読書と音楽の愉しみ



●西鋭夫の講演録「新説・明治維新」を聴く

 TさんからCDを借りて講演会の録音を聴く。西氏がどういう人物なのか知らなかったので、聴いてから経歴のあらましを調べました。スタンフォード大学の教授、研究員というので、えらく堅苦しい講演かと想像しますが、話自体はだれにでも分かるレベル、むしろ、昔ふう講釈師の雰囲気さえ感じました。

西氏の紹介
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%8B%AD%E5%A4%AB#.E4.B8.BB.E8.A6.81.E8.91.97.E6.9B.B8


明治維新の真相は何だったのか、という疑問は近・現代史好きなひとには鉄板的テーマです。これを裏返せば、私たちが学校教育で習った明治維新なるものはインチキくさい、ということになります。昨年、ここで紹介した「明治維新という過ち」なる本も、普遍的な維新の知識をひっくり返そうという意図で書かれた本でした。ま、いろんな説が出るのは良いことです。


明治維新には英国の陰謀が絡んでいた
さて、講演のキモは以下のようなことになります。
 明治維新は、幕末の薩長土肥をメインにした藩の志士たちの活躍で幕府を倒し云々という話になっているが、活動資金がない彼らが東奔西走して政治工作できるわけがない。行動には資金が要る。実は闇のカネが動いていた。出資者は大英帝国の手先であった長崎のグラバー商会である。グラバーは討幕派の坂本竜馬などに裏金と武器、船まで供給した。つまり倒幕運動の支援者になった。


だからといって、グラバーが竜馬の思想に共鳴したわけではない。その後、グラバーは江戸幕府側にも武器を売る。その真の狙いは日本に内戦を起こさせること。これによって国力が疲弊し、日本が自滅状態になるように企んだ。英国がインドやシナを侵略、支配したときは、利益も大きかったが、自国の犠牲も大きかった。侵略支配の過程で自国軍の兵士をたくさん失った。日本に対しても同じ方法で支配を目論むと、また大きな犠牲を払わなければならない。


そこで、英国は艦隊や兵士を送り込まず、武器や兵器の供給元になることを選んだ。これなら、血を流すのは日本人だけである。内戦でボロボロになったところで乗り込めば、やすやすと支配できる。こういう筋書きが明治維新の裏にあった・・。


これは講演の一部分でありますが、要するに、明治維新には英国の陰謀が絡んでいた、というのであります。グラバー商会の実体は「死の商人」だったというのです。どないです? 説得力ある? ない?。


駄目男は、この英国野望説を了とします。志士たちの活動を支えたのは、英国による裏金だった。なんせ、当時の藩は薩摩を除いてはビンボー藩ばかり、大名が大阪の豪商からカネを借りまくっていたことでも分かります。しかし、西氏の話はここでプツンと切れ、具体的な説明がないまま、次の話題に移ってしまいます。


以下は、駄目男の補足です。
 英国の目論見どおり、内戦(戊辰戦争)は起きるが、日本が自滅して英国に乗っ取られた、という筋書きにはならなかった。のみならず、意外にもグラバー商会は経営破綻する。さらに、日本を乗っ取るどころか、後年「日英同盟」を結ぶ関係になるのだから、一寸先は闇であります。


ほかに、現憲法の作られ方や教育改革の必要性、世界はカネで動く、という、金万能説、などが語られていますが、いずれも中途半端な語りで終わってしまい、印象が散漫になるのが惜しい。西氏の立派な経歴や現在のポジションからすれば、もう少しスジの通った話を聞きたかった。


講演についての賛否両論はこちら・・・
http://mickeyduck.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-f92d.html

講演会



にほんブログ村



スポンサーサイト