読書と音楽の愉しみ



●タリス・スコラーズ演奏会 ~究極のハーモニーに浸る~

 何度も来日しているのに、なぜか機会がなくて、今回が2回目か3回目のお出かけ。人気曲「ミゼレーレ」は初体験にして、人生最後の機会になるかもしれない。
 演奏されるのは、ルネッサンス時代の宗教曲がほとんどで、日本人の生活感覚には全然なじまない、チンプンカンプン曲ばかり。
 なのに、2000人のホールを満員にした聴衆に深い感動を与えるのはなぜか。キリスト教の歴史も、神の教えも、ラテン語も超越した、ただひたすら美しい調べに酔いしれてしまうからです。知識も経験もいらない。人並みの感受性さえあれば誰でも享受できる。大げさにいえば「天国の疑似体験」。実際、そんな思いをした人が多いのではないか。


彼らがどれだけ厳しい訓練を積んでいるか、歌う前のチューニングを「声」ですることでも分かる。オーケストラではオーボエが受け持つ基準音を声で出す。ということは、440ヘルツと441ヘルツを歌い分けるということだ。絶対音感の持ち主で無ければ不可能な気がする。


G・アレグリの「ミゼレーレ」はバッハが活躍する数十年前にできた傑作。あまりの出来映えの良さに、教会が門外不出にした。ヨソで歌ってはならん、とコピーを禁じた。今でいえば「録音・メモ一切お断り」の措置。しかし、それでも盗み出したワル?がいた。かのモーツアルトである。彼は、この12分に及ぶ9声部の合唱を丸暗記し、宿へ帰って楽譜に書き写した。モーツアルトが14歳のときの事件です。まさか・・教会もビックリのすごワザでした。(このため、100年以上続いた門外不出措置はパーになってしまった)


聴く我々は「天国の疑似体験」みたいに心地よく聴けるけど、歌う方はソプラノの負担が大きくて、ベストコンディションでないときれいに歌えない。なので、常にプログラムに入ってるというのではない。
 この曲は、舞台と客席後方に分かれて歌う。ソプラノは後方の階上で歌うので、本当に天からほんわかと降ってくるように聞こえる。至高ののひとときであります。


歌詞の一部はこのようなもの・・・

神よ、わたしを憐れんでください。
御慈しみをもって。深い御憐れみをもって背きの罪をぬぐってください。
わたしの咎をことごとく洗い罪から清めてください。
あなたに背いたことをわたしは知っています。
わたしの罪は常にわたしの前に置かれています・・(略)

(6月14日 兵庫芸術文化センター大ホール)


ニコ動で見つけたライブ。場所不明。
テンポがえらくゆっくりしているのは、残響の長さのせいか。
http://www.nicozon.net/player.html?video_id=sm8867405&k=1434615712.0.1.p5_a-DS1Tqwl3ILOQmqVwZWJu7A.aHR0cDovLzQ5LjIxMi4xNTkuMTgyL3JlZGlyZWN0L2luZGV4Lmh0bWw_dmlkZW9faWQ9c204ODY3NDA1..


上の動画が見られないときは、こちら・・(別のコーラスグループ)
https://www.youtube.com/watch?v=IA88AS6Wy_4



門外不出の「ミゼレーレ」が歌われたシスティーナ礼拝堂
システィーナ礼拝堂



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