読書と音楽の愉しみ



●木村祐一著「あらしのよるに」を読む

 たまには絵本も読んでみる。このタイトルは聞き覚えがあるけれど、内容は見当がつかなかった。読めばカンタン、嵐の夜に、狼と羊が真っ暗な小屋で出会い、普通は狼が、これ幸いと羊を食べてしまうところ、あまりに暗くてお互いを認識できず、妙な友情が生まれてしまう・・というお話です。そんなアホな、と常識を振りかざしてはいけません。


最近の作品かと思ったら、もう20年も前に出版されたもので、秀逸なイラストとあいまってベストセラーになり、絵本の枠からはみ出して、舞台化、映画化もされた。なのに、ぜんぜん知りませんでした。作者がもともとメディア世界に関わった仕事をしていたこともあり、人気上昇とともにいろんなヴァージョンを生み出すことに長けている人らしい。


物語は、この「あらしのよるに」だけではハンパに終わるため、次々と続編が出て6作になった。絵本と言えば、出版界の片隅に置かれているという、マイナーなイメージがあるけど、本書はビジネスとしても大成功した例でせう。「作る」才能だけではなく「売り込む」才能も備えた絵本作家です。なお、あべ弘士氏のイラストが魅力的で、これに惹かれて買った人も多いのではと思います。絵本が大人にも人気があるのなら、ひととき、醜いリアル世界に背を向けて「現実逃避」できるからではないか。

木村祐一氏のHP
http://www.kimura-yuuichi.com/user_data/arashi.php



あらしのよる 


あらし





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