閑人帳



●ライアン・ガンダー展 鑑賞

 久しぶりに見るコンセプチュアル・アート展。ガンダーはイギリスの作家で、表現は立体、平面、その他なんでもアリといえる多彩さが魅力だそう。たしかに、会場には明るく、楽しく、洒落た作品が多い。ネガティブな発想は苦手なのかもしれない。よって、観覧者のほとんどは若者で、じいさん、ばあさんはいない。どだい似合わないって感じですね。


純粋じいさんである駄目男は、それでも分かったふりして鑑賞するのでありますが、なんだか作品すべてが小粒でチマチマしていてインパクトが無い。楽しい、洒落てる・・それでオシマイの感。それは、たとえば草間弥生の作品展と比べたら明快に分かります。チマチマ対どっか~ん、の違いです。ガンダーはアーティストというより、デザイナーの感じです。


壁面に市販のフィギュアを並べたり、壁の隅っこをボリボリこそげたりすることのどこがゲージツなん?と意地悪じいさんはケチをつけるのでありますが、本当のところ、もう、そんな小細工で喜ぶようなトシではないのですね。小細工といえば、フロアに紙くずが落ちていて、観覧客の多くは、あ、ゴミが落ちてる、と気づき、拾おうと近づいてそれが作品だとわかって、ああ、危うく恥をかくところだったと安堵する。みれば、この紙くず作品を間違って拾わないために、専任の監視係がいます。こんなの、チマチマゲージツの見本でありませう。(同展は7月2日まで 国立国際美術館)


ガンダーの作品の一部 (公開画像より引用)
ライアン



ライアン



ライアン 



ライアン 




ライアン 






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読書と音楽の愉しみ


●14歳の偉業  ~瀬戸のモーツアルト?~

 藤井聡太君の大記録達成でテレビは速報を流すわ、新聞は一面にドカドカ載せるわ、の大フィーバーであります。天才の呼び名が少しも大げさに思えない、百年に一度の逸材。しかも、彼はまだ14歳。自分が14歳のときは・・ありふれたバカの一人でした。


14歳藤井少年の快挙を知って思い出したのが、かのモーツアルトが、同じく14歳のときにやらかした凄ワザです。藤井君と同様、ものすごい能力を発揮した。教会でたった一度聴いた合唱曲をまるごと暗記して、楽譜に再現したのです。(曲は「ミゼレーレ」男女9声部 約12分の曲です) この凄ワザは、父、レオポルドも同席する教会で発揮した。彼は息子の快挙を妻に手紙で伝えた。

ザルツブルグの妻への手紙 ~1770年4月14日~
  おまえはたぶんローマの有名な『ミセレーレ』のことがよく話題になっているのを聞いたことがあるだろう。 この曲はたいへん尊重されているので、礼拝堂の歌手たちには、パート譜を一枚でも礼拝堂から持ち出したり、写譜したり、あるいは誰かにやったりすることは、破門をもって禁じられているのです。 ところが、私たちはもうそれを手に入れてしまっているのだ。 ヴォルフガングはもうそれをすっかり書き取ってしまったし、もしこの曲の演奏に私たちが立ち会う必要がなければ、この手紙に同封してザルツブルクに送ってしまうことだろう。 でも演奏の仕方が作品自体よりも重要なので、私たちは帰るときにこの曲を持って行くことにします。 それにこれはローマの秘曲なので、直接間接に教会の検閲に触れないために、他人の手には渡したくないのだ。(引用終わり)


モーツアルトの凄ワザのせいで「門外不出の秘曲」はパーになってしまい、楽譜は出版されて誰でも歌えるようになった。日本でもライブで聴く機会はあり、駄目男は2年前の6月に、タリス・スコラーズの演奏で聴きました(兵庫芸セン大ホール)。2015年6月18日にブログを書いています。

藤井君の強さのベースは膨大な数の盤面の記憶にあり、これに新しいAIのワザなどを取り込んで藤井流新戦法で攻めることらしい。脳内全部コンピュータって感じなのでせうか。モーツアルトの一曲丸覚え術は、楽譜という記号に頼らず、右脳でイメージとして覚え、楽譜に再現するときは作曲家としてのセンスで声部を構成したのでは、と想像します。


余談ながら、駄目男が生涯で聴いたヴォーカル(声楽曲)で最高に美しい曲だと思っているのは、ここで紹介している

・アレグリ「ミゼレーレ」と
・モーツアルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」
・ラフマニノフ「ヴォカリーズ」の三曲です。
 ヴォカリーズはやや「通俗」の印象があるけど、あの世へ旅立つときのBGMとしてぴったりでせう。


■タリス・スコラーズが歌う「ミゼレーレ」
https://www.youtube.com/watch?v=R5uBWa7UJFQ&list=RDR5uBWa7UJFQ#t=33


■キリ・テ・カナワが歌うラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ」
https://www.youtube.com/watch?v=fW630zFA93Y


読書と音楽の愉しみ



●中島誠之助著「骨董掘り出し人生」を読む

 「開運なんでも鑑定団」の常連鑑定士としておなじみのオジサン。すごい博識ぶりに感心していますが、どんな人生を送ってきたのだろうか、興味がありました。昭和13年生まれだから駄目男より一歳上です。裕福な家庭に育ったが身内の人事が複雑で諸々の事情から養子として育った。義父が骨董商なので修業は必然だったけど、跡継ぎにはなりたくないと逃げ回る。最後は遠洋のマグロ漁船の乗組員になって日本脱出までやるが、結局、骨董人生を送ることになった。


有り体にいえば、骨董商は「本物か、偽物か」の世界。骨董趣味人が経験を積んだからなれるという甘いビジネスではない。

・先天的に恵まれた感性、美意識の持ち主
・子供じぶんからの豊富な学習
・人間の真贋を見分ける才能、人脈づくりの才能も必要
・時代感覚にも敏感であること

等々の才覚がある人だけが成功する。なんでも鑑定団には、自称「この道30年」みたいな趣味人(鑑定依頼人)が登場するが、ほとんどはただの素人である。骨董修業の基本は風呂敷包みのワザ。いろんな形の商品をいかにきっちり、丈夫に包めるか。これだけで一年くらいかかるという。(現代は宅急便の発達で段ボール輸送になった)著者は風呂敷包みのワザでは日本で五人の内に入る名人だと自負している。


いろいろ苦労を重ねた末、独立して店をもつことができた。誠実な商いが認められて上客がつくようになった。なかでも贔屓にしてくれたのが高峰秀子。彼女は女優を引退後、骨董の蒐集に凝り、中島氏は良い相談相手になった。こういう経験が骨董商のネームバリューを高めることになる。1970年代、雑誌「ミセス」や「家庭画報」で古伊万里を紹介する記事が多くなった。そのころ著者は自分のセンスで集めた古伊万里の専門店「からくさ」をオープンした。すると雑誌などの取材が増え、古伊万里ブームが起きる。どかどか売れるので仕入が追いつかず、田舎町を車で駆け回って集める。国内で品薄になるとヨーロッパまで出かけて古伊万里探しをした。(明治時代に大量に輸出されたので、欧州にはたくさんあった)


かくして古伊万里ブームのおかげで貧乏暮らしと決別、リッチマンになれた。しかし、それも見切りをつけて商売はやめ、著作や講演会で稼ぐことがメインになる。今や悠々自適の身、ふだんは八ヶ岳山麓に建てた山荘で読書三昧の優雅な日々を送る。嗚呼、うらやましい。(2007年 朝日新聞社発行)

 
古伊万里大皿
中島 


中島




閑人帳


●ドローンが大活躍・・Nスペ ドキュメント

 6月24日放送の中国湖南省張家界の石柱が林立する風景は見応えがありました。高さ200mの巨大な石柱と断崖が連なる自然の造形美がすばらしい。観光地として大人気らしいけど、徒歩で観光するには無茶しんどそうな難コースでもあります。


この風景の素晴らしさをあますところなく伝えたのがドローンのカメラです。従来ならヘリを使うところですが、ヘリよりずっと小回りのきくドローンの活躍でスリリングな空撮の楽しさを満喫できました。風景撮影の常識が変わったと思わせる痛快な画面でもあります。見るほうは楽しいけど、実際の撮影では事前の地形調査や天候の変わり方、飛行時間(電池の寿命)など、慎重な計画、準備が必要と思われ、放送時間の何十倍もの撮影が行われたと察します。感心したのは機体の安定ぶりで、見苦しい揺れがぜんぜんありませんでした。


ドローンでの撮影がこんなに素晴らしい結果を生むのなら、劇場映画撮影での屋外シーン、たとえば、関ヶ原の合戦とか、大人数での戦闘場面でCGを使わず、実写で迫力ある映像が撮れそうです。また、人気のある鉄道モノでも新鮮な風景映像がつくれると思います。ただし、ドローンのスピードが遅いのでローカル線向きかもしれません。


 大岸壁に開いた大穴に至る900段の階段
石柱


断崖につけられた遊歩道
石柱  




石柱



珍味の岩茸を採取する人
石柱 




石柱 






大阪日暮綴



●ちょびっと・・梅ジュースをつくってみた

 庭でとれた梅の実ですけど、とNさんから頂いた実はわずか250g。梅ジュースの作り方の説明書ももらったので、ほんまに出来るのか試してみました。梅は、店ではふつう1kg単位で売っています。


・梅は洗って水切りし、冷凍庫で24時間以上、凍らせる。
・瓶に砂糖、梅、砂糖。梅・・と交互に入れる。
・密封して常温で一週間ねかせる。
・梅を取り出し、液体(ジュース)を別の瓶に移す。
・4~5倍に薄めて呑む。

砂糖は氷砂糖を使うそうですが、無いのでグラニュー糖で代用。出来上がった濃縮ジュースを氷水で4~5倍に薄めて飲むと・・う、旨い! 天然果汁そのものですからマズイはずがない。半信半疑でつくったけど、期待以上の美味しさでした。材料を1kg使えば普通は900mlの原液ができるそうで、4倍に薄めたら3,6リットル。材料費からみれば、贅沢というほど高価な飲み物ではなさそうです。お酒が飲めないのに梅酒をつくる人がいるけど、ふつうは梅ジュースをつくって愛用されてるのでせう。


材料はこれぽっち
梅ジュース


一週間目(砂糖が多すぎて溶けきれない?)
梅  


美味しく出来上がりました。
梅  








読書と音楽の愉しみ



●竹本住大夫著「人間 やっぱり情でんなあ」を読む

 惜しまれつつ引退した浄瑠璃の大御所、住大夫の回顧録。話し言葉、それも大阪弁での語りなので、堅苦しさはなく、とても読みやすい。かつ、中身も濃い。50年、100年先になったとき、昭和、平成時代の文楽世界の記録としてとても良い資料になること間違いなしであります。


住大夫自身、師匠とマンツーマン、スパルタ教育で鍛えられた。教える立場になっても弟子にはスパルタ式で芸を仕込む。これには賛否両論あるだろうけど、本書を読む限り、ものわかりのよい、甘い態度では優秀な大夫は育たないと思わせる。そもそも「ちゃんとした大阪弁」を話せる若者がいないから基本のキから教えなければならない。師匠がイラついてカッカするのがわかります。ちゃんとした大阪弁といっても、江戸時代の大阪弁ですからね。楽に習得できるはずがない。


全編、苦労話がてんこ盛りという感じですが、戦中、戦後の、三度のメシにも事欠くありさまは、戦前生まれの読者の身にシミます。ちなみに、文楽の技芸員は全員召集され、戦地へ送られた。しかし、現地で戦死や病死した人は一人もいなかったという。これはとてもラッキーですが、終戦間際の召集なので戦闘シーンに遭遇せずに済んだとも言えます。


本書は住吉図書館読書会の選定本だったので、十数人の参加者が感想を述べあいました。一番共通した話題は本書でもチラリと出て来る、橋下市長時代の文楽協会への補助金カット問題。この件で橋本市長が嫌いになったという人が大勢いた。(駄目男もその一人)芸術文化に対する理解の無さ、が嫌われた由縁ですが、うがった見方をすれば、これが大阪都構想賛否投票でマイナス要因になったかもしれない。賛否きわどい差だったので影響した可能性はあります。橋下サンの美的センスの無さは育ちの悪さによる。氏より育ちと言うけれど、彼の生い立ちに美意識が育つような環境は全く無かった。松井知事も似たようなものですけど・・。(2014年 文藝春秋発行)


人間やっぱり 





半畳雑木林



●半畳雑木林のニューフェイス

 今年新登場のタネはザクロとムクロジ。ザクロは長居植物園で拾いましたが、果実が熟して地面に落ちたものはぐじゅぐじゅでとても気持ち悪い。5粒ほど撒いて一つだけ発芽しました。ムクロジはSさんからの頂きもの。東京みやげです。4個植えて一つだけ発芽しました。 昨年の秋、明日香村の橘寺境内で拾ったセンダンの種、一つも発芽しなかったのは残念です。ほかに、二度目になる「シナアブラギリ」は3個全部発芽して順調に成長中。一番リスクの小さい、タフな種子です。


ムクロジについての無茶詳しい解説はこちら・・・
http://poohchan-cute.net/category/etc/etc-mukuroji.html#mukuroji-germination

ムクロジの発芽
半畳


ザクロの発芽
半畳 






読書と音楽の愉しみ



●ケント・ギルバート著
 「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」を読む

たまには流行りものの本を読もうと買ったけど、買わなきゃ良かったと後悔しました。内容の大方は既に知っていることで新情報なしです。本屋で少し立ち読みしてから判断すればよかった。ガイジンが儒教のことを書いた本だから面白そうと思ったのがまちがいでした。


それはさておき、日本人が儒教に支配されなかったのはラッキーであります。中国と陸続きの朝鮮とちがい、海というフィルターを通して儒教を仕入れたことで、儒教文化をそっくりコピーしなくて済んだ。是々非々の判断をする余裕があったというか、そこが日本人らしいのかも。さりとてキリスト教にも染まらなかった。固有の神道と輸入の仏教をテキトーにミックス、ええとこ取りして文化の礎とした。


著者、K・ギルバートは儒教をケチョンケチョンに貶しています。いかほど勉強したのかわからないけど、ほとんどの日本人読者はすんなり受け入れられる内容です。中華思想に関する知見もノーマルだと言えます。とにかく、ギルバート先生は儒教の弊害=中国人、韓国人のおぞましさを日本人に刷り込みたいのでせう。文脈からは、お人好しで国際情勢に無知、鈍感な日本人にイラついてるような感じも受けます。


儒教思想から抜け出せない中国人、韓国人の国民性を一言でいえば「下衆」がふさわしい。個人の振る舞いから国家の戦略までサンプルをたっぷり説明している。同じアジアの民族で隣国どうしなのだから、中国、韓国と仲よくしようなんて発想がいかにアホくさいことかと警告する。そんなこと、アンタに言われんでも分かってます、と言いたいが、分かってない日本人もたくさんいます。


中国、韓国、北朝鮮が他の世界各国から尊敬や敬愛のまなざしで見られることは未来永劫ないでせう。韓国や北朝鮮は近未来、国家存亡の危機に見舞われるかもしれない。韓国の悲しいところは、仮に韓国という国家が滅びても、世界中の誰も困らないことです。韓国の産業やビジネスは全て他国で代替できる。サムスンやヒュンダイが消滅しても、キムチが無くなっても諸外国は全く困らない。韓国でなければ作り出せない文化や産業がありますか。パクリとコピーだけで生きてきた国家の致命的弱点です。


前から思ってることですが、せめて「即席ラーメン」くらいは韓国で発明してほしかった。安くて美味しい日常食として今や世界中に普及し、途上国では救荒食としても役だっている。世界の食糧事情を下支えしている食品です。これは日本発の文化、ビジネスの一例ですが、もし、韓国で発明されたものなら、世界への貢献が認められ、大いに評価されたでせう。なのに、身近な即席ラーメンさえ発明できない国です。韓国が地上から消滅しても誰も困らない。この国家の存在感の軽さは、もし自分が韓国人なら耐えがたいだろうと想像します。(2017年 講談社発行)

ケントギルバート 






犬町・猫町情報


●欧州旅行記 ~AT~

6月から2週間ちかくイタリア半島、バルカン半島、エーゲ海とまわってまいりました。まずイタリア、ミラノにある聖ヨハネ大聖堂、ここにイエス・キリストの遺体を包んだトリノの聖骸布が保管されています。1980年代に偽装と判断されましたが、2005年の再調査の結果紀元前の布と測定され本物という結果になっております。ただし一般の方は見れません。


サントリーニ島かっては一つ島でしたが紀元前1600年前の人類史上最大の海底火山の爆発により5つの島に分裂し地中海一帯の古代文明を滅亡させています。プラトンのアトランティス大陸のモデルをなりました。現在ふたたび海底火山の活動が活発になっているそうです。


バルカン半島、ヨーロッパの真珠アドリア海美しい所です。しかしここは1991ー2000年迄凄まじい内戦のあった場所です。ユーゴスラビアという一つの国が崩壊し10年に渡り殺戮と破壊行われた場所です。いまは世界中からツーリストが訪れています。


最後に世界遺産ベネチア共和国21世中に水没の危機がせまっております。古代ギリシア人が開拓し古代フェニキア人が発展させたイタリアの港町アンコーナで最後の訪問地になりました。ここの国立美術館にはダビンチ、ラファエロなどの貴重な美術品が保管されています。


ベネチアとアンコーナの国立美術館
足立おわり  


足立 


クロアチアの街ドブロブニク
足立 

アドリア海、内戦の傷あと
足立 


足立
 



サントリーニ島
足立 


足立


聖ヨハネ大聖堂
足立 







大阪日暮綴


●きれいな夕焼け空

 梅雨入り宣言されたのに皆目雨は振らず、今日もきれいな夕焼け空が見られました。雨が少ないだけでなく、湿度が低い天候が続いていて、例年のジメジメ感がなく快適です。当然、ビールが旨い・・は身勝手な感想で、テキトーに雨も降ってもらわなくては。しかし、週間予報見てもまとまった雨は期待できないみたい。


夕焼け






プチ・ケチの研究



●簡単、美味しい・・グリコ「ドライカレーの素」

 ドライカレーは好物ですが、インスタントの「素」に良い商品がなく、敬遠していました。今回、久しぶりにつくってみようとグリコの「素」を使ったところ、味、食感、調理の簡単さでスグレモノでした。こんな地味な商品でもコツコツと改良を続けている。美味しさと原価の制約のはざまで苦労しながら「これで行く」と決めたレシピでせうが、決定までに企画担当の皆さんはいかほど多くの試作品を食べたことやら・・。比較研究のため、他社製品もたくさん食べねばならず、仕事とはいえ、ご苦労なことであります。

 インスタントながら、味にデリカシーを感じさせる点を評価します。調理は簡単で失敗は少ないと思いますが、食感に関しては「ご飯」の質が絡むので、これが出来栄えを左右するかもしれません。表示によると、一食分569kカロリーとある。値段は二食分で税共127円。ご飯と合わせても百円そこそこでつくれるから〇ビランチにおすすめです。


guriko 




大阪日暮綴



●北野恒富展 鑑賞  ~ハルカス美術館~

 待てば海路の日和あり・・念願かなってようやく企画された美術展。といっても、名前を知らない人の方が多いかもしれない。明治から戦前まで大阪をベースに活躍した日本画家で、今展のサブタイトルは~なにわの美人図鑑~とうたっています。


同時代の美人図画家、上村松園に比べたら、知名度ではガタ落ち、作品の風格品位においても劣るのですが、美人図としての魅力では互角だろうと勝手に思ってます。男から見れば、上村美人図にくらべて通俗、かつ退廃的な画風に惹かれるのかもしれない。北野恒富の人生そのものは上村松園センセに比べて100倍俗っぽい。要するに艶福家であります。上品美人より悪女美人を描いて人気を得たことから、画風を「悪魔派」とよばれたと説明にあります。


それでも後輩の育成には熱心で、島成園や木谷千種などを一流の画家に育てた(両名とも女性)。また、東京一極になりそうな芸術運動に対抗して大阪の画壇を盛り上げようと会派の設立を積極的にすすめた。艶福一筋ではありませんでした。この実績がなかったら画家としての評価も少しマイナスになっていたかもしれない。
 画家だけでなく、小説の挿絵やポスター制作でも活躍し、北野流美人図を世に広めた。「菊正宗」の宣伝ポスターなど、見たことある人いるかもしれない。(灘の菊正宗資料館に現物があったような気がする)

同展は7月17日まで。チケット1300円。


会場入り口 ポスターの右手が「願いの糸」左が「夕涼み」
北野 


「淀君」
淀君




ウオーキング・観光



●ん十年ぶり、阿修羅像拝観

 奈良駅上「百楽」でランチのあと、Nさんの案内で興福寺へ。巨大な仮屋根に覆われた中金堂は、来年ようやく落慶の予定で、公開の折は大賑わいまちがいなしでありませう。阿修羅像など天平の仏像群は隣の仮講堂で公開中です。狭いぶん、間近で拝見できます。


昔々、子供のころにはじめて阿修羅像の写真を見たとき、六本の細い手が蜘蛛の足に見えて気味悪かった。今みてもそのイメージは少し残っている。気味悪いから、ではもっとリアルに太くすれば良いのか、といえば、それはないでせう。キン肉マンじゃあるまいし。


先週だったか、Eテレ「日曜美術館」で阿修羅像の由来と制作方法の説明があって興味深く見た。その解説によると、はじめにつくった顔(表情)は全く別の造形だった。憂いを含んだ少年の顔ではなかった。それが変えられたのは、注文主である光明皇后の意図を汲んでのリ・デザインかもしれないと。皇后は幼くして亡くなった息子の姿、顔をこの像で再現したかったのではないかという説であります。仏師は皇后の切実なる願いを忖度して現在の姿にした。ホンマかな? 少々疑いたくなりますが、否定する根拠もありません。


もう一つ、魅力的な仏さまが東金堂におわします。飛鳥、山田寺にあった薬師如来の頭(仏頭)。ボディは無くなって頭だけなのに国宝です。1300年前に作られたとは思えない、端正な顔立ち。1000年後に見ても評価は変わらないと思える完成度の高さ、感心するばかりです。(6月13日)

興福寺



山田寺 薬師如来像の頭部
興福寺 







大阪日暮綴



●高齢引きこもり夫婦?

 隣のAさんが先週引っ越された。高齢のご夫婦で、約2年前に引っ越して来られた。その当日、奥さんが〇〇です、と名乗って挨拶に見えた。70歳くらい?という印象の方だった。それから約2年、壁一枚隔てたお隣の方なのに、一度もご夫婦の顔を見ることがなかった。姿を見ないのは単なる偶然かもしれないと思っているけど、そんなのありか、という気もする。普通の暮らしをしていたら、2年間も顔を合わさないって無いような気がする。


ご主人が病気で寝たきり・・なら、顔を見る機会はないけど、ベランダ越しに聞こえる夫婦の会話はごく普通で病人には思えない。夫婦とも外出嫌いだとしても、宇宙船の暮らしじゃあるまいし、2,3日に一度くらいは買い物等で外出しないと生活が維持できないはずだ。ならば、玄関前や廊下や道路で出会うチャンスはあったはずだけど、一度も会わなかった。訪問客が出入りする場面も見たことがなかった。


仮に、駄目男もAさんと同じくらい外出嫌いな人間だとしても、年に一度くらいはばったり出会うことがある。それが普通でせう。なので、いつの間にか、Aさん夫婦は山中に簡素な庵をつくってひっそり暮らす、方丈記の鴨長明みたいな人・・をイメージしていた。しかし・・この想像は間違っていた。引越の日、何気に道路を見下ろしたら、大型の引越トラックが2台、玄関に横付けされていてビックリした。50㎡足らずの家に家財道具がぎっしり詰まっていたことになる。簡素な庵の暮らしのイメージはぶっ飛んでしまった。集合住宅に住んでいても、隣人と年に一度も顔を合わさない・・案外、普通のことなのかもしれない。

読書と音楽の愉しみ



●葉室麟ほか著「決戦!大坂城」を読む

 講談社では新発想の歴史小説本として「決戦」というテーマをつくり、「関ヶ原」「桶狭間」「川中島」など数種類の本を発行しています。特色は、これらのテーマで数名の新進、ベテランの作家が独自の構想で短編を書き下ろし、競作?していることです。読み手は楽しいが、書き手は作品の優劣を即断されてしまうのでなかなか厳しい。


今回の「決戦!大坂城」は中央図書館の読書会の指定本だったので、参加体験も兼ねて読みました。決戦とは、大坂冬の陣・大坂夏の陣を指します。以下、作者とタイトル、主人公の名前を記すと・・・

・葉室麟『鳳凰記』ー 淀殿
・木下昌輝『日の本一の兵』ー 真田信繁
・富樫倫太郎『十万両を食う』ー 近江屋伊三郎
・乾緑郎『五霊戦鬼』ー 水野勝成
・天野純希『忠直の檻』ー 松平忠直
・冲方丁『黄金児』ー 豊臣秀頼
・伊東潤『男が立たぬ』ー 福島正守


意外に思ったのは、七名の作家の文体に個性が感じられなかったこと。みなさん、申し合わせたように文体が揃っています。歴史もんはこういうふうに書く・・と、訓練されたみたいにまとまっています。もし、この中に司馬遼太郎の作品を混ぜれば、文体だけで司馬作品と判定出来そうな気がします。文章にクセの無いぶん、読みやすいというメリットはありますが。


読書会では、自分のお気に入り作品として「黄金児」「男が立たぬ」の二作品を推しておきました。いずれも豊臣秀頼の最後が描かれており、今まで何となく「頼りない、甘ったれ」のイメージがあった秀頼を、凛々しく教養も高い貴人として描いています。近年の研究でいろんな資料から従来と異なる秀頼像が確かめられているのかも知れません。他の皆さんの評価では米商人を描いた「十万両を食う」が好評でした。戦争のどさくさで古い米を高く売りつけて大もうけしようとするがめつい男の波乱を描いた作品です。(2015年 講談社発行





本 6がつ







たまには外メシ



●50年もん・・AUCHENTOSHAN

 バー「ゴールウエイ」のマスター、藤田さんの話によると、世界中のウイスキーメーカーはただいま「緊迫状態」にあるという。中国やインドという大消費地で生活水準が上がるにつれ、ウイスキーの需要がぐんぐん伸びてきた。なのに、供給が追いつかない。だったら、各社は設備投資を行って量産体制をとればよいではないか、と考えるのは素人であります。


原料(大麦とか)を増産し、蒸溜装置など生産設備を増やし・・ 大事な「水」は天然だから不足の心配は無い。いえ、もう一つ大事なモノがあります。それは樽です。これが足りない。正しくは樽の材料であるオーク(樫)材が世界中で調達困難になっている。これが「緊迫」の原因です。お酒に興味のない人にとっては全くしょーもない話ではありますが、メーカーにとっては大問題なのであります。


ビールや日本酒と違い、ウイスキーには「樽で仕込む」という工程が必要です。しかも、その期間が10年、20年と長い。ということは、たくさん作ろうと思うと、たくさんの樽が要る。つまり、たくさんの木材が要るのですが、これが世界中で奪い合いという状況です。(注・トリスとかオールドという普及品はほぼ化学製品なので、ここでは問題外)


さらに難儀なことは、仮に材料を潤沢に仕入、樽をたくさんつくったとしても、それが売上げに計上できるのは10年、20年先です。戦争とかで世界情勢がガラリと変わるかもしれないのに。イラチの人はウイスキーメーカーの社長にはなれませんね。なんか、革新的なアイデアはないのか・・。もし、半年、一年で美味しいウイスキーをつくる技術を開発したらノーベル賞をもらえるかもしれない。


それは無理かもしれないが、今ごろになってえらく残念に思うのは、70年まえの終戦直後、復興のために日本中の山で大量の木材が伐採されたのは仕方ないとして、その跡に植えたのが杉や檜ばかりというワンパターン植林でした。そのときに20~30%は樫などの広葉樹を植えておけば、この先は貴重な樽材を自家調達できる国になれたのに・・。森林国日本の大チョンボでした。広葉樹を混ぜることで、山崩れなどの自然災害を減らすこともできたはずです。


標題の AUCHENTOSHAN(オーヘントッシャン)は仕込みが1966年、瓶詰めが1997年、呑んだ今日が2017年だから、飲み手には50年もんのレアな酒になります。藤田さんがこれをどうして仕入れたのか、聞いたはずだけど思い出せない。(廃業したバーに残っていたのかも・不詳)とにかく、一生に一度しか出会えないような珍品です。
これで味がまずかったら単なる珍品ですが、十分に美味しい。たしなみとして、こういう酒はストレートで呑みます。アードベックやタリスカーに比べたらずっとおとなしい味わいでした。


オーヘントッシャン







閑人帳



●がんばれ、遅咲き岡崎・・・虎・ハム戦

 6月3~4日の阪神対日ハム戦で二日続けてヒーローになった岡崎捕手。野球人生で最良の日になりました。3日の決勝ホームランはプロ入り13年目での初ホームランだというから、どれだけ嬉しかったか。球団職員の努力でレフトスタンドに入ったボールは回収でき、岡崎選手に渡された。自宅に帰ると奥さんは涙を流して喜んだという。


実績や知名度ではイマイチの岡崎選手、奈良県五條市の出身で奈良智辯高校卒、2004年、自由獲得枠で入団するも、実績は下の通り。初年度は1500万円の報酬を得るも、以後は鳴かず飛ばずの日々。在籍13年のうち、7年間は「出場なし」で、2015年には年俸850万円まで落ちた。一般サラリーマンの年収でいえば400万円クラスに相当するのではないか。33歳でこの収入では安定した将来像は描けない。ちなみに、鳥谷は年俸4億円、糸井は4年で18億円。小気味いいほどの格差社会であります。


04年 自由獲得枠 で入団
05年(22) 出場なし       1500万→1500万
06年(23) 出場なし       1500万→1300万
07年(24) 出場なし       1300万→1150万
08年(25) 出場なし       1150万→1050万
09年(26) 16打席 .357 0 1    1050万→1200万
10年(27) 出場なし       1200万→1100万
11年(28) *4打席 .000 0 0    1100万→1050万
12年(29) 13打席 .100 0 0    1050万→1050万
13年(30) 出場なし       1050万→950万
14年(31) 出場なし       950万→900万
15年(32) *1打席 .000 0 0    900万→850万
16年(33) 76打席 .200 0 5    850万→1300万
17年(34)                            1300万

引用元

http://blog.livedoor.jp/nanj_short/archives/1062489261.html



今回の大活躍をバネに打率を2割5分くらいにアップすればレギュラー定着も可能であります。来期の年俸2000万円をめざして頑張ってくだされ。引退後は智辯高校の野球部監督におさまればヨシ、というあんばいで。

おかざき







閑人帳



●Nスペ「祗園・女たちの物語」

 冒頭、中村時蔵の顔がちらりと見えたのはお愛想としても、次の場面では顧客の社長さん連中がそのまんま写る。お茶屋での飲食のあと、拝観時刻が過ぎた高台寺庭園をおかみが借り切って鑑賞してもらうという超贅沢な趣向。東京在の企業のトップが芸者遊びをしている場面をTVで公開するなんて考えられないが、祗園なら許されるのはなぜか。


べつに、くそまじめに考えるほどの問題ではないけど、祗園文化の特異性が分かります。一見さんお断り、のシステムも同じ。いろいろ批判の声はあるにしても、廃止しようという気配はない。露骨な差別待遇を世間のみんなが受け入れてしまっている。
 ・・というようなことがこの番組のテーマではありません。格式高いお茶屋「富美代」の女将の世代交代の話です。お茶屋二百年の伝統を守ることがいかほどしんどいことか、がテーマであります。「富美代」では、代々の女将は結婚せずに女子をもうけ、次代の女将にするという仕来りがあり、これが途絶えるか、つながるか、が大問題。番組では四十代の娘さんが「継ぐ」意志ありでメデタシふうに終わります。


それにしても理不尽な伝統であります。母娘の葛藤、即人権問題をはらんでいる。幸い、娘さんは基本的に合理的な考えを身につけた人のようなので、ベターな解決が出来そうな気がしました。(6月3日)

祗園 


わずか10人ほどの客のために高台寺庭園を借り切り
祗園

77歳の女将さん
祗園

 


左の女性が次代の女将さん
祗園 






閑人帳

 

●有り難み不明なれど・・「フレッツ光」更新工事

 ネットやメールの使い勝手は現状で何の不満もないけど、NTT側の都合で末端ユーザーにおいて配線と機器のグレードアップがすすめられています。現在のフレッツ光「プレミアム」から「ネクスト」へチェンジするそうで、三人の作業員が来て2時間あまりの工事でした。接続機器は三台あったのが一台に減って配線がすっきりしたけど、機器のサイズがえらく大きくなりました。


今回は室内の電話線も取り替えました。単なる銅線にしか見えないけど、古いのは高速、大容量通信ができないらしい。この作業が時間がかかります。(自宅は集合住宅タイプの仕様)さらにパソコンも設定しなおします。自分でできる人もいるらしいけど、駄目男は全く無能なのでプロにおまかせです。(3000円かかります・後払い)


つつがなく作業が終わって「フレッツ・ネクスト」仕様で新スタートしましたが、動作、使い勝手などでの変化はぜんぜん実感できず、従来と同じという印象です。まあ、こんなものか。ひとつ、セキュリティのソフトがだぶってゴチャゴチャしていたので排除してもらいました。それにしても、全国何百万のユーザー、一軒ずつ巡回しての工事です。一チーム、一日に3~4軒しか回れないから、売り物の「高速」通信とは真逆の手仕事のくり返しの日々。ごくろうさまです。そして、ようやく終了する頃には、また次の新性能仕様へ切り替え・・いや、次の切り替え時は、たぶんあの世へ行ってるので、今回でおしまいです。


切り替え工事はネットから申し込めます。
http://flets-w.com/?banner_id=d0843


新しい機器は一つにまとめられたがバカでかい。
5W×17D×27H cm
ひかり配線 


この収納棚のおかげで、すっきりおさまっています。
ひかり


新しい電話線コンセント
「シャッタ内をのぞかないで下さい」というヘンな注意書きがある。
ひかり






大阪日暮綴


●ナカノシマ大学「大阪・高低差地形入門」講座

 NHK「ブラタモリ」出演で名前が知られた新之介氏の講演。4月に企画したが、希望者が殺到してアブレがたくさん出たため、広い会場で二回目の講演会となりました。サントリー本社の西隣にある中央電気倶楽部は戦前に建てられたクラシックなビルです。


驚いたのは、参加者の2~3割が女性だったこと。こんなに地味でマニアックな中身の講座に30~40代の女性が参加するなんて・・。何がおもろいの?と尋ねてみたくなります。日本刀の展示会に「刀剣女子」がわんさと押しかける現象と同じでせうか。いや、地形講座のほうが100倍地味だと思うのですが。


大阪市内の上町台地には「坂のある町」がたくさんあり、その歴史や地形の変遷ぶりを語って町を見直してみようという趣旨ですが、資料として使われた「カシミール」というソフトを使った大阪の古代の地形の説明がとても分かりやすくて、縄文時代から江戸時代までの上町台地の変化が参加者の脳にしっかりインプットされたと思います。この予備知識ををもって現在の町を歩くとガイドさんの説明を聞くよりずっとリアルな地形の歴史が学べます。東京に比べたらうんとスケールが小さいので理解しやすいのも「学習」には有利です。・・と書いても、大方の人には「なんのこっちゃねん」な話ではありますが。 (5月27日)


会場風景
ナカノシマ大学 


中央電気倶楽部外観
ナカノシマ