読書と音楽の愉しみ



●篠田桃紅著「103歳になってわかったこと」を読む

 この人、いつまで生きるつもりや、という失礼な興味で見ているのが、著者、篠田センセと日野原重明センセ(医師・105歳)のお二人。 100歳過ぎてなお現役というのはそれだけでニュースバリューがあります。
 篠田センセは本書で言う。「100歳過ぎたら治外法権」だと。この感覚はなんとなく分かります。100歳になったら、もう敵をつくることもなく、敵にやられることもない。なにをやっても許されると言うのです。少々ヘンなこと言うても「ま、100歳やし」で終わり。つまり、心身健康なら、100歳からはパラダイスなのであります。お二人は、健康で長生きで幸せなモデルではないでせうか。でも、凡人はマネはできないのが悔しい。


この、100歳治外法権論のほかにはさほどユニークな考えは書いていないけど、100年の人生を振り返ってみて、結局、どういう生き方が幸福なんだろうといくら考えてみても答えはでないという。だったら、そこそこ自由でマイペースの暮らしを得ることで十分幸せではないか。他人の何倍もの財産を築いたなんて、つまらぬ自己満足にすぎない。
 さりとて、無駄を省き、つましく生きよ、と説いてるのでもない。無駄が一切ないような、合理主義の権化のような生き方は1+1=2の生き方、無駄や失敗のなかで、1+1=10の有意義な人生を送ることができると言う。結論。篠田センセや日野原センセのいつまでも前向きなライフスタイルを続けられる源泉は、途切れない「好奇心」と「向上心」でありませう。これを追求する暮らしのなかで、ある日、ふと気が付いたら「あの世」へ引っ越してしまっていた・・。ほんと、え~じゃないか。(2015年 幻冬舎発行)


103歳


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