閑人帳



●「メンソレータム」の正体

 子供じぶんからオッサンの年に至るまで、この薬の効能を誤解していたのは駄目男だけではありますまい。戦後のどさくさ時代、血の出るような怪我をしたときは、この「メンソレ」か「ヨーチン」を塗るしか処置の方法を知らなかった。かなり時代がすすんでも、ラジオのCMで「♪メンソレータムがあ~れば、いつでも安心♪」なんて歌が流れていた。


であるから、これはてっきり「傷薬」と思い込んでいたのであります。指を切って血が出て、これを塗っても血は止まらないし、傷口がふさがることもなかったのに「傷薬」と信じて何度も塗った。アホクサ。 なんでしょーもないミスを続けたのか。容器の効能書きをちゃんと読まなかった? でも、容器がえらく小さくて、文字もまた小さすぎて読めなかった・・という言い訳もできるが、それより、ハナから傷薬と思い込んでいた、というのが正しい。たぶん、親も傷薬と思い込んでいた。


オッサンになったある日、「ひび、あかぎれ、しもやけ」に効能あり、と知る。プギャ!、傷薬ではなかったのね。メンソレータム認知におけるコペルニクス的転回の日でありました。イヤハヤ。
 かなり自信をもって言うが、戦前生まれの大半は傷薬とカン違いしていたのではないか。「おかあちゃん、血い出てん」「アホやな、メンソレ塗っとき!」こんなやりとり、どの家庭でもあったような・・。


現在は、メンソレータムの効能を正しく認識して愛用しています。冬に多い、かかとの荒れや指先のささくれにはとてもよく効きます。誤用を含めて70年近く使ってる常備薬。昔は「近江兄弟社」という会社の商品だったが、今はロート製薬に移ってる。


しかし、パッケージのデザインは昔のまま、アメリカで開発されたのが1890年代だから、実に120年に及ぶロングセラー薬品です。パッケージのデザインが100年間不変というのもすごい。古くさいから変えようという発想はメーカーにもないと思います。世界150カ国で販売されてるというから、もしや、かのイスラム国のテロリストも、爆弾といっしょにこれを携行してたりして。「テロ兄ちゃん、それ、傷薬とちゃうで」と、おせっかいなこと言う旧人類がいるかもしれない。


ナース姿の女の子は、ハリウッドスター、シャーリー・テンプル(昨年、85歳で死去)がモデルだった、という説もあるが、これはウソらしい。
メンソレ 


<追記>上記記事で、メンソレータムはロート製薬の商品になったと書きましたが、近江兄弟社からは「メンターム」という名前で、同じ効能の商品を販売しています。Gさんから情報を寄せていただきました。



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