読書と音楽の愉しみ


●阪大講堂で聴くモーツアルト

 先月の今ごろ、阪大の豊中キャンパスの講堂でワンコインコンサートがあり、ダシモノがモーツアルトのピアノ協奏曲20番と23番、いずれも好きな曲なので出かけました。ワンコインが効いたのか、満員御礼の盛況です。ソリストもオケも阪大の関係メンバー、ピアノは1920年代制作のベーゼンドルファーという、超年代もの。それはいいけど、講堂の音響が極端にデッドでプレイヤーが気の毒なくらいでした。


今回感じたのは、23番の素晴らしさです。前後の22番、24番にくらべたら、うんと上出来、あらためて惚れ直したという思いです。今まで、自分の好きな協奏曲ベスト3は、20番、21番、27番の順でしたが、これから23番も加えたい・・そこで、19番から27番まで9曲を、約5時間かけて聴き直してみました。ヒマジンやなあ。(営業面への配慮から、コンサートでは、たいていこの9曲から選ばれる)


23番のどこが魅力なのか、文字で説明するにはあまりに非力なので、動画で全曲を聴いて頂きませう。
https://www.youtube.com/watch?v=-s68kHOnpiE


なお、モーツアルトのピアノ協奏曲の魅力について、作曲家の吉松隆氏が興味深い考察を述べておられるので、モーツアルトファンには一読をおすすめします。無茶長い文章なのですが、後半から最後に、モーツアルトは明るくて軽い音楽ばかり書き続けていたが、あるときから短調の楽章を取り入れる。それは彼の芸術的成熟をあらわす成果だったが、当時の聴衆の好みではなかった。つまり、世間にウケなかった。そして人生の最終章では「明るい長調で書いているのに、不思議なほど透明な「無常感」のある音楽に到達する」と吉松氏は書いている。それを表現したのが「アヴェ・ヴェルム・コルプス」やピアノ協奏曲27番など。


そうだったのか。駄目男がヴォーカルの最高峰だと思っている「アヴェ・・・」を聴いて、これは長調なのか、短調なのか聞き分けられない不思議な音だと思っていたけど、吉松氏によれば、長調を思いっきりハイテク加工した調子だそう。そして、以後、これを追随できる有能な作曲家は現れなかった。ベートーベンもブラームスも到達できなかった。


モーツアルトファン必読・・・
http://yoshim.cocolog-nifty.com/office/2010/02/post-ccd4.html



大阪大学豊中キャンパス講堂
阪大講堂 




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