閑人帳



●アルフォンス・ミュシャ展 鑑賞

 阪和線堺市駅前に小さな美術館があることは知っていたけど、訪ねるきっかけがなかった「アルフォンス・ミュシャ館」へようやく出かけました。そもそも、堺になんでこんな美術館があるのかと不思議に思っていましたが、作品はすべて個人からの寄贈によるもので、その名は土井君雄氏。むかし「カメラの土井」という名の売れたカメラ店があり、その社長さん(故人)のコレクションでありました。


ミュシャはアールヌーヴォー全盛期のスター的な画家でありますが、画家というより、デザイナーというジャンルでの活躍のほうが大きい。写実からほど遠い抽象化、装飾化のセンスはトレーニングだけではできないと思わせます。また、スタイルが似ている少し先輩のビアズリーに比べると、ずっと健康的な作風です。100年前は最先端の流行だったのに、今や「歴史的作品」として鑑賞するのだから、なんとも儚い。


ミュシャはてっきりフランス人と思っていたら、チェコ人でした。パリで活躍していたからフランス人と思い込んでいました。精一杯働いて、晩年は祖国の歴史を学び直し、油彩で「スラブ叙事史」を大画面で描いた。完成まで十数年かかったという。その写真がここに展示してあります。売れっ子デザイナー、ミュシャとは全く別世界のシリアスな絵です。ウソかマコトか、2017年に、この大作を東京で展覧する企画があるらしい。実現したら、大人気必至です。(2月4日)


ミュシャのポスター作品
ミュシャ 


ミュシャ 


ミュシャ 


超大作の「スラブ叙事詩」
ミュシャ 


スポンサーサイト