閑人帳



●「不二現代書展」鑑賞 ~大阪市立美術館~

 知り合いの田代光枝さん(93)が投稿した詩が産経新聞「朝の詩」に選ばれたことは昨年末に書きましたが、娘さんがこの詩をテーマにして書道展に応募したところ、これもめでたく入選、という知らせがあったので拝見に出かけました。 書道展にはめったに行かないので、少しは「書の現代」の学習になるかと思った次第です。


この団体が奈辺の位置にあるのか知らないけど、文化庁や大阪府、大阪市が後援してるので、そこそこ歴史と実力を認められてるのでせう。 会員の作品と一般からの応募作品、ほぼ半分ずつの展示ですが、この世界に全く疎い自分でも、チカラの差は納得できます。単品で見比べたら差が分かりにくいけど、大量に並べると「やっぱり、ちゃうな」と実感できる。しかし、どこがちゃいまんねん?と訊かれると説明しにくい。


文字自体が芸術作品になるのは、恐らく漢字、仮名だけではないでせうか。アルファベットも美しく装飾化はされるけど、ゲージツには至らない。漢字、仮名だけが独創的な表現が許され、それが鑑賞に値する。しかし、本家、中国は「簡体字」が普及して文字の美的価値は失われつつあります。プロ、アマ、問わず、文字の芸術的美しさを追求して、それでジャンルを確立しているのは日本だけかも知れませんね。

 逆に、文字自体に全く美的価値がないのはお隣の韓国のハングル。どなにいじくり回しても、造形的に美しくならない。アラビア語のほうが遙かに美しい。ま、民度に釣り合った文字、と思えば納得できますけど。 下の作品は自分の「お気に入り」のいくつかを写したものです。


はじめに、田代さんの娘さん、中島香恵さんの作品<ふたり>
書道展


良寛の句「ほろ酔いの あしもと軽し 春の風」ふつうに上手い作品。
書道


「戦死せり 三十二枚の 歯を揃えへ」歯の漢字の表現にこんな方法もあるのかと。着想が秀逸。
書道

文部科学大臣賞をとった作品。ナンデアル?・・「断」の字です。上手、ヘタの問題ではありませんね。ほとんど発狂状態で描いたのかもしれない。
書道


これもナンデアル?・・羽生弓弦選手のスケーティングにインスピレーションを得て描いた「舞」の字。そう言われたら「舞」に見えてくるところがミソ。しかし、このカタチを得るまでどれほど試行錯誤を繰り返したか、を想像すると、そこはプロの業というしかない。シロウトは千回練習しても達し得ないでせう。
書道

会場風景(公募作品の部)    本展は21日まで。無料。
書道


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