大阪日暮綴



●いつまで続く? イオンの「大艦巨砲」主義

 来年3月、堺市の北端に「イオンモール堺鉄砲町」が開業します。敷地面積10万2000平米、床面積13万5000平米、駐車台数2300台、という巨大モールです。果たして、この規模に見合う売上げができるでせうか。駄目男の見方はかなり悲観的です。


その根拠の第一は、当地からわずか3キロ東に、同じ程度の規模を有する「イオンモール北花田」があるからです。車ならわずか10分ほどで往来できます。要するに、タコが自分の足を食うような、身内同士での食い合いになる。こういう有り様を「カニバる」というそうです。(同じような例は伊丹市でもある)


東には身内の店、西側は臨海部で住宅街はなし、南側はショップの多い南海本線の堺駅、北側は大和川を挟んで大阪市住之江区になる。いったい、どこから客を吸い寄せるのでせうね。さらに、敷地に隣接する南海本線七道駅は、各停しか停まりません。(隣の堺駅から無料送迎バスを運行すると思います)大阪市南部と堺は、南北の道路は多いけど、東西の行き来が不便で、モールへのマイカー客が国道26号に集中すると、広範囲で渋滞が起きそうで、だったら、北花田店やあべのキューズモールへ行こうと、客を逃がすかもしれない。


イオンの経営陣は未だに「大きいことはいいことだ」という古くさい観念にとらわれているみたいです。人口減や少子化、高齢化、といった変動要因を承知しながら、なお巨大店をつくりたがる思想が、どうにも理解しにくい。現実に、大型スーパーの採算は悪化を続けていて、肝心の小売りではどの大型店でも、赤字か赤字すれすれの採算に陥ってる。大規模だから儲かるというビジネスモデルはとっくに時代遅れになってるのに、まだしがみつくのがイオンの流儀であります。


イオンを牛耳る岡田一族のアタマが立派な石頭と想像します。ダイエーの失敗を目の当たりに見ておきながら、同じ轍を踏もうとしている。恐らく、役員の進言や消費者の声など聞く耳を持たないのでせう。


新店は低層形なので、フロアが広いぶん、歩行距離が長くなります。レジから車まで徒歩10分なんて場面が普通にあるかも知れない。お客はそれで満足するだろうか。なかには「とても良い運動になります。トホホ」と半泣きでほめるイオンファンもいるかもしれませんが。
 やたら大きい店は、好感どころか、今や嫌われる時代なのだということに気づかない「大艦巨砲主義」のイオンさん。まだ懲りずに、戦艦大和をつくり続けるつもりなのだろうか。


・・と、悪口ばかり書きましたが、敷地に残る、旧ダイセル工場の赤レンガの古い建物がカルチャーシーンに活用されるそうで、利用者にはお洒落な憩いの場になることを期待します。


堺鉄砲町店の完成図

イオン 



敷地は昔の「ダイセル」工場の跡地 
イオン 



売上げは7兆円で日本一だが、利益はわずか1400億円しかない。その利益の大半は、テナント料など、本業の小売り以外での儲けに頼っている

イオン 







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