アジア ウオッチング



●台湾の前途は厳しい

 今回の台湾の選挙を興味深く見た。予想通り、民進党の蔡英文氏が勝ち、立法院でも多数派となって8年ぶりの政権交代が実現した。中国に呑み込まれそうになっている台湾の、いわゆる本省人があらてめてアイデンティティに目覚めて「台湾人の台湾を」という意思表示をした。
 こういう経験は日本人にはできない。私たちの投票は、政党、政策、候補者の人柄で選ぶのであって「日本人としてのアイデンティティ」を自問しつつ、国家のあるべき姿を思い描く、ということはない。


考えが真逆の政党があっても、政治家も有権者も「まんま日本人」であって、ワンパターンの日本人どうしの選挙である。考えてみれば、これほど「民族史」に無自覚で政治を託してる国民は珍しいのではないか。民族も言語もワンパターンで事足りる。そうでない国に比べて、いかほど幸せか。当たり前すぎて、有り難さに気がつかない。


それはさておき、民進党が勝って台湾の未来は明るく開けるか、というと、残念ながら楽観はできない。対中国との関係を「現状維持」と述べた蔡英文氏の考えは、若者には物足りないだろうが、妥当な言い方だ。 今さらどうにもならないけど、台湾は経済交流で中国に深入りしすぎた。分かっていながらズルズルと腐れ縁をつくってしまった。

対中国の輸出比率とGDP比を列挙すると・・

1位:オーストラリア
対中輸出比率:34%。GDPの6%相当

2位:台湾
対中輸出比率:26%。GDPの16%相当

3位:韓国
対中輸出比率:25%。GDPの約11%相当

4位:チリ
対中輸出比率:23%。GDPの8%相当

5位:日本
対中輸出比率:19%。GDPの3%相当

以下、ペルー、ブラジル、マレーシア、タイ、と続く。

 台湾は輸出の四分の一を中国に頼り、それがGDP比でも六分の一に達する。(中国頼りの一位はオーストラリアだが、GDP比は小さい)
中国はダントツ一位のお得意様である。キライだといって付き合いを断るなんてとてもできない。蔡英文氏がいう「現状維持」政策のホンネはこれに尽きる。中国にカネで縛られている。
 韓国も似たような状況だ。台湾は競争相手でもある。中国と対等な付き合いなんてあり得ない。いかに上手にゴマすりするか、しかない。


「中国丸」という泥舟に、台湾、韓国、日本が乗り合わせている。あわや沈没というピンチに、いかにスムースに脱出できるか。日本の会社も他人事では無い。その中国進出企業数は大小2万社。


参考資料
http://forbesjapan.com/articles/detail/10334


台湾の選挙の開票風景が面白い。投票用紙を数えれば済むのに、漢字の「正」の字を並べて数字を数えてる。学生のイベントかな、と思ったが、そばに投票箱も置いてあるので、冗談ではなさそう。

開票風景
台湾選挙 


yたいわん




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