大阪日暮綴



●「西成文化革命」進行中 ~その2~

■仰天、クラシック音楽を聴かせるバーが出現

 cocoroom さんが引っ越したあと、元の店はどうなったのか。気になって訪ねてみると、店頭に張り紙があって「クラシック音楽 喫茶 バー」と書いてある。そして、店の看板はcocoroomのまま。一体、どうゆうこっちゃねん、とドアを開けると、店主が飛んできて「あの、ここは音楽好きな人向けの店ですよって・・すんません」と、お帰り下さいの態度、住民と間違われたのであります。ま、しゃーないか。


しょぼいカウンターだけの店に先客が一人いて、旅行中のイタリア人だという。よくぞこんな店に来たもんだと驚く。隣に座って「ユーは音楽好きなのか」と聴くと「イエス」と。そして、好きな音楽家はチェリビダッケだと言うではありませんか。(チェリビダッケはルーマニア人の指揮者・故人)えらいトコでえらい名前が出て来るなあとビックリ。


・・と書けばすんなり会話ができてるように思えるが、こちらはせいぜい50個くらいの単語しか使えないからチンプンカンプンもいいところ。店主もまるきり会話は駄目でほとんど大阪弁で対応している。
 うち、レコードはぎょうさんありますよって、と箱をごそごそ探し、これ、さっき知り合いにもらいましてんと取り出したのは寺内タケシのエレキギター演奏LP。ペギー・リーの歌でヒットした「ジャニーギター」なんか流れて、一挙に半世紀タイムスリップ。なんやねん、この店は、とぼやきつつ、再生装置の音の良さに感心した。(下の写真で説明)


なんという幸運か、チェリビダッケの振ったレコードが見つかった。R・コルサコフの「シェヘラザード」だ。早速鳴らすと、イタリア男、大喜び。日本の大阪の西成の場末の店で愛しのチェリビダッケの演奏をLPで聴けた・・一生の思い出になるのではないか。
 ヨカッタネ、と満足して、ほんじゃ、新今宮駅まで送ったるさかい、と店を出て動物園前の大通りを少し西へ進んだところにケバイ外観の酒場が。彼は店の中をのぞいて「オンリー・ワン・ビヤ」と懇願調で言うのでハシゴにつきあう。入って納得、カウンター席の奥にブロンドの美人がいた。彼はドア外からめざとく見つけていたのでありました。


こんな店こそ、西成文化革命の牽引役になるかも、と思った。店名は「OSAKA TACOS」といい、メキシコ料理店だが、英語だけのチラシには、店名より大きな文字で「TRAVELER'S BAR」とあり、外国人いらっしゃいの店である。開業後半年、今は客の半分近くが外国人だというから、狙いはほぼ当たったといえる。一番心配した「対ヤクザ問題」も、今のところ大きなトラブルはなく、ヤレヤレというところ。心強いのは、警察の迅速な対応と、地元の住民組織も味方になってくれること。文化革命を陰で応援してくれるわけで、こんな雰囲気は昔の西成にはなかった。
 しかし、場所柄、千客万来にはリスクが伴う。支払いは「キャッシュオンデリバリー」(前払い)でお願いしますと。ビールは500円だった。


イタリア男はブロンド姐さんの横に座って話に余念なく、ワンビヤがツービヤ・・と帰る気がなさそうなので、ここなら駅はすぐ近くだし、英語が堪能なマスターに「あんじょう教えたってや」と頼んで先に帰りました。イタリア男に「どこに泊まってる?」と訪ねると「ホテルニューオータニ」というので、バックパッカーにしては贅沢な、と怪しむと「ニューオータニが見えるプアなルーム」の答えで納得。電車の線路のそばで、とてもやかましいというから、環状線の線路の近くの安宿なのでせう。


話戻って、バーcocoroomは「店」というには余りに未熟で、これからイロハを勉強する。営業も、月・火・水・曜日は休業。なぜかというと、別の仕事をしてるから。お酒の知識は、自称・下戸の駄目男のほうが詳しい?と思うほどだから、推して知るべし。でも、オーナーSさんの文化革命への心意気には共感、応援したいと思ってます。


看板書き換えるのがめんどうだから「COCOROOM」の名前にしたのか。店主は上田さんと付き合いがなかったというのに。
バー



この張り紙は、客を呼び込むためではなく、入店を阻止するためのもの。
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先客のイタリア人の旅行者
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店内の混沌ぶりはココルームの伝統?
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店も酒もガタピシだが、音響システムはなかなかの凝りよう。プリメインアンプはラックスマン、スピーカーシステムはイタリアのソナス・ファベール。
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ネットで調べてみると、ソナス・ファベールは車のフェラーリみたいな高級品のメーカーだった。このスピーカーシステムは1セットで580万円。 店の小型システムでも10万円くらいする。
バーココロ 


大阪タコス
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