読書と音楽の愉しみ



●逢坂文夫他著「コワ~イ高層マンションの話」を読む

マンション住人は死産、流産が多い
 著者の一人、逢坂氏は公衆衛生学の研究者で、この立場からマンション暮らしがもたらす健康への影響を調べてきた。悪影響はいろいろあるが、一番顕著なのは、高層(6階以上)に住む女性には、死産や流産が多いこと。6階以上はエレベータがあって、5階以下の集合住宅のように、階段の上がり下がりによる身体への負担はないはずなのに、こういうデータがでた。


なぜ、高層に住む女性は死産、流産が多いのか。原因追及は難しいが、
調査データから判明できたのは(数的表示は省略)
◇高層に住む人で飲酒頻度が高い人は要注意。
◇緊張しやすい性格の人が高層に住むとリスクが高まる。
◇運動不足(外出頻度が少ない)もリスクを高める。
◇高層階は身体に感じないが常に微妙な揺れがあり、デリケートな母胎に影響を及ぼす。これらの様々なストレスが死産、流産の原因になる。


興味深いのは、赤ちゃんの体重で、1~2階暮らしの母は平均3029gなのに、10階以上の部屋に住む母は3158gとかなりの差がある。
これは高層階に住むゆえの運動不足によって赤ちゃんが育ちすぎるからである。したがって、出産では帝王切開など異常分娩も多くなる。


デリケートな神経の持ち主が、高層階に住んで運動不足がち・・という場合、出産のリスクはかなり大きくなる、というのが著者の持論。


出産だけでなく、一般世帯の暮らしにおいても、高層階生活は、家族間、近隣住人間でもストレスが生じやすい。地べたに住むより人間関係が希薄になり「希薄」に気づくことさえないまま突然、飛び降り自殺などの悲劇を起こすことがある。わずらわしい人間関係を嫌って高層階の暮らしを選ぶ人もいるが、解決策というより、逆にリスクを高めることがある。就学まえの子供がいる家庭が高層マンションに住むのは、子供の成長にとってはマイナス面のほうが大きいことを認識してほしいと言う。


既存の高層マンションは10秒で倒壊する!
 ほかにもネタはあるけど割愛。別に、実は超オソロシイ情報がありました。1月18日の「NHKスペシャル」。途中から見たのでタイトルも忘れたけど、後半に「超高層マンションは地震で倒壊する」という、コワーイ話がありました。


上町断層直下型の地震の被害を分析するなかで、25階建て、100mのマンションが想定外の大きな周期(2~3秒)の横揺れに襲われた場合、上層階は下層階の一気の揺れについて行けず、大きくねじれた状態になり、その負荷で下層階の柱や梁が耐え切れなくなって一挙に倒壊するという・・地獄図であります。発生から倒壊まで10秒そこそこというから逃げるヒマなどありません。住人はほぼ全員即死、倒れた先の地表の家やビルも押しつぶされて助かる見込みはなしであります。


こんなエゲツナイ情報を流して委員会?と思った視聴者も多いでせう。
高層マンションの物件探しをしていた人は大いにショックを受けたはずです。いや、すでに高層マンションに住んでる人にとっては最悪の情報でした。「建物が揺れることで被害を抑える」という柔構造建築の常識は木っ端みじんです。柔構造で建築済みの建物が有する耐震性能では倒壊は避けられないと公表したに等しい。もう、次の大地震が耐震性能の範囲内の地震であることを祈るしかありません。(阪神大震災とそっくりの震度、規模なら助かります)


「想定外はあり得る」ことを東日本大震災で学んだからには、より過酷な地震への対策を作らなければならない。そんな建物があるのか。
 あります・・と番組のラストでチラリと出たのが、下の写真のマンションらしい。大阪市西区の「ザ・サンクタスタワー」という、53階建て、190mのマンションです。隣は「オリックス劇場」(旧厚生年金会館)といえば、ハハンと思う方おられるでせう。(2010年10月 宝島社発行)


西区の「ザ・サンクタスタワー」手前がオリックス劇場(旧厚生年金会館)
コワイマンション




コワイマンション 







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