっている。しかし、昭和54年から現在までは2倍程度にしか値上がりしておらず、1500円程度で購入できる。(注)戦前の焼酎は度数が40度で生産されていた。現在は25度が標準。


■東京大学の授業料(年額)
明治12年・・12円
明治43年・・50円
昭和20年・・150円
昭和45年・・1万2000円
昭和55年・・18万円
(注)現在は81万7800円(入学料+授業料)


■鶏卵(1キロ当たり)
明治12年・・10銭
昭和6年・・・20銭
昭和20年・・1円50銭
昭和21年・・15円20銭
昭和31年・・95円
昭和41年・・223円
昭和45年・・190円
昭和50年・・367円
昭和54年・・314円
(注)現在は300円程度。卵が物価の優等生といわれるようになったのは、昭和50年(1975年)あたりから現在まで横ばいに近い安定した価格を維持しているから。終戦時は1年で10倍値上がりした。


■公務員の初任給(大学卒)
明治27年・・50円
明治40年・・50円
昭和12年・・75円
昭和21年・・540円
昭和26年・・5500円
昭和44年・・3万1000円
昭和54年・・9万7500円
(注)平成28年の初任給は、大卒・総合職で18万2700円


■航空旅客運賃(東京~大阪間)
昭和3年・・・35円(毎週3往復)
昭和13年・・30円(一日二往復)
昭和26年・・6000円(プロペラ機)
昭和40年・・6800円(ジェット機)
昭和55年・・1万4100円(ジェット機)
(注)現在は、LCCなら4000円くらいからある。JALで1万4000円くらい。


■劇場の観覧料金(帝国劇場の最高~最低料金)
明治44年・・5円~20銭(この年に開業)
昭和元年・・・8円~50銭
昭和20年・・15円~1円50銭
昭和29年・・1500円~120円
昭和55年・・7000円~2000円


各項目、終戦後のひどいインフレがわかるように編集して載せました。1年で物価が10倍なんて信じられないけれど、みんなこれを経験して今の暮らしがあります。現在の政府がインフレ誘導のために「3%の物価上昇」を目標にして四苦八苦しているのをみると隔世の感、ひとしおです。


私たちはなんとなく、デフレ=善、インフレ=悪のイメージにとらわれがちですが、資本主義社会でデフレが続けば、まちがいなく国家破綻です。(ひどいインフレも国家破綻を招きます)それにしても、戦後、百倍以上値上がりしたものがたくさんある一方、焼酎や航空運賃など、30年前と変わらない、あるいは、逆に値下がりしているものもあります。前回紹介した「たい焼き」の値段が、30年間、ほとんど変わらないのはなぜか? 研究すると面白いかも知れません。(昭和56年 朝日新聞社発行)

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