閑人帳



●映画「シン・ゴジラ」鑑賞

 2年前?に見たゴジラ映画はハリウッド製で、特撮はなかなかよく出来ていました。今回の和製「シンゴジラ」の出来栄えや如何に、と暑い日中に出かけたところ、映画館は冷房がきつくて寒いくらい。しかし、客入りはなかなか良くて、これはヒット作になるのではと思います。


キャッチフレーズの「日本=現実 ゴジラ=虚構」というのが正直で気が利いています。日本の政治、社会状況はリアルに描いた。しかし、ゴジラは全くの嘘っぱちの作り物、この両方をマジメに取り上げたら、こんな作品になりました。どないでっか、とネタばらししています。
 駄目男的にうんと勘ぐれば、ゴジラの東京上陸を、現実にあり得る中国軍の尖閣上陸になぞらえたら、その時の政府はどう対応するか、をやや皮肉っぽく描いてる。つまり、現実に非常事態が起きてるのに、政府や役所は、まず、法に照らして何ができるか、この対応は法的に許されるか、が最大の問題であり、国民の生命を守ることがお留守になりかねない。そして、全ての決断は総理に委ねられるので、もの凄いプレッシャーになる。


自衛隊が大砲やミサイルをぶっ放してもゴジラは知らん顔。これは初代のゴジラから受け継ぐゴジラ・クオリティです。で、ならば米軍に頼んで強力な武器で、となると「日米安保条約」をどう解釈するか、また難題です。結局は国連の多国籍軍がお出まし、とか、いろいろあって、その間にゴジラはやりたい放題であります。


ま、そんな政治の話は抜きにして、娯楽作品としても十分楽しめますが、小学生には政治の話は退屈させてしまいそう。仕方ないか。
 特撮は良く出来ている。ゴジラの最初の形態が想像の動物「ツチノコ」そっくりなので笑いそうになるけど、メンバーチェンジしてからは十分に陰気くさい顔面で迫力がある。動作の基本は狂言の野村萬斎が指導?したそうですが、どの辺が?と見ていても分からない。


ハイテク画面なのに、音楽がえらく古くさいなあと思っていたら、初代作品の伊福部昭の音楽を使っているらしい。もう60年も昔の音楽です。監督さんの先輩ゴジラに対するリスペクトのあらわれでせう。なんやかんやで、ゴジラ作品は30本くらいになるそうですが、今回も「これで打ち止め」なんて謳っていないから、更に新作が出るかもしれない。ゴジラは今や世界に通じるキャラクター、このさい、日本が創造した「文化遺産」と自慢してもよいくらいです。架空の龍や鳳凰だって芸術のテーマになってるのだから、ゴジラもあと1000年くらい経ったら芸術の対象になり、ゴジラ神社なんかずいぶん流行ってたりして。(8月9日 アポロシネマ)

公式サイトはこちら・・・
http://www.shin-godzilla.jp/index.html



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