閑人帳



●ブラック企業の素顔が見えた

 2月9日の7ch「ガイアの夜明け」を見た人は相当のショックを受けたのではないだろうか。日経新聞グループで、企業を応援する思想で番組をつくってるTV局が、ビシバシ企業批判をしたのだから、視聴者は驚いた。良い意味で「裏切られた」思いがした。


取り上げられたのは、長時間残業など、不当労働行為で批判にさらされている、いわゆるブラック企業。ABCマート、ドンキホーテ、すき家、ワタミ、アリさんマークの引越社。今回の放送により、これらの会社はテレ東とは絶縁することになりそうだ。(もともと、スポンサーではなかったかも知れないが)


一番くわしく報じられたのが「引越社」で、社員は奴隷のごとくこき使われてるようすが分かる。たまりかねて、敢然と反旗を翻した社員のOさんは、実情を公表、話はもつれて裁判沙汰になっている。
 過労で事故を起こして車を破損した場合、普通は会社の保険で修理できるはずだが、会社は修理代全額を社員に払わせる。40万とかの金額で即刻払えないときは、会社に借金することになり、これで社員を縛って退職できないようにする。逃げ出したくても逃げられない「アリ地獄」である。そういうルールは入社のときに説明しない。「社員は奴隷なり」は事実上、会社の経営マインドのようになっている。


Oさんは、結局クビになる。その理由が下の写真の通りだが、解雇理由ではなく「罪状」とされるのだから酷い。ゴタゴタを取材したときの会社幹部の言葉使い、振る舞いはモロ、暴力団のコピーだ。組員が見たら「うぎゃ、ワシらよりえげつないやんけ」と驚いたかもしれない。同じく、この場面を見た視聴者は、将来、自分が引越をするときは、なにはともあれ「引越社」には頼まないと決めただろう。引越社はヤクザが経営してると思われても仕方ない。


アリサン 


では、他の同業者はもっとクリーンでジェントルなのか、似たようなレベルなのか、わからない。なんにせよ、このドキュメントで引越業者のイメージは一挙に悪くなった。まじめな会社には物凄い迷惑な放送だった。この番組の視聴率の低さだけが救いであるけれど、少しはネットで拡散するかもしれない。すでに下のURLで話題にされている。
http://news.nifty.com/cs/economy/phdetail/cc-20160210-4215/1.htm  (既に削除の場合あり)


ブラック企業の雄、ワタミは社員の自殺が裁判になり、1億2千万円の賠償金を払うことで和解した。堂々と裁判で争うと言っていた渡邊社長も今は「青菜に塩」のありさまだ。どこへ行っても後ろ指を指される身になった。業態をあれこれ工夫しても客は増えず、早晩、資金繰りが苦しくなるのではとウワサされている。破綻しても、ザマミロと蔑まれるだけである。


カネ儲けのためなら、社員の生命や健康など知ったこっちゃない、というのがブラック企業の共通コンセプトになっている。一方で、2月6日に紹介した産廃業者「真田ジャパン」のような、社長が社員に感謝の念をもって経営している企業もある。天国と地獄くらいの差がある。
 ブラック企業といえども、社員あっての経営である。うっかり入社して「アリ地獄」に落ちないためにも、このような告発報道が増えてほしい。


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