読書と音楽の愉しみ



●マーラー「復活」を聴く ~京都大学交響楽団定演~

 創立100周年、第200回定期演奏会という節目のイベントに出会えてラッキーでした。ネットで情報を見つけてチケットを買おうとしたら、あと2枚しか残っていなかった。冷や汗ものです。この学生オケは、1917年に第一回定期演奏会を催してから、戦時中も、終戦の年も、そして阪神大震災のときも演奏会を中止しなかった。しぶとさは抜群です。


何年か前にこの曲を聴いたときは「人生最後の<復活>」と覚悟したのですが、早とちりでした。今回こそ人生最後になりそうですが・・・。
 今回の演奏では、オケと合唱団の両方をステージに載せたので、もう満員ぎゅうぎゅう詰め、200人以上いたかもしれません。なにしろ、オケはトランペットが7本、ホルンは9本という大編成、ハープも2台用意されました。指揮は十束尚宏。


全体の印象はパワフルな熱演でしたが、アマ・オケの常で出だしがもたつく。演奏者も指揮者も、慎重に、間違えないようにと神経を使うあまり音楽が流れない。プロと同じレベルを要求するのはあつかましいが。合唱も京大の学生、OBたちでそろえたのか(不詳)技量は上出来だったと思います。アルトとソプラノはプロ。


年末の巷にあふれる「第九」が飽きられたら、次はこの「復活」が主役になると思っていたけど、残念ながら、それはなさそうだ。単純に言って、演奏コストが高く付きすぎることと、会場の制約がネックになる。「第九」は、オケ50人、合唱50人でも十分演奏できるけど「復活」はその二倍のスケールと高度な演奏技術が要る。それ以前に、アマ・オケでは引き受ける指揮者がいない。(ギャラ的にもしんどい)


それでも、第九に変わってこれを年末にとり上げようというプロのオケが出てくるかも知れない。これはちょっとした革命?です。
 帰り道にふと思いついたのは、この曲の合唱部分だけ切り離して演奏できないか、という珍案です。全曲演奏は85分くらいかかるけど、ソロを含めた合唱だけの演奏なら35~40分。オケの演奏は編曲してカラオケでやる。冗談?・・誰か本気で考えてくれませんか。


第五楽章の歌詞の一部を紹介すると・・・

(略)
おお 信ぜよ
お前が誕生したことが無益でなかったことを
お前の人生と生の苦しみが無益でなかったことを

生まれたものは滅びてゆく運命にある
滅びたものは ふたたび蘇るのだ
震えおののくのを止めよ
生きるための支度をするのだ
(略)
死んでいこう 生命を亭けるために
蘇るであろう まさにお前は蘇るであろう
わが心よ たちまちのうちに
お前の倒したものが
お前を連れていくだろう 神の御許に


「より良く生きるために 私は死ぬ」というのがテーマ。「第九」が民族や宗教の垣根を越えて人々を感動させるように、この「復活」も同じようなチカラを与えてくれる。明日、死のうと思っていた人がこれを聴けば「ん?」と思い直すかもしれない。(1月17日 ザ・シンフォニーホール)


マリス・ヤンソンス指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団
さわりだけ聴きたい人は、1時間15分あたりからが聴き所
https://www.youtube.com/watch?v=sHsFIv8VA7w



当日のザ・シンフォニーホール
シンフォニー





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