閑人帳


●他人事ではなかった、大欠陥マンション

 昨年8月、スペインの超高層マンションで「エレベーターのつけ忘れ」というトンデモ欠陥建築とか、別記事で中国ではひどい手抜き工事が横行しており、建設直後に倒壊したマンションなどの椿事を紹介しました。

 日本ではこんな悪質な工事は起こりえないと思っていたところ、実は起きていました。常識では考えられない単純ミスで販売中止になった東京の高級マンションと大津の詐欺に等しい悪質工事の例をご紹介。


■億ション「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」解体?

 売り主が三菱地所、建築工事が鹿島建設という一流企業のプロジェクトで、しかも、全86戸、最多価格帯が1億4000万円という超高級物件で問題が起きた。問題の元は「スリーブの開け忘れ」。天井や壁、梁などに配管用の孔(スリーブ)をあける箇所、全部で約6000箇所のうち、一割の600カ所が施工図のミス、又はその前のチェックミスのせいで、孔のないまま工事が進んだ。


気がついたときはもう手遅れ、ミスに気づいてから孔をあけると鉄筋を切ってしまったりして、梁や壁の強度自体に悪影響を与えるなど問題が生じ、補修には大変な手間とコストがかかる。配管工事は関電工の請負なので、鹿島建設と関電工のあいだで何らかのミスがあったらしい。


要するに、完売に近い人気物件なのに、建設会社の大チョンボのせいで工事がストップしてしまい、完成の見込みが立たなくなってしまった。最悪の場合、売価百数十億のマンションが瓦礫になりそうだ。
 三菱地所はこのトラブルを認め、全購入者に謝罪の上、解約するらしい。手付け金を1000万払ってる購入者には「倍返し」の2000万+経費(購入のため、既に仮住まいをしているとか、元の家を既に売ってしまったとかの金銭負担)も含めて3000万円くらいの支払いを覚悟しているとか。こんなの三菱地所だからできることで、マイナーな業者なら倒産しかねない大赤字額である。


発覚は内部者のネット書き込みから
 問題は当事者の気づきで表に出たのでは無く、事情を知る関係者がネットで暴露したことで購入者の知るところとなった。もし、この告発がなければ事態の公表はさらに遅れ、大きな事件になったかもしれない。
設計、施工ミス自体はずっと以前から気づいていたはずなのに、ミスの箇所が分かりながら「後加工」でごまかしていたが、余りの多さ、施工の困難さにお手上げ状態のところで誰かが暴露した・・と想像できる。


エレベーターつけ忘れの高層ビルに比べたらまだマシなトラブルと思いがちだが、一流業者ばかりのプロジェクトでは起こりえない大チョンボであり、信用はガタ落ちになる。鹿島建設の歴史に大汚点をつくってしまった。


■引用元記事
http://www.j-cast.com/2014/02/01195718.html?p=all

「新築解体」の可能性もある「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」
欠陥マンション


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マンション


■今どき珍しい、スーパー手抜き工事マンション

 大津市の琵琶湖岸に建つ 「大津京ステーションプレイス」は地元の(株)大覚が販売した約50戸のマンション。この建設工事を請け負った「南海辰村建設」が契約内容とは異なる仕様でひどい手抜き工事をしたため、大覚は工事の是正を求めて裁判を起こした。


その提訴の内容、欠陥工事の詳細を専用のサイトをつくって世間にアピールしている。この点が珍しいというか、当事者の内輪もめに終わらせず、情報公開して相手の非ををなじっている。しかし、被告の立場にある南海辰村建設は完全に無視している。


感情論では無く、欠陥工事の内容をこれでもか、というくらいに細かく洗い出し、手間をかけた動画もつくって訴えている。この動画は良く出来ていて訴求力が高い。最後に出て来る「台風で共用廊下のガラススクリーンが枠ごと外れて40m落下」のシーンは当事者でなくてもゾッとする。もし、人に当たって死傷事故になれば「殺人マンション」と言われても仕方ないひどい手抜き工事の結果である。マンションで暮らしている方はぜひご覧下さい。

■(株)大覚が手抜き工事の実情を訴えている専用サイト(動画もあり)
http://daikaku-saiban.com/


中国のインチキマンションのように完成したとたんにコケたなんてダイナミックな悪質さには及ばないが、このマンションも住居としての価値はあらかた失われていると言える。売りに出しても買い手が見つからないこと必定だから財産価値はゼロに近い。しかし、入居者は何十年もローンを払い続けなければならない。


では、裁判では原告「大覚」が望むような有利な展開になってるのかというと、そうでもない。欠陥をあげつらうことイコール「法的に瑕疵がある」にならない。双方の権利や金銭的利害が複雑に絡んで簡単に白黒を出せる状況ではないらしい。一方で欠陥工事が災いして建物の老朽化、品質劣化のスピードが速く、早晩、安全性が問題になりそうな気がする。


南海辰村建設は名の通り南海電鉄の資本が入った中堅の建設会社。関西ではそこそこ名の知られた会社で「なんばパークス」開発等にも携わっている。(東証第二部上場)
 ここに紹介した二例はチョー運の悪いケースでありますが、名の通ったゼネコンの建築だから安心品質とは言えないことを教えてくれます。
 三菱地所や鹿島建設を疑うなんて考えられないけど、現実に問題は起きた。購入者の辛苦に同情しつつ、賃貸1DK、兎小屋暮らしも悪くないと思う今日このごろであります。

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