読書と音楽の愉しみ


●安田将三他著「朝日新聞の戦争責任」を読む  ~その1~

朝日の圧力で絶版になった本を再発行
 本書は、1994年、リヨン社から発行された「読んでびっくり 朝日新聞の太平洋戦争記事」のリメーク版。書名で分かるように、戦時中の朝日新聞の記事を批判した本だったが、半年後に朝日から「記事の無断掲載」を理由に圧力がかかり、絶版になった。朝日新聞を批判する者を許さない、という同社の姿勢がモロに表れたトラブルだった。


これに異議を唱えるかたちで、ほぼ同じ内容を著作権問題に抵触しないように編集をやりなおし、出版社も変更して再デビューしたのが本書である。著者2名は現役(当時)の他社の記者である。
 駄目男が本書の存在を知ったのは、3年くらい前、宮崎哲弥氏が週刊文春のコラムで「ときどき読み返してる本」の一つとして紹介していたからだが、古本マーケットでもなかなか見つからず、検索を繰り返してなんとか探しだし、定価の2倍くらいの値段でようやく入手できた。


朝日新聞読者が一番読みたくない本
 今は朝日叩きの本が10冊くらい出版されて、もう食傷気味でありますが、本書は、その朝日の原罪を知るに必読の一冊でありませう。内容は戦前の朝日新聞の戦争に関する記事と社説、その解説のみで、戦前生まれの人が読めば、ある種の郷愁さえ呼び覚まされると思います。


昭和16年の開戦から終戦まで、朝日新聞は軍部独裁政権におもねり、戦争を賛美し、国民を「打倒、鬼畜米英」思想に煽りまくった。軍事政権を批判し、対峙することなど一度もなかった。(但し、これは朝日だけでなく、毎日や読売も同様だった)。戦後の「反日」姿勢とは真反対の思想で戦争を煽った新聞社だった。


・・と書けば、いや、そうではない、本当は反戦思想も持ち合わせたが、軍事政権の強力な言論統制、思想の締め付けのために、軍部批判の記事など全く書けなかった。やむを得ず、軍部に迎合した記事を書いた・・と反論する人もいるだろうが、それはウソです。
 戦争を企て、実行したのは無論、政府だが、これに同調しただけでなく、政府を煽ったのはメディアだった、というのが実情であります。本書の出版意図はここにある。戦時中のメディアはホンネで戦争を賛美した。そのメディアの中で最も積極的に戦争を煽ったのが朝日新聞だった。


本書の意図はもう一つある。一番、戦争を煽った朝日新聞は、終戦に際して、三社の中で一番責任を取らなかった新聞社でもあった。反省も謝罪もせず、終戦を機に、手のひらを返したようにかつての政府を非難しはじめた。のみならず、今度は占領軍におもねり「米国製民主主義」賞賛に回る。占領軍のつくった憲法を崇拝する。「反省も謝罪もせず」の姿勢は、以後、朝日の伝統になる。こんな、朝日新聞の正体を暴いた本、朝日の読者が読むわけがない。できれば焚書にしたいでせう。(つづく)


朝日戦争責任






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