閑人帳



●与謝野晶子が歌に詠んだ着物柄の復元

 高島屋には戦前「百選会」というサロンがあり、文化人の交流の場にもなっていた。歌人・与謝野晶子もそのメンバーの一人で、新作の着物を歌で評したり、今で言うCMふう短歌もつくっていた。それらの非公開の歌を探し出し、整理してまとめたのが同窓生のOさん。地味な調査の成果が世に出て与謝野晶子の未知の作品が知られるようになりました。


歌の発掘とともに、戦前にデザインされた着物柄の復元も試みられて、その一部が「上品会」の内覧会で展示されました。
 下の写真の「流線美式天象」は昭和10年(1935年)に発表された柄ですが、今見ても驚くほど新鮮でかっこいいデザインです。そして、この着物を見て寄せた与謝野晶子の歌が

「流線の 秋袷見よ こころよく さへぎるものの あらざる調子」です。

一流の歌人にこんなに讃えてもらって、さぞ幸せでせう。
 これだけではありません。当時、既に大家だった画家、小磯良平がこれを絵に描いたのです。下の写真の「日本髪の娘」です。二人の偉大なアーティストに見そめられて、文字通りの「晴れ着」になりました。


しかし、この絵を私たちが鑑賞することはできません。描かれてまもなく、朝鮮の李王家のコレクションに選ばれ、戦後は韓国の国立中央博物館に収蔵されています。残念ながら日本へ戻ることはないでせう。


他にも戦前のデザインが20点くらい復元展示してありました。お値段は訪問着で150万円~350万円。ぐぬぬ・・。(高島屋グランドホール)


引用情報
http://www.47news.jp/CN/200811/CN2008111301000606.html



タカシマヤ


小磯良平「日本髪の娘」 昭和15年
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