閑人帳



●人生最後の「マグリット」展 鑑賞


 京都市立美術館では、ただいま「ルーブル展」と「マグリット」展を同時開催しています。ならば、人気は当然「ルーブル」のほうが断然高いと思いきゃ、そうでもない。平日の雨天というコンディションにもかかわらず、マグリット展も盛況です。これには少々驚きました。しかも、チケット代が1600円! なのに、老人割引きナシの無慈悲な催事です。


没後半世紀を経て、マグリットもすっかり大衆の「おなじみ」になったのでせうか。けったいな絵やなあ、と惑いつつ気楽に鑑賞できるようになったのは良いことです。それでも、中には何とか「解釈」しようとして作品を凝視してる人もいますが、何ほどの意味もありません。けったいな絵のまま楽しみませう。


今回は回顧展のかたちで130点もの作品が展示してありますが、マグリットらしい絵が出てくるのは中年になってからで、けったいな絵が満開。
 駄目男が一番好きなのは「光の帝国」です。昼なのに夜でアル、の光景を描いた、とても詩的で静謐さを醸し出している作品です。不条理を視覚化するとだいたい不快なものになりがちですが、これはイヤミがない。あり得ない風景なのにすんなり受け入れてしまいます。


半世紀近くつきあって、今や何を観ても新鮮味は無くなってしまったけど、このマグリットの発想はCMなんかに使えそうな気がします。CGを使って、さりげなく大嘘をつく、というアイデアです。すでに出来てるかもしれません。


同じシュールレアリズムの作家であっても、人物像がダリとは正反対だったのも面白い。絵を描くときは常に白のワイシャツにネクタイ、スーツ姿という銀行員のような恰好だった。有名になってからもアトリエをもたず、台所にイーゼルを立てて描いた・・。画家だから画家らしい暮らしを、なんてイロハの常識さえ持たないまま人生を終えた。作品と人物像がこれほど乖離しているアーティストは珍しい。(同展は10月12日まで 京都市美術館)


会場風景
マグ 


お気に入りの「光の帝国」残念ながら今回展示なし
マウ 



今回展示されたのはこのバージョン
マグ 



一番有名なのはこの「大家族」
マグリット 



「ピレネーの城」
マグ 


「野の鍵」
マグ


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昔、マグリットにあこがれて・・・

 「光の帝国」に触発されてマグリットもどきの絵を描いてみたくなった。船が沈むというアイデアは「走泥社」という前衛的陶芸作家のグループのどなたかに「ソファに沈没する客船」を表した、けったいな作品があり、これをヒントにした。クレパスと色鉛筆でしこしこ描いたけど、良くてパロディ、悪けりゃイチビリ、レベルの絵にしかならなかった。(70×50cm 1981年)


マグ


マグ 







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