閑人帳



●古典鑑賞二題


◆上方歌舞伎会(第25回)

双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)

 過去になんどか観た覚えがあるけど、四幕目の「引窓」だけで、通しでの鑑賞ははじめて。相撲取りが主役を演じるコテコテの義理人情モノであります。フツーの体格の人が相撲取り役になるのだから、分厚い肉襦袢を着込んで太めの身体にする。このクソ暑いさなか、どんだけ汗をかくのか、他人事ながら同情してしまいます。今回は、一幕目が片岡當吉郎、二幕目と四幕目が片岡松四朗と二人で交代していました。こうでもしないとタマランでせう。


皆さん、例年通りの熱演で、演技にはメリハリがあり、声も良く通り、初日の舞台なのにトチリもない・・要するに及第点の芝居です。どうしても達成できないのは「オーラ」が無いこと。これはどうしようもない。(去年も同じ事書いたような気がする)客席は満席、今回は女性の客が少し若返ったような感じでした。(8月22日 国立文楽劇場)


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◆無声映画「ロストワールド」鑑賞

 いま人気の「ジュラシックワールド」を観ようかと思っていたところ、新聞の片隅にこの映画の上映会が紹介されていたので、これ幸いと駆けつけました。弁士、音楽付きでプラネタリウムのドームに映写します。
 これぞ怪獣映画の元祖であります。1925年公開。無声映画の時代になんと大胆な企画でありませうか。当時の弁士は恐竜の登場で「ガオーッ!」とか吠えたのでせうか。今回の弁士は二十代の女性で、さすがに吠えませんでした。


原作が、あの「シャーロックホームズ」を書いたコナン・ドイルであることも初めて知りました。へえ~~って感じです。
 筋書きは、アマゾンで行方不明になった博士を救出すするため、学者や新聞記者のチームが現地を探検し、恐竜に遭遇する。証拠のために一頭を船でロンドンに持ち帰るが、暴れてロンドンの街をぶっ壊す、というもの。主な舞台は、恐竜の骨格を展示してある「大英博物館」です。


注目は恐竜のリアリティですが、技術の稚拙な無声映画の時代(90年前)にしては実によく出来ています。模型をコマ撮りで撮影しており、恐竜どうしが格闘する場面なんか、とても複雑な動きになるのに丁寧に撮影していて、その努力、忍耐は拍手モノです。当時の観客はびっくりしたでせう。この映画の成功が後の傑作「キングコング」(モノクロ・トーキー)につながります。ニューヨークで暴れまくる場面は迫力満点です。


しかし、コマ撮りの難しさは相変わらずなので、日本の映画会社は「ゴジラ」では怪獣を着ぐるみでつくった。これなら動きはスムースで制作時間も短縮できる(コストも下がる)  他人の苦労を観て学習したと言えます。そして、時代はCGへ・・。「ロストワールド」から「ジュラシックワールド」まで約90年。ものすごい技術進歩です。
 ともあれ、この無声映画に出会えたのはとてもラッキーでした。(8月23日 守口市・ムーブ21)


ネットから拾った「ロストワールド」関係画像
ロスト



ロスト 


ロストワールド



公開当時のポスター

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