読書と音楽の愉しみ



●洋泉者MOOK「街道を歩く」を読む

 ヘヴィーウオーカー、石田俊雄さんから拝借した、街道歩きを志す人向けのガイドブック。ウオーキング隆盛の一環として歴史街道をコツコツ歩く趣味も広がってきた。本書が楽しいのは、歴史街道のカタログ的紹介だけでなく、いろんな個性派街道ウオーカーも紹介していることです。


「全国100街道」踏破を目指す人や、自分が歩くより、情報収集に情熱を注いで「街道文庫」なる書店(資料館)をつくってしまった人、さらに、街道ファンのたまり場、情報交換の場になればと喫茶店を開業した人もいて楽しい。自分だけ楽しむのではなく、同好仲間と情報を共有することで、交流の輪が広がります。


全国100街道踏破なんて、ものすごくしんどいテーマだと思ってリストを見てみると「小関越え」とか「京街道」というショートコースも入っていてホッとします。別に長い街道専門でなくても良いわけです。(むろん、東海道や中山道といった長距離街道も含まれています)時間的制約の大きい人にはおすすめのテーマだと思います。


喫茶店「散歩かふぇちゃらぽこ」は、ウオーキングファンのたまり場、情報交換の場になればと女性が経営する東京・中野の店。コーヒー一杯で長時間粘る客が多いから儲からないと思うけど、このアイデアは大阪などでも通用します。カフェ+ギャラリーみたいな店であれば、更に楽しい。


街道歩きの情報なんか、ネット上にあふれているのではないか、と思ってしまうけど、意外に実用情報は少なくて、たいていはご本人の自慢話か、無味乾燥なレポートが多い。他人を楽しませるという配慮が欠けている、即ち「自己満足」で終わってしまうのが惜しい。
 本書に登場する人たちは、自分が楽しいだけでなく、同好者と楽しみを分かち合えるセンスをもった市井の人たちなのでせう。(2015年3月 洋泉社発行




本・街道を歩く 






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