閑人帳



●そうだったのか・・靖国神社・A級戦犯合祀問題

 16センチ行平鍋の諸問題に続いて、今回はもう少し大きい靖国参拝問題。安倍総理の靖国神社参拝、駄目男は是とする考えです。敗戦後、アジアに対しては気兼ねと気配り、アメリカに対してはもっぱら隷属というのが日本の外交姿勢でありました。その弱気、おとなしさにつけ込んでイチャモンつけまくりなのが中国と韓国。この機に、定番弱体外交を改めようと時の指導者が考えて何が悪いのか。「戦後レジームの脱却」のテーマの一つとして臆せずすすめてもらいたいと思うのであります。


靖国問題 




朝日の売り言葉
 なんか行平鍋より大層な前置きになりました。さて、朝日新聞はたぶんこのフレーズを使うだろうと予想して27日の朝刊を買うと、やはり出ていました。一面の記事に「A級戦犯合祀」の一語です。(下の画像参照)朝日はこれをネタにして総理や政権を攻めます。戦争を企て、遂行した最高責任者=A級戦犯を祀る神社に参拝するとはケシカラン! 朝日やサヨクの連中、中国、韓国、アメリカもが調子を合わせて非難しています。


朝日新聞 12月27日 朝刊1面
靖国



ところで、A級戦犯って何でありませうか。たいていの人は東京裁判で判決を受けた、最も罪の重い戦争責任者だと思っています。ゆえに、B級、C級戦犯より刑罰が重いのが当然だと理解している。靖国神社にB級、C級といった罪の軽い戦犯を祀るのは許す。しかし、より重罪のA級戦犯も祀るのは許せない、というのが合祀反対派の考えです。


単なる分類項目名
 しかし、この知識は間違いです。A級、B級というのは罪罰の重さのランクではない。単なる分類に過ぎない。このネーミングがまずかった。ABCではなく、イ・ロ・ハでも良かった。松・竹・梅でもかまわない・・いや、松竹梅はしばしばランク表示にも使われるから駄目でせう。「松級戦犯」なんてなんだかなあ。ただ、裁判の主権者が欧米国家(人)だから、イロハの発想などあり得ない。


A級戦犯被疑者が総理大臣になった
 A級B級が罪や責任の重さを表すのであれば、A級犯が概ね死刑だとすれば、B級犯は無期懲役とか禁固10年という風に軽重の差がつくはずです。事実は違います。A級戦犯なのに、不起訴、無罪放免された人がおり、B級戦犯で死刑になった人がたくさんいる。安倍総理のおじいさん、岸信介はA級戦犯に指名されたのに、裁判では不起訴になり、後に総理大臣になった。また、読売新聞の社主として知られた正力松太郎もA級戦犯被疑者なのに長年マスコミ世界に君臨した。A級戦犯のすべてが重い戦争責任者ではないのです。


逆にB級戦犯で死刑になった人がたくさんいる。終戦後、戦争当事国で逮捕と裁判が行われ、約5600名の被告のうち1000名が死刑に処された。A級は124人が戦犯指名され、7人が死刑になった。不起訴は24人。ならば、A級戦犯容疑者、岸信介が日本のトップになったとき、中国や韓国から強烈なブーイングがあったのか? 
 ナマ身の元戦犯容疑者、岸信介の登場に文句を言わず、半世紀以上前に死刑で罪を償った人の祭祀にイチャモンをつけるヨソモンの神経が理解できない。理不尽な内政干渉というしかない。


合祀反対理由を説明できますか
 このABC級戦犯問題の中身を知ってる人は大人の2~3割くらいではないかと思いますが、問題の中身を知らないのに「合祀反対」論に組していたのなら相当ハズカシイ。漫画でいえば、ほっぺたに斜めストライプ3本入り、という顔ですね。日頃、新聞やテレビの情報だけに接して常識を蓄えた気でいるから、こんなカッコ悪いことになる。


あらためて「A級戦犯合祀に反対する理由を説明して下さい」と問われて、きちんと説明できる人がどれほどいるだろう。ほとんどの人はマスコミの論説に付和雷同して、もしくは軽薄な感情論で「反対」しているだけではないのか。
 それでもなお「反対」の立場を貫きたい人は、意味不明な「A級戦犯」ではなく、〇〇、〇〇、など犯罪者個人の名をあげ、これら〇名の合祀に反対する、と唱えたらどうか。・・というのは理屈であって、実際は戦犯の遺族や親族が現存しておられるのだから、個人名を出しての糾弾は、表現の仕方によっては人権問題、名誉毀損問題が生じます。難しい。

 ちなみに、死刑になったA級戦犯の名前と罪名は以下の通り。

・板垣征四郎 - 軍人、陸相(第1次近衛内閣・平沼内閣)、満州国軍政部最高顧問、関東軍参謀長。(中国侵略・米国に対する平和の罪)

・木村兵太郎 - 軍人、ビルマ方面軍司令官、陸軍次官(東條内閣)(英国に対する戦争開始の罪)

・土肥原賢二 - 軍人、奉天特務機関長、第12方面軍司令官(中国侵略の罪)

・東條英機 - 軍人、第40代内閣総理大臣(ハワイの軍港・真珠湾を不法攻撃、米国軍隊と一般人を殺害した  罪)

・武藤章 - 軍人、第14方面軍参謀長(フィリピン)(一部捕虜虐待の罪)

・松井石根 - 軍人、中支那方面軍司令官(南京攻略時)(捕虜及び一般人に対する国際法違反(南京事件)

・広田弘毅 - 文民、第32代内閣総理大臣(近衛内閣外相として南京事件での残虐行為を止めなかった不作為の責任) 以上7名


ほかに終身禁固刑が16名いる。合祀反対論を支持する人は、これらの戦犯について如何ほどの知識を有した上で「反対」されてるのでせうか。
 誰が、どんな罪を犯したのかも知らずに「合祀反対」しているのなら「アホか」と言われても仕方ない。認知症の人が裁判員になるのと同じです(笑)。
 もし、彼ら戦犯がヒトラーや毛沢東に並ぶ歴史的極悪人だったら、駄目男も「合祀反対」を唱えますよ。


訴追取り下げの代わりにこの仕打ち
 Wikiによると、絞首刑になった戦犯は火葬されたのち、遺骨は米軍が東京湾に捨てた。敗者はなすすべもなかった。さらに、米軍(GHQ)は裁判と刑執行の日程でこんな嫌がらせを企てた。

・戦犯被疑者起訴ー昭和天皇の誕生日(1946年4月29日)
・戦犯死刑執行日ー今上天皇の誕生日(1948年12月23日)

 天皇は訴追を免れた。しかし、天皇の身代わりであったかも知れない東条英機以下、国家のトップが、まだ少年だった今上陛下の誕生日にクビを吊られた。勝者による裁きとはいえ、恨みと嫌がらせがてんこ盛りの仕打ちである。両陛下とも、生涯、トラウマは消えなかった(消えない)のではないか。


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参考資料
■ロンドン国際軍事裁判所憲章     「戦争犯罪」規定
(単に項目の羅列だったabcが、なぜかA級、B級、C級になった)

a項-平和に対する罪
すなわち、侵略戦争あるいは国際条約、協定、誓約に違反する戦争の計画、準備、開始、あるいは遂行、またこれらの各行為のいずれかの達成を目的とする共通の計画あるいは共同謀議への関与。


b項-戦争犯罪
すなわち、戦争の法規または慣例の違反。この違反は、占領地所属あるいは占領地内の一般人民の殺害、虐待、奴隷労働その他の目的のための移送、俘虜または海上における人民の殺害あるいは虐待、人質の殺害、公私の財産の略奪、都市町村の恣意的な破壊または軍事的必要により正当化されない荒廃化を含む。ただし、これらは限定されない。


c項-人道に対する罪
すなわち、犯行地の国内法の違反であると否とを問わず、裁判所の管轄に属する犯罪の遂行として、あるいはこれに関連して行われた、戦争前あるいは戦争中にすべての一般人民に対して行われた殺害、せん滅、奴隷化、移送及びその他の非人道的行為、もしくは政治的、人種的または宗教的理由にもとづく迫害行為。


■引用情報・上記憲章
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E8%BB%8D%E4%BA%8B%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%E6%86%B2%E7%AB%A0

A級戦犯
http://ja.wikipedia.org/wiki/A%E7%B4%9A%E6%88%A6%E7%8A%AF

BC級戦犯
http://ja.wikipedia.org/wiki/BC%E7%B4%9A%E6%88%A6%E7%8A%AF


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