大阪日暮綴



●初春文楽公演鑑賞
     「新版歌祭文」「関取千両幟」「釣女」

 公演期間後半の平日なのに、客席は満員御礼。今回は嶋太夫引退興行ということもあるけど、まずは目出度いことであります。当日、とくに目だったのは男性客の多さで、2割越え確実、もしや3割近くだったかもしれない。10年前には考えられなかった大変化であります。


ダシモノは上記の通りで、嶋太夫は「千両幟」で語ります。住太夫ほどの上手さ、カリスマ性はないけど、名人がまた一人去ってしまった。
 「歌祭文・野崎村の段」のラストシーンは文楽だけで、3~4通りのヴァージョンがあるみたいですが、今回のはイマイチ。それでも、太棹で野崎村の曲を聴くだけで楽しい。これを作曲した人に感謝です。(この曲は、先日亡くなった春団治師匠の出囃子に使われた)


「釣女」はめずらしく狂言のコピーで、舞台づくりも松羽目を描いたもの。セリフも狂言に近いが、面白さでは、やや期待はずれという印象。狂言でははっきり分かる、大名と太郎冠者の「身分差」があいまいになって、おかしみが伝わらない。人間を人形に置き換えるゆえの欠点がモロに表れる。コピーも意外に難しいと思ったものです。(1月20日 国立文楽劇場)

文楽



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