閑人帳



●常識が変わる・・日本は貿易立国にあらず

 昨日の報道で「旅行収支53年ぶりに黒字」が大きく取り上げられていました。万年赤字が常識だったから、ビッグなニュースであります。
 訪日外国人がドバッと増え、逆に海外へ出かける日本人が減ったからでありますが、10年前には想像出来なかった事態です。50年以上も赤字を垂れ流していたのに、黒字に転じて観光収入が直接、国益に寄与するようになった。今までの常識が覆されました。


「日本は資源の乏しい国だから、原材料を輸入してモノに加工し、輸出することで国家の経済を支えている」これも常識でした。その通りでありますが、その「貿易立国」の姿がだんだん影薄くなってきました。


 下のグラフは年度別の経常収支をあらわしたものです。
10年くらい前から、ブルーの貿易収支より黄色の所得収支(海外での投資による儲け)のほうが大きくなってきた。2006年からは明瞭に逆転し、2012年からは貿易収支の赤字を埋める役目を果たしています。「貿易によって成り立つ日本の経済」というイメージは壊れてしまいました。しかし、石頭人間はいまだに「日本は貿易立国」で成り立ってると思い込んでいる。もし、貿易だけに頼っていたら、日本は大ピンチに陥ってるところです。昨年でいえば、貿易収支は約6000億円の赤字でしたが、所得収支では約20兆円もの黒字になっています。

財務省統計資料
https://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg2015cy.htm


貿易グラフ 


だから喜んでいいとはいかない。海外への投資でしっかり稼ぐということは、国内での生産、投資をしないということで、いわゆる「産業の空洞化」が起き、不景気になります。さじ加減が難しい。貿易立国だと思っていた日本、国家経済をいかほど貿易(輸入+輸出額のGDP比)に頼ってのか。世界208カ国・地域のランキングがあるので紹介すると・・(小数点以下四捨五入)

 1位ー香港 370%
 2位ーシンガポール 265%
 50位ー韓国 81%   
 83位ードイツ 70%
121位ーカナダ 53% 
150位ーイタリア 45%
168位ー中国 40%  
171位ーイギリス 40%
182位ーインド 36%
184位ー日本 33%
185位ーオーストラリア 33%
202位ーアメリカ 23%
205位ーブラジル 21%


香港やシンガポールは例外で、極度の人口過密なのに国内資源が皆目無く、食料、水、電力、すべて外地から調達しなければ立ちゆかない国(地域)です。日本は208カ国中、184位。意外に思えるかも知れませんが、これで「貿易立国」とは言えないでせう。日本よりもっと貿易を頼りにしている国がいかに多いか、ということです。日本より下位のオーストラリア、アメリカ、ブラジルがいずれも天然資源の豊富な国であることを思えば、日本の依存度の低さは奇妙に思えるくらいです。日本は基本的に内需の多さで経済を回してる国といえます。

引用資料
http://www.globalnote.jp/post-1614.html




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