閑人帳

●劇場の舞台裏風景を見学

 本格的な仕込みのできる舞台の裏側って、どんな風景? 興味があったけど、観客の出入りは御法度の空間です。しかし、待てば海路の日和ありで、10月24日、西宮の兵庫芸術文化センターは開館10周年を記念して「オープンデイ」とし、誰でも見学できる、粋なサービスを提供しました。


3ホールのうち、見学したのは阪急ホール(中ホール)。定員800名の標準的な演劇ホールです。演出家やスタッフから大まかな説明があり、幕やバトンの使い方、照明の工夫などの説明がありました。
 舞台裏風景は、見学に備えて整理整頓されてましたが、それでも「雑然」とした風景は写真の通りです。上演時は多くの大道具、小道具が持ち込まれるため、また、当然、舞台裏は照明を落としているので、出演者は道具類にぶつかったり、つまづいたりする危険があります。


歌舞伎でよく使われる浅葱幕(あさぎまく)の仕組みについての説明もあり、メカは単純で、長いバーに5センチ?ほどのピンを等間隔で生やし、幕を引っかけておく。このバーを半回転すると一気に落ちます。なるほど。この浅葱幕のアイデアって日本独特のものかも知れないが、劇的な場面転換には効果大です。

浅葱幕が落ちる瞬間(国立劇場)
舞台 


演出家やスタッフが言うに、舞台裏の仕事は、今でも基本はアナログ感覚、そして、かなりきつい肉体労働だそうです。電動モーターで操作できないところは全て手作業、かつ、スピードと機敏さが必要な作業です。そして、チームワークに徹しないと勤まらない。全てのスタッフが「好きでやってる」のでせうが、難儀な演出や気ぜわしい日程では相当きつい仕事もありそうです。サラリーマン精神ではアウトですね。


歌舞伎やオペラのチケット代は非日常的感覚の高額で、普及を阻む要因になってますが、あの晴れやかな舞台の陰で、どれだけ多くの人が地道に切磋琢磨しながら公演を支えているかを知ると、あんまり文句言えないナ、という気にもなります。芝居に限らず、文化を育て、維持するには金も手間もかかります。


「不思議の国のアリス」の寸劇で舞台の仕掛けを説明します。
舞台


舞台裏の空間は、観客が見る舞台空間の数倍の容積があります。
舞台


精一杯片付けてもこんな感じ。
舞台裏


奈落は位置が固定されてる劇場が多いけど、当劇場の舞台は鉄骨のフレームに90×180センチのパネルをはめ込んでるだけなので、どこにでも奈落を設けることができる。底まで270センチ。
舞台


物好きな見物客が大勢いました。
舞台


音楽ライブに使う客席後方のミキサー卓。このホールのスピーカー出力は合計3000Wくらいという。ラジカセなら3W,家庭用オーディオで30Wくらいなので、ケタ違いに大きい。
舞台 


ロビーではミニコンサートのサービスがありました。
舞台 





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