閑人帳



●こんな楽しい詩を紹介・・・

産経新聞1月17日の「朝の詩」から
栃木県さくら市 青木一夫さんの作品

*** 帰去来 ***


見様見真似で

畑仕事をしていると

道を通る人が

何を作ってるんだ

と声をかけて行く

ナス、キュウリと

詩も作っている


それ以降通るたび

詩は取れたかや


***********


作為満々という感じですが、最後の一行で笑わせる。
タイトルが「帰去来」やなんて、かなり恥ずかしい。
選者の新川和江センセも〇か×か、迷ったでせうね。


ついでに本物の陶淵明「帰去来」を読んでみる。
公務員生活にうんざりして勤めを辞め、故郷に戻るところを謳う。
 頭の「歸去來兮」を「帰りなんいざ」と訳したのが菅原道真だったとは知らなかった。ならば、遣唐使が持ち帰ったものを手に入れて読んだのか?読んだのは左遷前? いろいろ知りたくなります。 


原文*******

歸去來辭

 歸去來兮
 田園將蕪胡不歸
 既自以心爲形役
 奚惆悵而獨悲
 悟已往之不諫
 知來者之可追
 實迷途其未遠
 覺今是而昨非
 舟遙遙以輕アガリ
風飄飄而吹衣
 問征夫以前路
 恨晨光之熹微


和訳******

帰去来の辞

 歸去來兮(かえりなんいざ)

 田園 将に蕪れなんとす 胡(なん)ぞ帰らざる

既に自ら心を以て形の役と爲す

奚(なん)ぞ惆悵として獨り悲しむ

已往の諫むまじきを悟り

来る者の追ふ可きを知る

実に途に迷ふこと其れ未だ遠からず

今の是にして昨の非なるを覚りぬ

舟は遙遙として以て輕く上がり

風は飄飄として衣を吹く

征夫に問ふに前路を以ってし

晨光の熹微なるを恨む


現代語訳********

さあ故郷へ帰ろう。

故郷の田園は今や荒れ果てようとしている。

どうして帰らずにいられよう。

今までは生活のために心を押し殺してきたが、

もうくよくよしていられない。

今までが間違いだったのだ。

これから正しい道に戻ればいい。

まだ取り返しのつかないほど大きく道をはずれたわけではない。

やり直せる。

今の自分こそ正しく、

昨日までの自分は間違いだったのだ。

舟はゆらゆら揺れて軽く上下し、

風はひゅうひゅうと衣に吹き付ける。

船頭に故郷までの道のりを訪ねる。

 (行き合わせた旅人に行き先を訪ねる)

朝の光はまだぼんやりして、よく先が見えないのが ツライところだ。


引用元
http://kanshi.roudokus.com/kikyorai.html



帰去来 





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