閑人帳



●現代人は二度死ぬ

 寝転んでWBSを見ていると、特集として「人の死をネタにした新しいビジネス」を紹介していた。ブログやSNSの主が亡くなったときに、本人に代わって「始末」をしてあげます、というサービス業である。


本人が生前にブログ等を閉鎖、終了できれば問題ないが、事故死や急病で操作できなくなり、死んだ後もネット社会では生きているというのはIT幽霊のようでまずい。高齢のユーザーにおいては、妻や夫という近親者も全くパソコンの操作できないケースがあるし、操作はできても、本人がID情報を知らせていない場合は手の付けようがない。


そこで新ビジネス登場であります。ユーザーは業者と契約し、アカウントなど個人情報を伝えておく。死亡時は家族に成り代わって業者がブログやSNS情報を消してケリをつける。(本人が業者と契約したこと自体は家族に伝えておく必要がある)
 しかし、薄情な配偶者、家族がいて、本人が怪我や重病でまだ生きてるのに「もう消してくれまっか」と依頼することもあり得る。そのために、死亡確認の方法として、役所の「火葬許可証」の提示を契約書に明記しておく。なるほど、よう考えますなあ。


本人の生存をチェックする、というのは大手のプロバイダーの一部でもはじめているそうだ。ユーザーは一定期間ごとに簡単な信号を発することで「まだ生きてます」を伝える。これが長期間途絶えると業者は「死んだのとちゃうか」と疑うことになる。なんか、落ち着かない。


中年でネット社会に関わりはじめた人も高齢化で順送りにあの世へ行く。自分で始末のできないユーザーが増えれば、ネット社会はユーレイだらけになりかねない。だから、こういう新ビジネスが生まれるのも必然といえるが、資本金ゼロでも開業できる安直な商売だから、乱立してトラブルを起こす心配もある。葬祭業者がサービスの一つとして請け負うというのはどうだろう。なんにせよ、本人は生きてるうちに準備する必要がある。


ネット社会においては、発信者は二度死ぬ。
一回目は人間社会での「弔い」
二回目は情報社会からの「削除」

これで成仏、心置きなくあの世へ旅立つことができます。 



雲



スポンサーサイト