閑人帳


● 能×文楽×歌舞伎のコラボで演じる「隅田川」

 9月4日のEテレ「にっぽんの芸能」で首題のような珍しい舞台が放映されました。何年か前に試演され、好評だったので、今回は放送に適したNHKヴァージョンの演出になります。監修は野村四郎。


能のダシモノでは一番好きな「隅田川」なので興味津々でしたが、能のコアなファンで、ふだん、文楽や歌舞伎を見慣れない人には、ムムム・・な、否定的な感想もあるのでは、と思います。同様に、文楽ファンが見ると、本来、大阪弁主体の義太夫に候文(そうろうぶん)が出てくることに「なんか、ヘン」な思いがしたかもしれない。


一番、すんなり見られたのは歌舞伎ファンではないか。能では中年女性の面をつけるシテを歌舞伎の女形(尾上菊之助)が演じます。男が女に化けてると言う点では同じですが、リアリティでは女形のほうが勝ってるから分かりやすい。しかし、能のファンはそれがポピュリズムだと納得できない。三つのジャンルをほぼまんべんに見てきた駄目男は「こんなのもアリか」という感じでありますが。なお、能では重要な役割であるワキが、今回は省かれて、代わりに義太夫で語られていました。


舞台は普通のヨコ長ですが、形ばかりの橋懸かりが設けてあります。囃子方は正面、義太夫は、能では地謡の席あたりで語ります。三味線は太棹一丁と後半では胡弓が加わって哀切感を演出していました。
 なんでこんな企画が生まれたのか。減少する伝統芸能ファンに新機軸でアピールするため? または、誰かが面白半分に「こんなん、やってみません?」と言ったのか。ただ、企画を是として対応した各界の姿勢は評価に値するでせう。振り付け藤間勘十郎、義太夫豊島咲太夫ほか。


「隅田川」概説
http://www.the-noh.com/jp/plays/data/program_012.html 


能、文楽、歌舞伎、の三者が同じ舞台で演じる。
隅田川 


隅田川 


隅田川 



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