閑人帳

 

●家系図をつくってみた

 遠い親戚だと思っていたら、実は他人だった。また、その逆もあって親戚の範囲は年数とともにあいまいになっていく。世間はそれが普通で、自分の家系をきっちり認識している人は稀ではないでせうか。


かねてからの懸案だったので、親戚の一人にお願いして家系図をつくってもらった。過去帳に先祖の情報が網羅してあれば割合い楽に書き起こすことができるけど、それがないので記憶を寄せ集めて図にするしかない。なかなか大変な作業で、一年以上かかって母方の家系図ができた。


一代遡るごとに、情報はあやふやになっていく。聞いたことのない名前が出て来る。今回わかったことの一つは、自分の三代前の生年は江戸時代の末期と推測できたこと。これ以上古い情報(人名)はたどれなかった。 無名庶民の家系って概ねこのくらいの情報量ではないでせうか。創業以来300年なんて老舗は当然きっちりと系図を残しているのだからえらい。


先日、「夫婦同姓は合憲」というニュースを見て、すぐ家系図がアタマに浮かびました。もし、夫婦別姓が普及したら家系図はどうなるのだろう。自ら別姓を名乗り、子どもも成人、結婚して夫婦とも別姓になり、孫もまた・・・。のみならず、自分が離婚して、再婚したときもまた別姓を名乗るともうタマランややこしさになります。これで円滑な家族関係が保てるのか。少なくとも、現在、普通に体感している、親子、きょうだいの親密感は失われる気がする。


姓名というシンボルのもとに維持されてきた、伝統的な家族観は崩壊するでせう。別姓推進派は家族の崩壊の危惧より、男女平等の権利を獲得するほうが大事であると考えているようです。
 現在のように、父方、母方に分かれてるだけでも結構ややこしいのに、それが等比級数的に分裂、拡散していくのだから「家系図」なんてレトロな紙情報は作れなくなります。いっそうのこと「三世代以上離れた親族は他人とみなす」という法律をつくったほうが分かりやすくていいのでは。


新聞の論調をみると、朝日、毎日が別姓推進派、読売、産経が同姓維持派と、まあ、世間相場通りです。朝日新聞の世論調査では別姓賛成が多い。しかし、自分が夫婦当事者ならどちらを選ぶか、の問いには、大多数が「夫婦同姓」に賛成。タテマエでは別姓賛成だけど、自分に当てはめると同姓でいいと。これが国民のホンネでせう。

朝日新聞の世論調査結果
http://www.asahi.com/articles/ASHC97592HC9UZPS006.html

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以下は読売新聞の社説を一部引用(12月17日)

「夫婦同姓合憲 司法判断と制度の是非は別だ」

日本社会に定着している夫婦同姓は合理的だ。そう結論づけた最高裁の判断は妥当である。夫婦同姓を定め、別姓を認めていない民法の規定について、最高裁大法廷は合憲だとする判決を言い渡した。


 事実婚の夫婦らが、同姓規定は個人の尊厳や男女平等を保障した憲法に反すると訴えていた。大法廷が重視したのは、夫婦がどちらの姓を称するかについて、民法が夫婦間の協議に委ねている点だ。「男女間の形式的不平等は存在しない」と認定した。


夫婦が同じ姓を名乗るのは、同一の家族であることを示す意味合いがあるとも指摘した。いずれも、うなずける見解である。社会での旧姓使用の広がりにより、「女性の不利益は一定程度緩和され得る」とも判断した。


今回の判決には、様々な受け止め方があろう。大法廷でも15人の裁判官のうち、5人が民法の規定を違憲だと判断した。この中には3人の女性裁判官が含まれる。「多くの場合、妻のみが個人識別機能を損ねられている」と夫婦同姓を批判した。夫婦の96%が夫の姓を選んでいる現状を踏まえた意見だ。

 旧姓を使い、仕事を続けてきた女性らが姓を変えたくないという心情は理解できる。一方で、多くの国民が夫婦同姓を受け入れている現実もある。各種の世論調査では、別姓への賛否が、ほぼ拮抗きっこうしている。

 法制審議会は1996年に選択的夫婦別姓の導入を答申した。だが、自民党内から「家族の一体感が損なわれる」との反対論が噴出し、法制化が長期にわたり見送られる異例の状態が続いている。 留意すべきは、最高裁の合憲判断と制度変更の是非とは、必ずしも論点が一致しないことである。生活に密着する法制の見直しは、国民の意識と歩調を合わせて検討されることが望ましい。まずは社会の中で旧姓使用を認める範囲をより広げ、女性が働きやすい環境を整えるべきだ。
(以下略)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/?from=ylogo_c


A3紙に描いた家系図
家系図  





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