読書と音楽の愉しみ



●「週刊新潮」拾い読み(5月22日号)

潔癖症の人におくる「間違いだらけの雑菌知識」


週刊新潮



■ファブリーズ

 いくら強力に宣伝されても「こんな商品、絶対に買えへんで」というものがあって「ファブリーズ」もその一つ。服でも靴でもカーペットでも、スプレーしたら除菌できるというCMなんぞ信用できない。視聴者の多くは誇大広告ではないかと疑ってるのではありませんか。


記事には、1999年の発売以来、3億本を売上げている。除菌効果は宣伝通り高いとあって、インチキでも誇大広告でもないのだが、それは特定条件のもとで測定されたカタログ表示的効能。それより、問題はスプレーに含まれる化学物質を吸い込むことで起きる過敏症である。

 132ページの文を写すと「ここ数年、結膜炎や皮膚炎、喘息、不整脈などを引き起こす化学物質過敏症患者が急増し、その数は百万人を越えるとの統計もある。ある医院では外来の半分がファブリーズに反応する。スプレーで散布されたものを吸い込んで肺に届くと、化学物質がそのまま毛細血管を通って血液に溶け込んだり、鼻の粘膜に付着すると脳に直結するので非常に危険である」


こまめに除菌することが病気の原因をつくってるということ。本来、人間は細菌と共生する(免疫)ことで健康を維持できるのであり、過ぎたるきれい好きはむしろ不健康といえる。ファブリーズを愛用することは、お金と手間を掛けて病気を呼び込んでいるようなものだ。


■温水洗浄便座
 洗浄便座でも「温水タンク」タイプには細菌発生問題がある。ノズルは使用するごとに洗浄されるが、タンクの温水は常に37度くらいに温められており、このため殺菌用の塩素成分が揮発してしまう。さらに、この温度は細菌の繁殖には恰好の条件なので、細菌だらけのお湯でお尻を洗うことになる。実際にはこれで病気にかかる率は小さいが、緑膿菌や大腸菌が家庭で見つかることもあり、免疫力が低下している人や、痔などで肛門に傷がある人はリスクが高い。

 最近、普及している「瞬間湯沸かし式」のタイプなら細菌発生のリスクはない。なお、家庭の洗浄便座と公衆トイレの便座を比べると、意外にも家庭のほうが細菌数が多い。特に、一人暮らしなどで使用頻度が少ないと温水タンクが細菌培養器みたいになってしまい、しょっちゅう使われる公衆トイレのほうが衛生的ということになる。


■温風乾燥機
 トイレの手洗いの横に設置されてるこの機械、衛生的かと思いきゃ、実は細菌だらけだそうな。特に病院の外来待合室のトイレのように利用者が非常に多いところは不衛生きわまりないらしい。

 なぜか。みなさん、しっかり手を洗わずに使用するからで、手についたままの細菌が温風に飛ばされて下の水滴受けに付着する。そこは温風と湿り気が常にあるところだから細菌の繁殖にはうってつけになり、使用ごとに飛散する。細菌の数はトイレのドアの取っ手よりずっと多い。
ゆえに、衛生面では、これよりハンカチを使う方が清潔といえる。病院の場合、ノロウイルスとか、怖い病原菌をもった患者さんも使うのだから使わないのがベター。実際、一旦設置したのに撤去した病院もある。


自称「きれい好き」が実はとんでもない勘違いしているってケースはままあります。また、バイキンを気にしだしたら握り寿司なんか食べられなくなります。空気を吸って生きてる限りは、バイキンはお友達だから、テキトーに付き合い、ときに風邪をひき、ときに下痢もしながらの暮らしが、除菌にこだわるより健全でありませう。

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