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読書と音楽の愉しみ



●久松達央著「キレイゴトぬきの農業論」を読む

 繊維メーカー「帝人」で営業マンだった著者が、知識も経験もないのに農業に首を突っ込み・・といえば、なんだか異事業参入の苦労話を想像しますが、そうではなく、至って醒めた感覚で農業を語っている本です。農業にロマンを抱く人には冷や水を浴びせるような物言いもある。


著者は基本的に有機農法、無農薬栽培で野菜をつくり、個人契約者と料理店を対象に約50種類の野菜を販売している。農地は3ヘクタール、スタッフは6人という小規模経営です。農業のプロだった人は一人もいないという素人農家ですが、アタマを使えば素人でもなんとかなる、の見本でせう。逆に、情熱だけで農業を起業してもほとんどは失敗します。


自ら有機農法を取り入れながら、こう書く。
・有機だから安全・・は間違い
・有機だから美味しい・・も間違い
・有機だから環境にいい・・も間違い

と、いささか薄情な言い方ですが、説明を読めば納得できます。有機農法は正しいなんてキレイゴトに乗せられてはいけない。実際、この「神話」を信じて有機農法に取り組み、あえなく廃業した例はいっぱいある。


著者の経営方針は「野菜の美味しさのわかる少数の人に、値段は高いが最高の品質の野菜を買ってもらう」こと。つまり、お客さん全員が常連さん、顔見知りです。ええ加減な商品を届けたら「もういらん」となる。農業におけるスキマビジネスと言えます。経営の安定という点ではメリットがあるけど、これでは規模的に成長できない。その打開策として、インターネットによる販売もはじめた。将来のビジョンについては模索が続くが、仕事自体は面白くてやる気満々のようであります。


著者のような農業への新規参入者に対する政府の施策についても、なるほどと思う意見をたくさん述べている。既存の農家への手厚い保護には批判的で、農家自身も意識改革が必要だと説く。いちいち納得できる話で、著者は将来農業ジャーナリストとして活躍できるのではと思うくらいです。(2013年 新潮社発行)


ついでに駄目男のアイデアを一つ。以前に書いたような気もするが、農業人口が減るなか、対策の一つとして、全国の受刑者を農業に従事させてはどうか、という案です。現在の刑務所は都市部に集中しているが、一部を地方に移す。耕作放棄が進む農村に「農園のある刑務所」をつくる。フェンスで囲った50㏊くらいの土地にムショと農園をつくり、まずはムショでの自給自足を実現し、漸次、生産量を上げて外部への販売も行う。利益が出たら、受刑者個人へ還元して出所後の生活資金とする。


ムショの作業場で内職的な仕事をするより、畑や果樹園で野菜や果物を育てるほうがずっとモチベーションが高まると思いますよ。刑を終えた出所時に技術をマスターしていたら指導員として就職もできる。これは再犯防止に役立ちます。近隣に民間で農園を起業して彼らを受け入れることもできる。仮に、全国で1000人くらいの適格者がいたら、農業生産額のコンマ何パーセントかは請け負うことができるかもしれない。


と、絵に描いた餅を述べましたが、人口減少、人手不足の時代に、ムショのおじさん、にいさんに活躍の場をつくることで農業の担い手になってもらう。しかし・・であります。この明るいムショ暮らしをしたくて罪を犯す輩が必ずでてくる。捕まったとたんに「あの~、〇〇県のムショに行きたいのですが」と。


キレイゴト 






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犬町・猫町情報


<2月追加企画>
●大阪教育大学 キャンパスウオーク 
~担当 たなかさん~

以前、京大、阪大、同志社など「大学観光入学」をしたことがありますが、今回はたなかさんの案内で大阪教育大学 柏原キャンパスを訪ねます。学食でのランチやキャンパス近辺のウオーキングを楽しみます。

■2月16日(金曜日)
■当日大阪の午前の降水確率60%~中止。50%なら実施
■集合・・・10時35分
 近鉄大阪線「大阪教育大学前」駅集合
 参考ダイヤ
 鶴橋駅10:14発 急行五十鈴川行き
 河内国分駅着10:30  
 榛原行き準急にのりかえ10:32発
 大阪教育大学前駅着10:33 乗車賃400円

■コース・・駅~キャンパス(学食でランチ・コーヒー)~鷲の目岩(たなかさん命名)~キャンパス~駅(鷲の目岩往復 高度差50m 希望者のみ)
■弁当不要 ■会費不要 ■申込み不要
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2月の予定
★2月8日・・・くちまめ 堺 泉の國ウオーキング
★2月16日・・大阪教育大 キャンパスウオーク
★2月28日・・梅見物 日本民家集落博物館  

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●レポート SAYURI と LUNCH の会

ずいぶんご無沙汰のさゆりさんと両親も交えて、阿倍野のネパール料理店「わのわ」で昼食を楽しみました。のらくろ会にデビューしたのは5歳くらいでしたから、もう25年も昔のことです。この経験が役だったのか、英国暮らしにおいてもウオーキングを楽しむことができ、知らない田舎町でも地図を手に散歩ができるそうです。そのうちに、英国のカントリーシーンなども伝えてもらいましょう。(1月27日)


サユリランチ 



さゆりランチ 



さゆり

さゆり







読書と音楽の愉しみ



●齋藤孝著「くすぶる力」を読む

 多彩な著作、TVなどメディアでの露出の多さで有名人である著者が、若いころはどうしょうもないくらいの「くすぶり人間」だったと述べている。夢や希望を持ちながら、処世術に欠け、世間で認められない鬱屈した状態を「くすぶる」と表現する。若者のくすぶる生活は、ヘタすると引きこもりに落ちてしまうことがある。


本書では、主に、将来の展望をもちやすい若者を対象に「くすぶる力」の大事さや処世術を述べているけど、中高年でくすぶってる人も多い。サラリーマンの場合、会社の仕事を無難にこなして恙なく定年を迎えた人が、定年後にくすぶってしまい、家庭で粗大ゴミになってしまうケースと、在職中は出世もせず、会社では地味にくすぶったまま定年を迎えた人が、退職後に人が変わったように「脱くすぶり」人間に変身、第二の人生を楽しく過ごすケースがある。二つのケース、どちらが多いかといえば、定年後にくすぶる人のほうが多いでせう。


くすぶることは悪いことではない。くすぶってる間は将来の飛躍への助走、仕込みの時間だと考える。具体的には、やりたいことをイメージするだけでなく、情報を集め、ノートに書き付ける。アタマで「思う」だけでは駄目なのであります。うだつの上がらないサラリーマンが定年後に大変身、生き生きした第二の人生を送る例はたくさんあるけど、そういう人は現役の「くすぶる」時代から着々と夢の実現に向かって準備している。つまり、くすぶる=準備するチャンスと思えば全然苦にならない。


実際には、脱くすぶりで夢や希望がかっこよく実現するわけではない。みみっちい自己満足に終わってしまうこともある。これを避けるには円満な人間関係が必要だし、何よりも、思いを伝える表現能力が必要であります。幸い、今はいろんなメディアを使える時代だから、少しのトレーニングで表現力を高めることができる。


先日発表された第158回芥川賞を見事射止めたのは63歳のおばさんだった。天晴れというしかありません。インタビューでは、子供のころから小説を書くのが夢だったと語っている。ということは、うがった見方すれば、おばさんは半世紀くらいも「くすぶっていた」と。これぞ最高の「くすぶり人生」ではありませんか。(2013年 幻冬舎発行)

■若竹千佐子(63歳)岩手県出身「おらおらでひとりいぐも」で受賞。


くすぶる 







閑人帳


●民放TV局の未来は・・・

 テレビの視聴者は年々高齢化しており、逆に若者のテレビ離れがはっきりしてきた。下のグラフでその傾向が読み取れる。グラフは世代別の平均視聴時間だから、個人では一日に7時間、8時間もテレビの前に座ってる人がいる。言い換えれば、あらゆる番組は、主に老人のために制作されていることになる。テレビ局が躍起になる視聴率も、そのベースを支えているのは老人世代と言って良い。このことを番組制作者はしっかり認識しているのだろうか・・と、純粋老人が言うのもナンですが。


テレビでベンツなど高級車のCMを見て「これ見てベンツ買う人いるか?」と素朴な疑問をもつ。ベンツを使い回すような人は、そもそもテレビなんか見ないでせう。だったら、テレビCMはスポンサーの自己満足でしかない。仮に、ベンツがテレビCMをゼロにしても売上げや知名度に大きなマイナスは起きないと思いますよ。


年金暮らしのじいさん、ばあさんに向かって「クルマはつくらない クルマのある人生をつくっている」なんちゃって最高にキザなCMを打たれてもなあ。今後、視聴者の高齢化がさらに進めば、スポンサーも「誰のためのCMか」を真剣に考えるでせう。民放TVはスポンサーからの広告収入で経営が成り立っている。スポンサーがテレビCMの効果ナシと判断すれば撤退します。すると、TV局は収入が減って番組の企画に大金をつぎ込めず、プアな番組しかつくれない。これがまたスポンサー離れを招く。この悪循環、すでにはじまってるのではないか。民放TV局の将来は暗い、が駄目男の見立てであります。


年代別視聴時間(男性)
てれび世代






読書と音楽の愉しみ




●まんがで読破 アダム・スミス著「国富論」

 取っつきにくい名著も漫画化すれば手に取りやすいだろうと企画されたシリーズ作品。この「国富論」なんか一番漫画化しにくいテーマだと察しますが、よくこなしていると思います。この企画、10年続けて、延べ350万冊に達したというから、漫画だと侮ってはいけません。


スミスがこの本を著したのは約250年前、日本は江戸時代のさなかに資本主義の原形について考察をした。物事を体系的に考えるのが得意な英国人とはいえ、社会構造の分析から将来像まで言及して、それが概ね合っていた。「経済の発展は社会の自然な流れに任せておく方が良く、国家があれこれ規制するのはまちがい」といった見方は現在でも通用する。失敗と修正を繰り返しているうちに自ずからより良き選択をすると。


当時の英国社会は産業革命の勃興期、貴族と農民と少数の商人しかいなかった社会に「製造業」というジャンルが加わり、資本家と労働者が生まれて、発展とともに対立も起きた。新興産業による格差社会が生まれた時期であります。子供の頃読んだ「オリバー・ツイスト」という小説は、この時代に生きた少年の苦難物語だったと思います。


漫画で描いても「国富論」は難しい。経済論と同じくらいに道徳論の本でもあり、ヘタに説明するとピント外れになりそうなので、巻末のキモといえるところだけ紹介しておきます。産業が発達して資本家が富を築き、労働者もそこそこ潤う社会が成立したとき、国が為すべき政策はなにか。・国防・司法・公共事業・教育 を挙げています。国のあるべき姿の基本のキになるこれらは国家が主体になって遂行するべき施策であり、民間に任せてはいけない。基本的に利潤追求を旨とする産業界にはなじまないからです。こんな事、今の私たちには常識ですが、250年前に論じるにはすごい学習と先見性が必要だった。アダム・スミスが経済学の祖と言われる由縁です。


誤植を発見:80頁右下 1942年にコロンブスによって発見された・・・は間違いで、1492年が正しい。
スミス




スミス 







たまには外メシ



●奈良「百楽」・・眺めのよい席でランチ

 近鉄奈良駅ビルの8階にある中華料理店。お昼の開店前に集合、ではじめて窓際の眺めのよい席をとることができました。東側に冬枯れの若草山や深緑の春日山がきれいに見えます。この眺望がなければ、こんなに繁盛しないのではと想像します。近隣で同じような、気楽に使える「眺望レストラン」が無いことも幸いしています。


11時30分開店で、12時前にはほぼ満席になりました。平日なのにこの盛況、客のほとんどは地元の主婦とその仲間が占め、観光客は意外に少ないそう。外国人も見当たらない。一等地なのに地味な存在と言えます。オフイスビルの8階というのが目立たない理由かもしれません。


すてきな眺めを目にした人は誰しもが「若草山の山焼き見物はここが最高」と思う。で、当日、再度来たいとフロントに予約を申し込むがアウトです。窓際の一等席の予約は一年前に埋まってるそうです。納得。 ランチなら千円くらいのメニューもあり、気楽に使える店ですが、メニューのドリンク欄に「コーヒー」がない。(以前はあったような・・)排除されたのは、コーヒーで利用時間が長くなり、客の回転率が落ちるから、らしい。千円のメシとコーヒーで2時間粘られたらタマランのでありませう。

ぐるなび「百楽」
https://r.gnavi.co.jp/k170014/lunch/



百 



窓から若草山の全景が見えます。
百 




百



引用画像:今年の「若草山山焼き」は1月27日土曜日6時すぎから。
百楽 




犬町・猫町情報



2月例会 ご案内
イラスト 梅本三郎


ほどほどに・・・

2月イラスト


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●くちまめ例会
古跡探訪―泉の國 
 約12㎞

■日 時:2月8日(木)
■集 合:南海本線 堺駅西側出口 9:30 
■コース:駅~大浜公園~千利休屋敷跡~向井神社跡~
聾井戸地蔵~七道駅着(南海線)駅前に河口慧海像あります
■昼は外食にしましょ!(弁当不要)
◎3月は8日予定。

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●梅見物・・日本民家集落博物館へ
 梅の花の向こうに茅葺きの民家、郷愁誘う風景を楽しみます。
■日時:2月28日(水) 雨天:3月2日(金)に延期
■集合:10時30分 
北大阪急行「緑地公園前」駅 西改札口(梅田から15分程度)
■コース:駅から民家博物館往復&希望者のみ「都市緑化植物園」
見学します。徒歩4KM程度 アップダウン30m(弁当持参要)
■その他:入場料 民家博物館500円 植物園210円(希望者のみ)



読書と音楽の愉しみ



新春の演奏会から・・・



シンフォニーホールイルミ 
ザ・シンフォニーホール 玄関前風景

●大阪交響楽団定演「マーラー 交響曲第一番」

  Fさんの招待で寺岡清高が振る大阪交響楽団、第215回定期演奏会を聴く。<青春>という言葉に最もふさわしいイメージの曲は何か、と問われたらこの曲を挙げます。元気ハツラツとメランコリー、希望と不安など、青春ならではの心のゆれや未熟な感情も含めて一式全部詰まっています。音楽による青春の表現ではこの曲の右に出るものはない・・といえば、異議あり、の声が出そうですが。


今回は「花の章」を含めて全5楽章が演奏されたけど、世評通り、この章はなくてもいいか、というのが正直な感想。出来栄え云々より、今まで4楽章で聞き慣れてしまっているので、単純に違和感を覚えるのかもしれない。自称マーラーファンに尋ねても「花の章」不要論が多いのではと察します。


それはさておき、ブラームスが活躍した時代とあまり代わらない時分、今から120年前にこれだけ斬新な曲想、魅力的な旋律を創造した才能はすごい。空間の遠近感を出すために一部の管楽器を楽屋裏で鳴らすという楽しい仕掛けも、当時はびっくりものの新鮮さだったと思う。(コンサートホールの構造によっては出来ないことがある)


マーラーの交響曲で好きな順に3曲を挙げよ、といわれたら、1・「復活」2・大地の歌 3・この1番「巨人」をあげます。次が「9番」かな。熱心なマーラーファンからみれば「俗っぽいな」と言われそう。オケは十分に熱演でしたが、前から3列目の席だったので直接音しか聞こえないのが残念。終楽章の結尾でコンマスさんが最後の一拍を間違えた。こういうこともあるんですねえ。(1月12日 ザ・シンフォニーホール)


●京都大学交響楽団 第202回定期演奏会

 いつもチケットの申込みを忘れてしまい、あと3日、なんてときに気づいて慌てて購入する始末。今回も同じで、与えられた席は3階の前方、RRA7席でステージが7割がた見えない。新鮮な発見をしました。曲目は、J・シュトラウス「美しく青きドナウ」エルガー「南国にて」と、サン-サーンス「交響曲第三番ハ短調 オルガン付き」


サンサーンスの交響曲の鑑賞は、ステージの見えない席でずいぶん得をしました。なぜなら、ステージは見えないけど、オルガンは斜め後から間近に見下ろすことができる特等席です。すぐそこにある、ぶっといパイプから出る30ヘルツくらいの超低音は、音というより、空気の振動が直に伝わります。ンルルルルルル・・という感じ。オルガニストはうら若き岩佐智子さん。ついでに、この席はチューバの音もブアーブリブリ・・とでっかく響きます。客演指揮は藤岡幸夫。指導が上手かったのか、今回の演奏は今まで聴いたなかで一番の出来栄えではと思いました。


オケの人材は女性の進出が止まらず、もう半分~6割方を占めている。ホルンやトランペットも半分はオネエサンたち、そして、ティンパニーも女性がとった。この曲をハデに締めくくるのはティンパニーで、カッコイイ。


考えてみれば、フランス人がつくった交響曲の有名作品は極めて少ない。人気順でいえば、ベルリオーズの「幻想交響曲」、このサンサーンスの「オルガン付き」そして、フランクの「ニ短調」。あとはビゼーくらいか。交響曲というスタイルがフランス人に合わない・・なんで?ラベルやドビッシーという大家がいたのに交響曲はつくらなかった。民族的な資質の違いかもしれない。(1月15日 ザ・シンフォニーホール)



プチ・ケチの研究



●やっと見つけた100均グッズ

 便器の縁の内側を掃除するブラシ・・があるはずと思って探したが、意外に見つからず、商品として地味過ぎて、売れないからつくらないのかと諦めかけたところ、ようやく見つかりました。一件落着。

 今まで小さなボロ布に洗剤をつけてこすっていた、という素朴な作業がブラシに変わりました。探せなかったのは、お金をけちって100均店ばかり探したからかもしれない。しかし、考えてみれば、一軒に一つはあってもよい商品です。全国にはン千万の便器があり、家庭だけでなく、掃除のプロが扱うビルや公園の便器もあるから。ものすごい数のブラシが使われていて当然です。その割には普及率が低いのかもしれない。(掃除のプロ用には耐久性の高い専用ブラシが開発されていると思います)


100均グッズメーカーにすれば、100円という値段がネックで、コスト高で採算がとれないから生産に気乗りがしなかったのか。いや、そもそも需要が少ないからつくらなかった?・・一軒に一つ、あったほうが便利だと思うのですが。


便器ブラシ




読書と音楽の愉しみ


●梨木香歩著「西の魔女が死んだ」を読む

 作家が小説の構想を練るときは「どんな読者に読んでもらいたいか」が重要な要素になりますが、本書においては40歳以上の、とりわけ男性はまったく視野にないでせう。そこんところ、オジンが少しの義理あって読んだのであります。内容は若い女性向きのファンタジー。日本なのに魔女がでてくる設定がユニークです。


主人公はまいという少女。中学で不登校になって田舎に住むばあさんの家に居候する。婆さんが魔女です。まいの母がハーフだからばあさんは異国の人(英国人?)二人が同居するなかで少しずつ「魔女になるためのトレーニング」を受けます。むろん、魔女イコール悪女ではありません。本書ではむしろ修道女のイメージで描かれ、まずは精神修養の大事さを教えます。魔女は教養人でなければならぬと。


以下、略・・でかまわないのですが、魔女の話にかこつけて不思議なできごとを一つ。本書を読んでる最中の6日、テレビが動作しなくなりました。スイッチ・オンにすると画面に「地上波・BSとも受信出来ません」の表示。これはアンテナコードの接続不具合かと思って点検しましたが、問題はありません。購入後6年目なので故障が起きても仕方ないかと思うも、なんだか腑に落ちない。翌日、翌々日もときどきスイッチ・オンをくり返したけど治らない。


本を読み終えた三日目、外出からの帰りみちに、購入した電器店の前を通るので、修理を頼もうと店に入りかけたが、どうも気が進まない。で、そのまま帰宅すると、玄関ドアに関西電力のチラシが入っていて、「お客様の電力メーターをスマートメーターに取り替えました」とある。今まで係員が一戸ごとにメーターの数字をチェックしていた作業を通信回線で計測する新しいシステムです。しばらくして、昨日と同じようにテレビをスイッチ・オンすると・・あらら・・ちゃんと映るではありませんか。なんで?


テレビが勝手に故障して、三日かけて自分で修理したのか。そんなアホな。それで気づいたのが関電のチラシ、通信回線で使用電力を測る・・この工事を三日前からすすめていたのではと疑いました。しかし、テレビの受信とは関係ないしなあ、と理解しつつ、ほかに故障→自動修理の理由が思いつかない。恥かき覚悟で関西電力に電話した。「あのう・・かくかくしかじか」答えは「そんなこと、あり得ませんよ、ハハハ」予想通り恥をかいてオワリです。


もし、電器店で修理を頼み、すぐにおじさんが来宅してスイッチを入れたら、当然ちゃんと映ります。「なんも故障なんかしてませんで」。恥をかいたうえに出張料金を取られたでせう。助かったなあ。ひやひや。しかし、故障→勝手に復帰の謎は解けない。ま、そういうこともあるかと思いつつ、この本を読んだ行きがかりで魔女のいたずらのせいにしました。(平成13年 新潮文庫発行)

魔女が死んだ






プチ・ケチの研究



●焼きめしの研究・・さらば永谷園

 焼きめしをつくるときは、おなじみ永谷園の「五目チャーハンの素」をネタにすることン十年、というマンネリぶりでしたが、包装に表示されてる宣伝文句「パラッと3分」というのができない。なぜか「ネチャっと3分」に仕上がってしまいます。さらに、フライパンに焦げ付きやすいのも不満だった。(洗うのにも手間がかかる)


そこで、永谷園におさらばして「チャーハンの素」は使わないことにした。卵一個を使うのは従来通りとして、彩りに冷凍の「ミックスベジタブル」(グリーンピース、ニンジン、コーン等)と味付けに「小エビのふりかけ」と細切れの塩昆布「くらこん減塩塩昆布」を使ってテストした。これで正解でした。肝心のパラッと感、満点です。それに、焦げ付かない。もっと早く気づいておれば良かったのに、と後悔しました。味はふりかけの量で濃淡コントロールできるし、ちりめんじゃこなんかをまぶしても良さそう。


ついでに「チャーハンの素」を半分に減らし、ふりかけで味付けを補強するというレシピも試したところ、これでもパラッと感はかなり改善されました。永谷園チャーハンの素依存症のみなさん、自分流レシピでもっと美味しい焼きめしをつくりませう。


テスト5回目の焼きめし ご飯は「むかご」入りごはん
yakimesi 




読書と音楽の愉しみ


●室井摩耶子著「わがままだって、いいじゃない」
     
  ~92歳のピアニスト「今日」を生きる~

著者のお名前は知らなかったけど、92歳で現役ピアニストというのには驚きます。巷では佐藤愛子の「90歳 何がめでたい」と言う本が売れたけど、人間、90歳を超えたら堂々と開き直りができる。今さら恥や外聞を気にすることもない。これがプラス思考になってますます死を遠ざけてしまうらしい。世間で何を言われても「ほっといてんか」であります。


92歳だから、青春時代の思い出話といえば、戦中~戦後間なしのことになります。それを読んで当時の世相をイメージできる読者は後期高齢者以上の人に限られるでせう。例えば、こんな話・・・。

・東京でも空襲がはじまったので、大事なピアノを山梨に疎開させることになった。ピアノは「牛車」に載せて成城から新宿駅まで運んだ。

・昭和18年に音楽学校を卒業したが、戦時動員で工場に派遣され、旋盤工として働いた。決してイヤイヤ仕事したのではなく、慣れると腕前に自信がついたくらい。工場の昼飯はご飯に梅干しが一つの「日の丸弁当」おかずはタクアンを炒めたものが二きれ、これが結構美味しかった。(タクアンを炒めるというのはユニークなアイデア)

・実は、戦時下でもクラシックの演奏会はあった。徴用された学生たちの情操教育のためである。昭和20年、著者は現在のNHK交響楽団との協演でバッハの曲を弾いた。会場は日比谷公会堂。公演が無事終わったその日の夜に都心に空襲があった。翌日、日比谷公会堂は遺体安置所になっていた。

・戦後、黒沢明監督の要請で、原節子主演「わが青春に悔いなし」という作品のなかで原節子のふき替え役をやった。(手だけの出演)

・昭和30年には今井正監督の「ここに泉あり」という作品で、主演のピアニスト役、岸惠子のライバル役として出演した。


いやはや、なんともクラシックな思い出話であります。それにしても、この元気ハツラツの「素」は何なのか。ご当人曰く「くよくよしない」「好奇心旺盛」「しっかり肉食」。この歳で週に6日は肉を食べるそうだ。肉を食べたら、疲労が回復し、元気が出る、はもう信仰になってるみたい。駄目男の知り合いの80歳代婆さんも肉好きで、会食のときはランチでも「ステーキ食べたい」と言い、多数決で否決されると不満顔します。ベジタリアンなんぞバカ呼ばわりしている。ま、駄目男の経験では、肉、魚を敬遠しがちな人は、存在感として「影が薄い」という印象がありますね。(2013年 小学館発行)


 
92歳ピアニスト






読書と音楽の愉しみ



●大下英治著「日本共産党の深層」を読む

 看板に偽りあり・・題名から想像した内容は、日本共産党の内幕や裏事情を独自取材でレポートしたものだろうと期待しましたが、見事にハズレました。読めば、全編、共産党を応援する文しかないので、タイトルは「日本共産党入党のすすめ」とするべきです。深層どころか、政治に関心ある者ならだれでも知ってるような「浅層」の記事ばかり。なんでこんなにトンチンカンなタイトルにしてしまったのか。それこそ本書出版事情の「深層」を知りたい。


著者に代わって駄目男が書いてあげますね。現実の共産党は、本書の礼賛記事とは真逆で、あれこれ問題点が多くて幹部は悩んでるのが実情であります。まず、肝心の党員が順調に減っている。百万人くらいいるのかと思ったら、たったの三十万人だという(2017年)。しかも、この一年間に5千人減っている。さらに党員の高齢化がすすんでいる。街頭演説でビラ配りしてるのはじいさん、ばあさんばかりです。


党の重要な財源である「しんぶん赤旗」も部数が減っている。なので、最近は地方議会の共産党議員が役所の職員に「赤旗」の購読を押しつけ、これが議員の越権行為ではないかと問題になっている。ちなみに、「赤旗」の月極価格は3400円で、内容や記事量を考えたら、読売や朝日に比べて安くはない。そもそも、家計にゆとりある世帯は共産党なんかに興味はないので拡販は難しい。


共産党は、唯一、政党助成金の受け取りを拒否している政党です。その意気やよし、でありますが、財政は苦しい。だからといって、今さら「やっぱ、政党助成金下さい」なんてブサイクなことも言えない。頼みとする若者の支持は伸びず、彼らはむしろ保守党支持の傾向が強い・・・というような、ネガティブな情報は本書では皆無です。ついでにもう一つ、共産党のダメなところは、選挙で大きく議席を減らしても、幹部の誰もが責任をとらないことです。与党への「責任を取れ、辞職せよ」のおきまりの文句、身内に対しては言ってはいけないと禁句にしているらしい。


著者が共産党のシンパならヨイショするだけの内容になっても仕方ないが、それなら、こんな思わせぶりなタイトルにせず、はっきりと共産党礼賛本であることをうたってほしかった。(2014年 イースト・プレス発行)


共産党の深層


読書と音楽の愉しみ



●アンデルセン著「影」を読む

 洒落た挿絵に惹かれて手にとったけど、これは童話ではなく大人向けの短編。自分の影が離れてしまって悪さをするという話はどこかで読んだような気がするけど、作家にとっては興味あるテーマなのかもしれません。主人に絶対服従するはずの影が主に背いてプイと出かけてしまい、なんの恨みか主人に復讐したりして・・。本書もそんな感じの内容ですが、どうも筋書きが良くわからない。何を言いたいのか分からない本ってたまに出会いますが、本書もその一つです。短編なのに、二度読み直す気にならなかった。自分のバカさを棚に上げて「アンデルセンだってたまには駄作を書く」と責任転嫁(笑)。もし、傑作ならもっと多くの人に読まれてるはずです。


イラストのジョン・シェリーは英国人。現在、日本で暮らして企業の広告作品などで活躍中。このわかりにくい物語のイラストを描くのは大変難儀だったと思います。もし、この楽しい絵が無ければ皆目売れなかったに違いなく、シェリーの功績は大きい。(2004年 評論社発行)



annderusenn  




annderu 



annderu 



annderu 






閑人帳


●染五郎が12歳に・・高麗屋三代同時襲名

 海老蔵ファミリーの悲しみを斟酌すれば「めでたさも中くらいなり・・」な感じでせうが、高麗屋三代同時襲名は、何はともあれ、おめでたいニュースです。めでたいの中身には「ありがたや、三代同時襲名でどれだけ襲名披露コストが低減できることやら、ホクホク」という経済的メリットもある。貧乏性駄目男のセコイ発想であります。


もしや日本だけかもしれない役者の世襲制度、これには批判も多々あるけど、自然にDNAが継承される点では排除云々の考えより説得力がある。また、今どきの歌舞伎役者は旧幸四郎のように,歌舞伎以外でも活躍していて、旧弊にこだわる石頭人間なんかほとんどいない。


歌舞伎界の世襲がかくもすんなり実施されていることを一番うらやましく見ているのは・・天皇ご一家でありませう。なんであんなにうまいこといくのか。すなわち、男子が順調にうまれるのか。高麗屋さん、コツがあるなら教えてもらえません? いや、もう、遅過ぎるか。


新染五郎(旧染五郎の長男)はまだ12歳だけど、今でも十分に男前、将来大スターになりそう。就活しなくても、あと60年以上稼げます。襲名公演では勧進帳で義経役、オヤジさんが弁慶(下の写真参照)という親子共演。上々のスタートになるでせう。


考えてみれば、勧進帳って、全編、忖度、斟酌だらけの芝居ではありませんか。義経と弁慶、弁慶と富樫・・忖度ゼロは関所の番兵くらいですか。 それはさておき、歌舞伎なんか興味なしという人にも是非おすすめするのが勧進帳です。DVDとかでなく、ナマで鑑賞してほしい。短い、分かりやすい、カッコイイ。退屈するヒマはありません。駄目男は中間の長唄も大好きです。能の「安宅」を歌舞伎にアレンジした脚本家のアイデアとセンスの良さに感服します。今後、新幸四郎による勧進帳公演が増えるので、ぜひお運びを。(先代幸四郎は弁慶を1100回演じた)


新染五郎  12歳
高麗や



勧進帳舞台 弁慶は新幸四郎(旧染五郎)
高麗



新白櫻(旧幸四郎)
高麗 





犬町・猫町情報


●きなこさんの自選句ご紹介

 あけましておめでとうございます。
寒いながらも穏やかな正月を迎えることができました。
駄文連ねて11年目、今年も「生きてる証」としてブログを続けます。
ひまつぶしのアイテムとして訪問頂ければ幸いです。

 さて、新年のトップはきなこさん詠める俳句を紹介します。所属する「こぶし句会」での作品で、この道無学の駄目男が思うに、入会まなしの新人にしてはとても良く出来た作品だと勝手に評価しています。

 実は、わたしも俳句(川柳・短歌)やってますねん、の人おられたら、気兼ねなく投稿して下さい。若かりし頃の作品でもかまいません。


こぶし句会三百回記念「こぶし十句集」(昭和61年創立)
きなこ


きなこ 



きなこ