読書と音楽の愉しみ



●副島隆彦著
 「それでも中国は巨大な成長を続ける」を読む

 当ブログ7月20日の「アジアウオッチング」記事で、読者をたぶらかすえー加減な本を出す人として、副島隆彦、藤巻健史、長谷川慶太郎、大前研一、の四氏を挙げました。ここでは副島氏の本を紹介します。


本書は2013年3月発行です。執筆は、中国ではトップが胡錦濤から習近平に変わるあたり、また、住宅バブル景気がはじけてマンションが値下がりしつつあった時期で、成長に翳りが見えていた。これらの状況を踏まえつつ、心配は要らん、それでも中国は力強く成長すると述べているのが本書です。


実は、著者の中国ヨイショ本は本書で5冊目です。08年から今までに

「中国 赤い資本主義は平和な帝国を目指す」
「あと5年で中国が世界を制覇する」
「中国バブル経済はアメリカに勝つ」
「中国は世界恐慌を乗り越える」を出版しています。

著者の見立ては明快で
「中国が世界一の国家になる」
「アメリカは没落する」
「日本は時代遅れの国家で中国に支配される」というものです。
 上記の本「あと5年で中国が世界を制覇する」は2009年の発行なので、2014年(昨年)には世界を制覇してることになりますが、ムムム・・であります。実情は世界制覇どころか、没落のはじまりみたいに思えるのですが。


全編、中国礼賛の文やグラフで埋め尽くされていて辟易するけれど、中国を侮ってはいけないという見解だけは正しい。世界情勢を動かせる強国はアメリカと五分に渡り合える中国しかない。これはもう世界中の常識です。アメリカと中国に挟まれた日本は、両国のご機嫌を伺いながら生きていかねばならない弱小国に落ちつつある。


経済面だけでなく、政治体制についても、著者は楽観的です。170頁「中国の民主化(複数政党制と普通選挙の導入)はこの10年で段階的に実施されるだろう。2023年のトップリーダーである胡春華と周強の時代には、中国はデモクラシーの国になる」と。
 次から次へと出版を続けてもベストセラーにならないのは本人も歯がゆいはずですが、だからといって姿勢を改めようともしない。世上「マユツバ本」のイメージが定着してしまった。出版社も頭が痛いでせう。(2013年3月 ビジネス社発行)


副島本





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