閑人帳



●日本は二度負けた ~太平洋戦争~

 関野通夫著
 「日本人を狂わせた洗脳工作(WGIP)」を読む(その1)


二度負けた、とは、まず「軍事力で負けた」こと。これは説明を要しない。もう一つは「精神面においても敗北させられた」ことです。米国の巧妙な洗脳作戦によって日本人の国民性が変わってしまった。なのに、この事実を未だに知らない人がほとんどです。
 戦前生まれはむろん、戦後生まれ、そして平成生まれの若者まで、70年前の洗脳の成果を引きずっている。いや、ワシは洗脳されてへんで、と言える人はゼロにちかい。


戦争中と戦後では、真逆といえるほど国民性が変わってしまった。その理由を「軍政の抑圧から解放されたから」「国民個々の自己反省」と考えるのはたやすいが、しかし、余りにも見事な変身ぶりは、これだけで説明できない。真相はアメリカ政府による洗脳工作が成功したからだ。


著者はアメリカ政府による日本人洗脳計画に興味をもち、資料の渉猟を続けた結果、ある大学に原本が保存されてることを突き止め、膨大な原資料をはじめて目にした。それがWGIP(ウオー・ギルト・インフォメーション・プログラム)だった。直訳すると「戦争犯罪情報計画」意訳すれば「日本人に戦争犯罪意識を刷り込む計画」となります。本書はわずか80頁の冊子にすぎず、難解な文章でもないが、誰が読んでも暗澹たる気分になります。


戦勝国が敗戦国の国民をほぼ100%洗脳した。暴力を使わずに満点の成果をあげた。このため、日本人には「洗脳された」という被害者意識が皆目ない。このブログを読んでいる方も、皆さんの父母や兄弟がアメリカ政府に洗脳された、なんて思っていないはずです。何より、洗脳工作の先兵になったマスコミ自身、国民を騙したなんて思っていない。


◆洗脳の目的は何か
 一番明快な目的は、アメリカの日本に対する復讐心です。アジアの端っこにある黄色人種の国が白人社会に戦争を仕掛けるなんて許せない。
日本が二度と起ち上がれないよう軍事力をゼロにし、国民の素性まで変えてしまおう。こういうコンセプトのもとに計画が練られた。この発想は東京裁判にも取り入れられ、弁護無用、戦勝国の一方的な裁判になった。終戦直後から具体的な施策がとられたので、戦時中から周到なプランができていたはずです。


◆まず焚書、検閲の実施
 ぐずぐずすると反米分子の地下組織なんか出来るかもしれないので、速やかに、かつ強引に計画を実行する。その組織はCIE(民間情報教育局)と言い、GHQの下で日本人をも指揮して作業が行われた。
 「反米」思想のカケラも許さないと、関係資料の焚書(破砕・焼却)を行い、郵便は民間人のものまで開封された。その数は一ヶ月に400万通という膨大なもので、電報もチェックした。電話の盗聴も普通に行われた。


検閲の重点は新聞で、終戦3年目の1948年には、GHQのスタッフが370名、日本人の嘱託スタッフが5700名おり、新聞記事はすべてチェック、一日5000本以上に上った。米国への批判は一言も見逃さないという姿勢が貫かれた。生活のためとはいえ、電話の盗聴や個人の手紙を開封、検閲に携わった日本人は当然、口封じされ、良心の呵責からトラウマになる。(つづく)


(2015年3月 自由社発行)
wgip


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