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●「桃山時代の狩野派」鑑賞  ~京都国立博物館~

 Tさんからチケットを頂いてタダで鑑賞できました。感謝。渋いめの展覧会だから、平日に行ったらガラ空きのはず、と予想して出かけたらなかなかの盛況で混雑寸前の賑わいでした。


狩野派の親分、永徳が亡くなったあとの息子や弟子たちの作品、屏風や襖絵がメインです。秀吉がブイブイ言わしてた時分は狩野派の絶頂期で、業界の仕事をほぼ独占していました。しかし、北陸から長谷川等伯という、中小企業ながらスグレモノの一派が現れて縄張り争いが熾烈になります。

 ・・・と、こんなこと書いてもぜんぜん面白くないですね。で、今回の鑑賞で日頃気になっていた小ネタを書きます。やっぱり面白くないかも。 日本画の表現技法の一つに「雲」があります。鑑賞者はほとんで意識せずに漫然と見過ごしていますが、素晴らしいアイデアだと感心します。誰が考えたのか? 源氏物語絵巻にこれが登場しているので、その前に中国から伝来したのかもしれません。


今回見た作品にも雲はいっぱい出て来ます。使い方として、最初は空から見下ろした風景を描くのに雲をモチーフに使ったのかも知れない。さらに、昔は使えなかった遠近法の代わりに雲で画面をセパレートして距離感を出そうとしたのかも。当然、画面の一部を省略する場合の便利なツールとしても雲を使ったと考えます。障壁画などでは、隅々まで細密に描くと画面がごちゃついてしまうので、雲を配してシンプルにすることもできます。


さらに応用を利かせて、下の南蛮屏風図では金色の雲の上を人が歩いてる風景が描かれています。写実からいえば全くデタラメな絵なのに「こんなん、ありか?」なんて文句言う人はいません。もう半分抽象画だと言ってもよい作品です。なにはともあれ、雲を絵のモチーフとして、こんなに上手に使ってるのは日本人(日本画)だけではないでせうか。


雲が描かれた日本画はゆったりした感じの画像になりますが、実は納期をせかされた画家が制作時間を短くするために雲を多用した・・そんなセコイ事情もあった?と勝手に想像します。とにかく、画家にとって労働時間が短縮できる便利なツールであり、鑑賞者にはほどよく整理された画像を提供できる、ウインウインの効果大なる表現方法です。(同展は5月17日まで)


狩野内膳 南蛮屏風図(部分)
狩野派


狩野山楽 唐獅子図屏風(部分)
獅子のたてがみや尻尾まで雲に見えてしまう。
狩野派


同展を開催している本館
狩野派


新しい「平成知新館」も充実した展示で満足度は高い。
狩野派 
 



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