大阪日暮綴



●寒波の日の記念写真

 1月25日の朝、大阪でも珍しく氷点下3,5度を観測して話題になりました。では、わがウサギ小屋の温度は? 午前7時ごろで15,7度くらい。16度以下になるのは極めて稀なので、記念写真をパチリ。


和室とDKの境目の気温。
寒い部屋


30日夜のNHK”データなび そうだったのか!日本の冬“という番組を見ると、全国で一番寒い家に住んでるのはどこの県か?のデータが掲載されていて、当然、東北か北海道がトップと思ったのに、実は西日本の県が多かった。

寒い


一位の長野県は納得出来るとして、二位が大分、三位宮崎、四位佐賀、五位滋賀県、というのは意外でした。何れも、家の中の最低温度が9度~10度というから冷蔵庫(7~8度)並みです。朝、起きた時点では冷蔵庫の中にいるような寒さ。これは辛いと思うけど、当地の人は慣れっこなんでせうね。北国のほうが寒いという常識がハズレました。


室温のデータで、日本で一番寒い県になった長野県。なかでも寒さが厳しい土地の例として、木曽町・開田高原の集落を取材していましたが、駄目男にはとても耐えられない寒さです。
 下の写真に示されるように、就寝前の午後9時過ぎで4,4度。さらにぐんぐん下がって夜明けの6時30分には、なんと氷点下3,2度!室内で氷が張ります。(寝室での測定です)屋外では氷点下20度近くになります。

寒い


この開田高原は、駄目男が若いころ、春と秋に訪ねたことがあり、観光地になる前の素朴な山村風景がお気に入りでした。ここから眺める木曽御岳はとても魅力的です。ここの民宿でヤマメをはじめて食べました。
 観光の案内はこちら・・・
 http://www.kis.janis.or.jp/~kiso_uma/


開田高原の冬 山は木曽御岳
寒い



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閑人帳



●食べてみたい・・新型しいたけ

 昨夜のWBSで報じていた椎茸の新商品はまん丸形。こんなの初めて見ました。韓国で開発されたそうですが、そのメリットは・・

・球形の全体が食べられる。(石突が無い)

・栄養価が高い。(ビタミンや食物繊維が豊富)

・新しい調理法で食べられる。

・価格はそんなに高くない。(100g300円位?)

スライスしてバター焼き、なんて美味しそう。これが普及したら、伝統的な製法の椎茸は人気が薄れるかもしれない。しかし、生産には特許が絡んでるので、一挙に大量生産はできないし、技術的安定化の問題もあるから、ただちに野菜売り場に並ぶとは思えない。しばらく待ちませう。



しいたけ 



しいたけ


しいたけ 




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読書と音楽の愉しみ



●堀江貴文著
 「ネットがつながらなかったので仕方なく本を
 1000冊読んで考えた そしたら意外に役だった」を読む

 ご存じ、ホリエモンの読書録であります。但し、読んだのは塀の中、すなわち、刑務所に収監されてる2年半のあいだに読んだ本のあれこれをつづっています。その数、1000冊というから凄いけど、漫画もかなり含まれている。ほかに雑誌も乱読している。
 本など読まない、カネカネキンコの生活から、一転、囚われの身になったことで、にわか読書家になった。その体験をこのような本にして売り出し、またゼニ儲けするのだから、これも才能ではあります。


いったい、どんな本を読んだのか。本人がピックアップした本、42冊から、さらに10冊をセレクトすると、次のようになります。

◆「理系の子」ジュディ・ダットン著

◆「ロケットボーイズ」ホーマー・H・ジュニア著

◆「反原発の不都合な真実」藤沢数希著

◆「外資系金融の終わり」藤沢数希著

◆「二重らせん」J・D ワトソン著

◆「五体不満足」乙武洋匡著

◆「東京タワー」リリーフランキー著

◆「武士の家計簿」磯田道史著

◆「フェルマーの最終定理」サイモン・シン著

◆「ニートの歩き方」pha著


けっこうワイドなジャンルであります。当人は東大の文系中退という学歴ですが、関心はもっぱら理系の世界で、さすがに「土佐日記」なんかは読まないみたい。現在は液体ロケットの開発をすすめる会社の代表。こんな仕事、儲かるとは思いませんけどね。カネカネキンコはライブドアで卒業したのでせうか。


なんにせよ、2年半、刑務所暮らしという、ふつうは屈辱的な体験を、あっけらかんとして、シャバに戻れば即日、従来通りのホリエモンの顔してテレビに出たりする。このキャラクター、なかなかマネ出来ません。また、世間も、昔ならいう「前科者」のイメージで彼を見る事がなさそうな感じです。これを人徳というのはちょっと抵抗があるけど、ネガティブな人生体験を隠すどころか、本書のように自己宣伝のネタにしてるのだから、ほんま、よーやるわ、とこちらが位負けしてしまいます。
 でも、こういう横紙破り、アンチな人物がいたほうが面白い。これからも、好きなように生きとくなはれ。(2013年 KADOKAWA発行)


ホリエモン 


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大阪日暮綴



●初春文楽公演鑑賞
     「新版歌祭文」「関取千両幟」「釣女」

 公演期間後半の平日なのに、客席は満員御礼。今回は嶋太夫引退興行ということもあるけど、まずは目出度いことであります。当日、とくに目だったのは男性客の多さで、2割越え確実、もしや3割近くだったかもしれない。10年前には考えられなかった大変化であります。


ダシモノは上記の通りで、嶋太夫は「千両幟」で語ります。住太夫ほどの上手さ、カリスマ性はないけど、名人がまた一人去ってしまった。
 「歌祭文・野崎村の段」のラストシーンは文楽だけで、3~4通りのヴァージョンがあるみたいですが、今回のはイマイチ。それでも、太棹で野崎村の曲を聴くだけで楽しい。これを作曲した人に感謝です。(この曲は、先日亡くなった春団治師匠の出囃子に使われた)


「釣女」はめずらしく狂言のコピーで、舞台づくりも松羽目を描いたもの。セリフも狂言に近いが、面白さでは、やや期待はずれという印象。狂言でははっきり分かる、大名と太郎冠者の「身分差」があいまいになって、おかしみが伝わらない。人間を人形に置き換えるゆえの欠点がモロに表れる。コピーも意外に難しいと思ったものです。(1月20日 国立文楽劇場)

文楽



プチ・ケチの研究



●野菜の冷凍保存 ~つづき~

 無駄をなくし、手間を省く、〇ビ発想の保存法。これが不向きな野菜もあるわけで、ただいま分かってるのは・・・

キャベツ=×  玉ネギ=×  白菜=△ と、一番よく使う野菜が「カットして冷凍」に不向きです。白菜は、下の写真のように、葉先のやわらかい部分は「浅漬けの素」などで漬け物にし、固い部分は冷凍します。 というわけで、万能とはいかず、また、食感などのクオリティに若干の問題がありますが、6~7割の野菜は「カットして冷凍」ができるので、ケチでずぼらな人におすすめできます。


白菜・・葉先は漬け物にする(左)
野菜冷凍


土生姜はすり下ろして、一回分を製氷皿で冷凍。

野菜


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プチ・ケチの研究



●食糧難 

 うちの冷蔵庫は常にガラ空きをモットーにしているので(近所のスーパーを大型冷蔵庫だと思ってる)三日くらい買い物をさぼるとおかずが作れなくなります。(缶詰や即席麺は若干ストックしていますが)先日来の寒波で引きこもっていたら、冷凍野菜も使い切って、枝豆と人参と小松菜しかない。あとは玉ネギが一個。


唯一、賞味期限切れのひき肉が50gほど残っていたので、もらいもののカレールーを使い、煮込んで、揚げそばにかけて食べる。お酒のアテにすると、なかなかいけます。オヤジブログで人気のHakkeyさんの表現を借りれば「ん~~~ん、んまい!!」となる・・。ま、自己満足ですけどね。明日は食料を仕入に参りませうぞ。


Hakkeyさんのブログ
「たそがれオヤジの七転八起」よっしゃー
http://tasogareoyaji.blog.fc2.com/



カレーヤキソバ




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読書と音楽の愉しみ



●西鋭夫の講演録「新説・明治維新」を聴く

 TさんからCDを借りて講演会の録音を聴く。西氏がどういう人物なのか知らなかったので、聴いてから経歴のあらましを調べました。スタンフォード大学の教授、研究員というので、えらく堅苦しい講演かと想像しますが、話自体はだれにでも分かるレベル、むしろ、昔ふう講釈師の雰囲気さえ感じました。

西氏の紹介
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%8B%AD%E5%A4%AB#.E4.B8.BB.E8.A6.81.E8.91.97.E6.9B.B8


明治維新の真相は何だったのか、という疑問は近・現代史好きなひとには鉄板的テーマです。これを裏返せば、私たちが学校教育で習った明治維新なるものはインチキくさい、ということになります。昨年、ここで紹介した「明治維新という過ち」なる本も、普遍的な維新の知識をひっくり返そうという意図で書かれた本でした。ま、いろんな説が出るのは良いことです。


明治維新には英国の陰謀が絡んでいた
さて、講演のキモは以下のようなことになります。
 明治維新は、幕末の薩長土肥をメインにした藩の志士たちの活躍で幕府を倒し云々という話になっているが、活動資金がない彼らが東奔西走して政治工作できるわけがない。行動には資金が要る。実は闇のカネが動いていた。出資者は大英帝国の手先であった長崎のグラバー商会である。グラバーは討幕派の坂本竜馬などに裏金と武器、船まで供給した。つまり倒幕運動の支援者になった。


だからといって、グラバーが竜馬の思想に共鳴したわけではない。その後、グラバーは江戸幕府側にも武器を売る。その真の狙いは日本に内戦を起こさせること。これによって国力が疲弊し、日本が自滅状態になるように企んだ。英国がインドやシナを侵略、支配したときは、利益も大きかったが、自国の犠牲も大きかった。侵略支配の過程で自国軍の兵士をたくさん失った。日本に対しても同じ方法で支配を目論むと、また大きな犠牲を払わなければならない。


そこで、英国は艦隊や兵士を送り込まず、武器や兵器の供給元になることを選んだ。これなら、血を流すのは日本人だけである。内戦でボロボロになったところで乗り込めば、やすやすと支配できる。こういう筋書きが明治維新の裏にあった・・。


これは講演の一部分でありますが、要するに、明治維新には英国の陰謀が絡んでいた、というのであります。グラバー商会の実体は「死の商人」だったというのです。どないです? 説得力ある? ない?。


駄目男は、この英国野望説を了とします。志士たちの活動を支えたのは、英国による裏金だった。なんせ、当時の藩は薩摩を除いてはビンボー藩ばかり、大名が大阪の豪商からカネを借りまくっていたことでも分かります。しかし、西氏の話はここでプツンと切れ、具体的な説明がないまま、次の話題に移ってしまいます。


以下は、駄目男の補足です。
 英国の目論見どおり、内戦(戊辰戦争)は起きるが、日本が自滅して英国に乗っ取られた、という筋書きにはならなかった。のみならず、意外にもグラバー商会は経営破綻する。さらに、日本を乗っ取るどころか、後年「日英同盟」を結ぶ関係になるのだから、一寸先は闇であります。


ほかに、現憲法の作られ方や教育改革の必要性、世界はカネで動く、という、金万能説、などが語られていますが、いずれも中途半端な語りで終わってしまい、印象が散漫になるのが惜しい。西氏の立派な経歴や現在のポジションからすれば、もう少しスジの通った話を聞きたかった。


講演についての賛否両論はこちら・・・
http://mickeyduck.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-f92d.html

講演会



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閑人帳



●無知にも程がある!? ~スマップ騒動~

 一連の騒動で、キムタクというタレントがSMAPというグループのメンバーであることをはじめて知りました。SMAPが5人組ということもわかった。青年かと思ったら、みんな40歳代、オジサン寸前だった。五人の名前を見て、知ってる、と言えるのは二人、Nさんは、野球中継のゲスト解説で出ていたから覚えている。Kさんは、昔、何か事件を起こして、しばらく休業したので覚えてる。名前の漢字、読み方が難しいから、記憶に残ったように思う。


彼らの本業は歌だというけど、歌ってる場面をTVで見たことがない。あるいは、見たけど、全く記憶にない。よって、曲名など知るよしもない。「そやかて、CMにいっぱい出てるがな!」と言われても、画面に「SMAPのキムタク」とか、名前がいちいち出るわけでもなし、ふつうにハンサムやな、と思うだけ。但し、面立ちがやや個性的な?Kさんは画面で認識できる。


無知にも程がある!・・と言われても、戦前生まれの化石世代はこれがフツーでありませう。駄目男だけがずば抜けて無知ではないはず。むしろ、五人の名前をすらすら言えるオジンがいたらキモチ悪い。(おられたら、スビバセンです)むろん、オバンは別ですよ。もし、オバンでキムタクを知らない人がいたら「あんた、病気や」と言われるのか。


「SMAP解散?」の話題がなんで新聞の一面で扱われるのか不思議でしたが、世間ではニュースヴァリューあり、が常識らしい。しかし、解散騒動のモトが芸能事務所のもめごととあっては、さらに関心のもちようがない。(結局、解散しないらしい)


どれが誰やねん?
sumappu 


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●義理人情に絡まれて・・若者は「スマホ疲れ」?

 ツイッターやSNSの交信量が頭打ちになったと、どこかのTV局のニュースで言ってました。朝から晩までスマホ画面から目を離せない生活にちょっと倦んできたのかしれないと。四六時中、誰かとつながってることが自分の生活、人生に何ほどのプラスになるのかと、ようやく気づく人が出て来たらしい。気づいて良かった。


ある日突然「アホクサ」と目覚めると、目覚めない人がアホに見えるかもしれない。通信にせよ、ゲームにせよ、一日中スマホをいじってる人が尊敬や羨望の眼で見られることはない。遠からず、軽蔑の対象になるやもしれない。


アナログ世代は「年賀状疲れ」?
 義理人情に絡まれること、ペーパー情報の年賀状も同じ。しょっちゅう顔を合わせる人とやりとりするのは無駄だし、義理だけ、人情の通じ合わない人に「おめでとうございます」は空しい。
 有名人でも無いオジンが、ン百枚もの年賀状をやりとりしているのは、スマホつながりと同じで、自分はこれだけ多くの人とつながってると自己満足に浸ることができる。くだらないけど、年賀状は、年に一度の紙のやりとりだけだから、デンパの付き合いにくらべたら、ずっと牧歌的といえます。


二年前に年賀状の数を半分にしたけれど、なぜか効果は薄かった。今年限りでヤメます、の文字が小さかったから? 昨年末はさらに減らして義理を欠いた。察するに、自分と同様に「賀状はやめたい」と思ってる人がだんだん増えてきたのは、お互いトシのせいでもありませう。若者はスマホ離れ、年寄りは年賀状離れが進んでも、すべて世はことも無し。


飲み過ぎ、食べ過ぎ、使いすぎ、に注意しませう

スマホ 



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木村茂光(編)「歴史から読む 土佐日記」を読む

 「土佐日記」を読むのはこれで三冊目。前回読んだのが、林望著「すらすら読める 土佐日記」。現代語訳が上手なので、本当にすらすら読めました。原文がすらすら読めない者には有り難い本です。

◆女のフリして「土佐日記」を書いたわけは?
 閑人とはいえ、なんで三冊目も読んだのか。それは「紀貫之は何が目的で土佐日記を書いたのか」という素朴な疑問の答えを知りたかったから。それで本書をひもといたのでありますが、学者が寄ってたかって研究したのに「よう、わからん」のが本書で得られた答えでありました。
 そもそも、紀貫之自身が女のフリして「男もすなる日記といふものを、女もしてみむ、とて、するなり」と、もったいぶって、ミエミエのウソをついて書かねばならない事情とは何だったのか。


単細胞駄目男は「女のフリして書くなんて、いちびりとちゃいまっか」と単純に考えたのでありますが、これが正解なら、世に学者、研究者はいらんでせう。しかし、100%、ハズレではない。動機の5%くらいは「いちびり」の可能性があります。


紀貫之の名を知らぬ人はいないにしても、当時の宮廷ではB級貴族だった。年をとってから、四国・土佐を治める支店長になり、なんとかソツなく仕事をこなして本社(平安京)へ帰任する。その、土佐から都までの船旅の様子を記したのが「土佐日記」。女のフリして書いてるので、ひらがな交じりだけど、文脈から実は男が書いたこと、簡単にばれてしまう。本人もそれを承知で書いたふしがある。


各論を読んで、そこそこ納得できるのは以下の説であります。当時は男が日記をつけるのは普通のことだった。しかし、それは一部のA級貴族に限られ、書く内容も宮廷の業務に関することに限られ、私的なことを日記として書き留めることはなかった。文章は当然、漢文で書かれた。


よって、紀貫之が公人として旅行記のような内容を日記に残すことはアウトであります。しかし、書きたい。しかも、単なる旅日記でなく、日記というフォームに託して自前の歌や「歌論」を書きたかった。これが本来の目的である。う~む、ならば、紀貫之の名前を消し、女のフリして書いてみるか。ものすごく単純に記すとこんなことになります。


かような案配で、紀貫之はリアルな旅行記を書く気がなかった。だから、自然の描写や、航海の苦労、同乗者の人物描写などの記述はすくなく、分かりにくい。それでも、土佐から都近くまで、小さな船で55日もの日数をかけた船旅の辛さは想像できる。まして、季節は真冬なのだから、
寒さに耐えるだけでもいかに難儀だったか。

◆土佐日記ツアーを企画したら?
 いつぞや、豪華客船のことを書きましたが、土佐日記で利用したのはどんな船だったのか。これも興味があります。紀貫之は船の構造など何も書いていないけど、想像すれば、全長は十数メートルの船で、航海は「櫂を使う」「帆を張る」「ロープで引っ張る」を組み合わせて進んだらしい。ロープを使うのは海や川の浅いところで櫂を使えず、帆も張れないところは乗組員が陸に上がって、えんやこらと引っ張った。海路をゆくには何ともお粗末な船であるため、55日の行程のうち、いわゆる「順風満帆」ふうに航海できたのは数日しかなかった。


日記に記された地名によって、船の航路はほぼ特定できる。とにかく、陸から離れ過ぎると遭難のおそれがあるから、へばりつくように進んだ。高波を恐れて、同じところに五日間も停泊したこともある。また、占いによって「×」の日は天気に関係なく航海をやめた。最後のコースは住吉から旧淀川を山崎まで遡るが、これに一週間くらいかかっている。これは波風が怖いからではなく、冬の渇水期で淀川の水量が減り、船底が河底につかえて進めなかったから。この様子からも船のサイズが想定できる。


古典文学の素養皆無の駄目男にとっては、文学的興味より旅そのものへの興味が大きい。「土佐日記」が生まれてから1000年後のいま、この旅を一泊二日か、二泊三日くらいの旅にアレンジして再現したら楽しいのではないでせうか。100トン~の船を使い、泊まりは、淡路・洲本と大阪・天保山(船を乗り換えるため)ゴールの山崎は接岸できないので枚方にします。参加者は「土佐日記」を通読した人に限る。終了後に各人が「平成楽ちん土佐日記」を記せば、ユニークな思い出になるかもしれません。(2010年5月 東京堂出版発行)


土佐日記の航路
土佐日記 


こんな船で航海したのか。帆柱は倒してある。(北野天神縁起絵巻)

tosanikki


土佐 


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アジア ウオッチング



●台湾の前途は厳しい

 今回の台湾の選挙を興味深く見た。予想通り、民進党の蔡英文氏が勝ち、立法院でも多数派となって8年ぶりの政権交代が実現した。中国に呑み込まれそうになっている台湾の、いわゆる本省人があらてめてアイデンティティに目覚めて「台湾人の台湾を」という意思表示をした。
 こういう経験は日本人にはできない。私たちの投票は、政党、政策、候補者の人柄で選ぶのであって「日本人としてのアイデンティティ」を自問しつつ、国家のあるべき姿を思い描く、ということはない。


考えが真逆の政党があっても、政治家も有権者も「まんま日本人」であって、ワンパターンの日本人どうしの選挙である。考えてみれば、これほど「民族史」に無自覚で政治を託してる国民は珍しいのではないか。民族も言語もワンパターンで事足りる。そうでない国に比べて、いかほど幸せか。当たり前すぎて、有り難さに気がつかない。


それはさておき、民進党が勝って台湾の未来は明るく開けるか、というと、残念ながら楽観はできない。対中国との関係を「現状維持」と述べた蔡英文氏の考えは、若者には物足りないだろうが、妥当な言い方だ。 今さらどうにもならないけど、台湾は経済交流で中国に深入りしすぎた。分かっていながらズルズルと腐れ縁をつくってしまった。

対中国の輸出比率とGDP比を列挙すると・・

1位:オーストラリア
対中輸出比率:34%。GDPの6%相当

2位:台湾
対中輸出比率:26%。GDPの16%相当

3位:韓国
対中輸出比率:25%。GDPの約11%相当

4位:チリ
対中輸出比率:23%。GDPの8%相当

5位:日本
対中輸出比率:19%。GDPの3%相当

以下、ペルー、ブラジル、マレーシア、タイ、と続く。

 台湾は輸出の四分の一を中国に頼り、それがGDP比でも六分の一に達する。(中国頼りの一位はオーストラリアだが、GDP比は小さい)
中国はダントツ一位のお得意様である。キライだといって付き合いを断るなんてとてもできない。蔡英文氏がいう「現状維持」政策のホンネはこれに尽きる。中国にカネで縛られている。
 韓国も似たような状況だ。台湾は競争相手でもある。中国と対等な付き合いなんてあり得ない。いかに上手にゴマすりするか、しかない。


「中国丸」という泥舟に、台湾、韓国、日本が乗り合わせている。あわや沈没というピンチに、いかにスムースに脱出できるか。日本の会社も他人事では無い。その中国進出企業数は大小2万社。


参考資料
http://forbesjapan.com/articles/detail/10334


台湾の選挙の開票風景が面白い。投票用紙を数えれば済むのに、漢字の「正」の字を並べて数字を数えてる。学生のイベントかな、と思ったが、そばに投票箱も置いてあるので、冗談ではなさそう。

開票風景
台湾選挙 


yたいわん




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たまには外メシ



●新世界「横綱」の宴会料理

 いま、新世界の串カツ店で熾烈な争いをしているのが「横綱」と「だるま」の二店。老舗の「八重勝」と「てんぐ」は拡張レースから降りている。商売上手という点では「だるま」の一人勝ちの感があり、「横綱」は必死に追いかけるも、三馬身くらい離されている。


ハコの大きさでは「横綱」がダントツなのに、ハコに見合う客が入らない。ふぐの「づぼらや」がバブル景気のときに建てたでかいビルを横綱がレンタル(又は買収)して写真のように串カツ店に改装したけど、持てあましてるのが正直なところ。
 新世界で個室のある店は少ないので、ここを選びましたが、刺身、鍋物、串カツ、デザート、など、ボリュウムありすぎで4300円。(飲み放題つき)なんとか食べ残しはするまいと、必死に胃袋へ放り込みました。

「横綱」のごあんない
http://www.4527.jp/shop/honkan/#../../common/images/shop/honkan/slide_kusikatu.jpg



横綱 

横綱



横綱 



横綱 


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閑人帳


●こんな「プロ」もいるのか

 7ch「美の巨人」のあとに「クロスロード」というドキュメントの番組があって、1月16日(土)にはじめて見た。廣岡政幸という30代の男性が主人公。フリースクールに在籍して「ひきこもり」青年を世間にカムバックさせることを仕事にしている。彼自身、少年時代は暴力、暴走族少年だったという経歴がある。足に障害もある。


ホトホト困り果てた親からSOSの電話がかかると、その家へ出かけて本人と面会する。この場面で普通に考えるのは「相手と同じ目線で、相手の心情に寄り添って」という対応だが、彼のやり方は違う、いきなり部屋に乗り込んで、上から目線でボロクソに相手を悪く言う。親が横にいても遠慮はしない。こういう対処は、公的な相談所の担当者や学問としての対応を学んだ人にはできない。相手の気持ちを尊重して、なんて甘やかしにすぎないというのが彼の考えだ。ヘタすると「人権」を持ち出すアホな親もいるだろう。


これは一種の「ショック療法」なのか、と思った。何年間もの確執で親子なのに対話が成り立たないなか、ある日突然、見知らぬ男がずかずか乗り込んで来て「この駄目男め!」とやられる。これで一瞬、脳の思考回路のどこかが覚醒するのではないか。親なら反抗できたのに、アカの他人にやられたら返す言葉も見つからない。
 もっとも、相手をボロクソに言いながらも、言葉は選んでる。その辺は経験で培った芝居なのだろう。昔は自分も同じだったという原点はわすれない。


大卒で就職したが職場になじめず、引きこもり数年という29歳の男性。両親は疲れ果てて無気力になり、家は「屋内ゴミ屋敷]状態。家庭崩壊の有り様だったが、廣岡が乗り込んでガツンと一発、すると意外に素直に変身した。あとはリターンしないよう、追い立てるようにフリースクールへ入れ、共同生活をさせる。デイケア施設で老人の世話をする仕事につかせると、当然だが「ありがとう」の反応もある。この「自分も役立つことができる」認識が世間へ溶け込めるきっかけになる。


小学生からオッサンまで、引きこもりの人は70万人いるそうだ。この人たちの周辺に何倍もの「困り果てている」家族がいる。それをケアする行政などの負担を考えると、社会的損失はとても大きい。
 廣岡式の荒っぽい救済方法だけが良いとは思わないが、アカデミックな学問の成果としての再生プログラムがベストとも言えない。ただ、みんな、死ぬまで引きこもりのままでいたいなんて思っていない。脳天にガツンとくる、再スタートの号砲があれば、多くの場合、立ち直れるのではないか。

番組の紹介はこちら・・・
http://www.tv-tokyo.co.jp/crossroad/backnumber/




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閑人帳




●外国人にも分かりやすい地図記号に

 国土地理院では、地図に表記する記号を外国人にも分かりやすくするために、リ・デザインします。大使館や留学生などの意見も聞いて18種の記号を考案、意見がまとまれば、逐次、実施します。いわば、地図記号の国際化です。以下は現在の案ですが、浸透するまで少し時間がかかりそうです。

なお、これは新しい外国人向け地図の作成に関わるもので、従来の地図の記号を強制的に変えることはしないとのことです。

◆お寺の記号
 地図記号で一番おなじみの神社記号とお寺の記号、神社のほうは従来通りのデザインですが、お寺は卍(まんじ)が三重の塔に変わります。個人的にはちょっと残念という思いです。卍が廃止されるのは、あのナチスのシンボル、鈎十字と似ていて、欧米人には見たくない不快な記号だから、という理由で変えます。良く見ると、卍と鈎十字とは裏返しのデザインなので、ぴったり同じではないけど、パッと見の印象は同じに見えてしまう。寺院にとっては、えらいとばっちりです。

卍のオリジナルデザインはヒンズー教のシンボルのようですが、ナチスがこれを採用したのは偶然の一致ではなく、歴史を遡って優秀な古代民族、アーリア人の末裔でありたいという願望が根拠になっているらしい。

地図記号     記号

               ナチスの国旗


◆郵便局の記号
 明治以来親しんできた〒マークが変わって封筒のかたちになります。外国人には〒マークの意味は全然分からないのだから、これは変えて当然ですね。

記号



◆ホテルの記号
 〇の中にHを入れた記号が普及しているけど、これはヘリコプターの着地点表示マークと同じなので間違いやすい。それで下のように、ベッドに人が寝ている形になりました。しかし、実際の地図では2ミリ~3ミリのサイズで表示されるので分かりにくいような気がします。

記号



◆コンビニの記号
 これもデザインが難しい。サンドイッチとボトルを記号にしているけど、ちょっと形が複雑すぎるような気がします。

記号コンビニ



◆温泉の記号
 これは従来通りです。誰が発明したのか知らないけど、シンプルで分かりやすいグッドデザインです。これなんか、外国にもアピールして、ユニバーサルデザインとして採用してほしいものです。

記号


◆キリスト教会とモスク
 こんなのを見ると、時代が変わったなあと思ってしまいます。キリスト教会はともかく、モスクのデザインは前例がないだけに、日本人に浸透するにも時間がかかりそうです。


キリスト教会
キリスト 



モスク
記号


今後は紙の地図より、スマホなどでの利用が多くなるから、記号もデジタルメディアで使いやすいデザインになります。また、山の名前の表示も一定のルールをつくって、外国人に分かりやすい表示になります。

 
引用元

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu2/20160114_738509.html



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大阪日暮綴



●「四天王」みんな逝ってしまった

 桂春団治が亡くなって、上方落語の「四天王」といわれた大御所はいなくなりました。松鶴、文枝、米朝、春団治、の時代は終了です。
 彼らを継ぐ次世代四天王は?・・自分のイメージで勝手に選ぶと、仁鶴、文枝、ざこば、文珍、を挙げたいけど、いかがでありませうか。枝雀が生きていたら、五天王になったかも。仁鶴師匠は、来年あたり?80歳で、ライブで落語を聞ける機会はもうあまりなさそうな気がします。


四天王の噺をCDなんかで聞いて感じることは、なんというか「懐かしい大阪弁」に浸れることですね。今とどないちがうねん、と問われても答えにくいけど、古い大阪をイメージできる語り口になっていて、何十年か昔にワープできる。まあ、懐かしいだけで評価してはあきませんが。 春団治師匠は「いかけや」を得意ネタにしてたそうですが、完成度の高さを誇れる一面、「いかけや」の意味が分からない人が増えたために、高座にかけにくくなった。これも時代の流れ、難儀なことです。


次世代「四天王」候補のなかで、一番聞きたい噺家は誰か。自分の好みでいえば文珍。笑いの相性がいいのと、先輩のコピーだけではない、自分流の工夫が散りばめてあり、若い人にも分かりやすい。時代感覚を上手に取り入れる点では一番だと思います。以前に書いたけど、創意工夫の余地が大きい「地獄八景亡者の戯れ」は、師匠の米朝より上手いと思ったくらいです。


桂春団治

春団治




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大阪日暮綴


●今どきの繁盛歯科医院

◆コンビニより多い?歯科医院
 長年お付き合いした歯医者さんは自宅から遠いため、近所の医院に変えることにして、ネットで探してみました。すると同じ町内に14軒もヒット、町はおよそ1キロ四方なので、これはコンビニより多いかも知れません。たいへんな過当競争状態といえます。けっきょく、一番近くて、一番新しいN医院に決めました。


◆年中無休、夜も診察
 この医院は、2年くらい前、交差点角の元コンビニを改装してオープン、電飾看板の外形はコンビニ時代のままみたいです。すでに過密状態のところへ割り込むのだから、普通の営業形態では集客できないと考えたのか、年末年始とGW以外は無休、夜も8時過ぎまで受け付けします。会社帰りの勤め人の便宜を考えたと思われます。


こんな営業、医師一人では不可能だから、歯科医は5人、助手や受付事務を入れると10人くらのスタッフで運営しています。診察台は6~7台あり、ならば、一日100人以上の治療をこなさないとやっていけないでせう。今どき、とてもリスクの大きい投資、儲かってまっか、と聞きたいところです。


◆患者の大半は若い人
 病院や医院の客といえば、まず年寄りが多いというのが常識ですが、ここは年寄りがほとんどいない。自分が最高齢ではないかと思うくらいです。年寄りは昔なじみの医院へ通うのが普通で、新規オープンだから行ってみようなんて人はいないでせう。それに、今はネットで巷の評判を調べて選ぶひともいるから、若い人が多いのは当然です。
 スタッフの皆さんは愛想が良いし、設備が新しいのも気持ちいい。レントゲン撮影した画像を説明するのはアイパッドを見せながらで、従来より分かりやすい。画像自体が鮮明になったせいか、予想外に、あちこち悪い歯を見つけ出されてしまい、上下5本も治療をしなければならなくなりました。


◆年収200万円台の歯科医もいる?
 以前、週刊誌で読んだかもしれない、歯科医の窮状を伝える記事です。これは、大学出たての勤務医の年収例ですが、これじゃワーキングプアです。在学中の投資が最低3000万円くらいいるので、取り返すのが大変です。一般の開業医でも赤字経営のところが普通にあるらしい。
 歯科医院がこんなにピンチなのは
・人口は増えないのに、新規開業が続々で医院の数が増えすぎた。
・ここ20年くらい、厚労省が決める治療単価が上がっていない。
・虫歯予防など、口腔ケアの啓蒙が行き届いてきて、患者の数が減った。
 これって、タコが自分の足を食うようなものです。

N医院は今どき珍しく予約制で、二日先くらいまでは埋まってる状態だから繁盛しているのでせう。患者は、5人いる医師を指名できるが、都合のよい時間を優先して、指名ナシにすれば、毎回、医師が変わる。自分は気にしないけど、気にする人もいるかもしれない。複数の医師に診てもらう。これは生まれてはじめての経験です。


元はコンビニだった
長野しか


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●朝井まかて著「先生のお庭番」を読む

 長崎の出島に暮らして博物学的研究にいそしんだ、F・シーボルトと彼に仕えた園丁、熊吉の物語。シーボルトはてっきりオランダ人と思われていたが、実はドイツ人。ということは、オランダ語は流ちょうではなかったのに、それを見抜ける日本人がいなかった。


江戸幕府は、長崎でのオランダ人の滞在を許可したが、出島という、ごく狭い土地に閉じ込めるかたちで認めただけなので、町で気楽に市民と交流する場面はなかった。よって、市民にとっては、紅毛碧眼の彼らは、動物園でのパンダのごとく、ものすごく好奇の目で見られたらしい。まったく、人種、文化の異なる人間だから、そう見られても仕方ない。


本書では、主にシーボルトの日本における植物採集と分類、育苗の話しが中心になるけど、これは朝井まかて先生、得意の分野だから筆はすいすいと進み、楽しげに書いてる・・と想像したくなるくらいです。
 この本を読んで一番楽しいのは、長崎の風景が目に浮かぶこと。昨年の春に、旅行で二日間、市内をウロウロしたので、記憶がよみがえりました。今も復元工事が続いてる出島のオランダ商館通りとか、なつかしい。さらに、本に「立山町の長崎奉行に引き立てられた」の文があれば、あ、あそこや、と、現在は県立博物館になっている、旧長崎奉行所が思い出されます。今にしておもえば、博物館で、もっとシーボルトの資料をよく見ておけばよかったと、後悔もしますが、ま、しゃーない。(2014年6月 徳間書店発行)


出島のオランダ商館の家並み。まだ工事が続いてる。
まかて



立派な博物館は、昔の長崎奉行所の敷地に建つ。
まかて


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●朝井まかて著「花競べ~向島なずな屋繁盛記~」を読む

 朝井さんの本を読むのは、これで3冊目。すべて江戸時代の物語で、すべて植物が絡む話しになっています。最初に読んだ「すかたん」では、田辺大根ほか、なにわの野菜がテーマ。二冊目の上記「先生のお庭番」はシーボルトが愛した日本の樹木や草花、そして、この本では「花師」という、品種改良を含めた、フラワーデザイナー的職人が主人公になっています。大好きな花や樹木の知識がメシの種になっているなんて、幸せな作家ではありませんか。


しかし、植物ネタで話を盛り上げるのはなかなか難しい。咲いた、枯れた、だけでは売り物にならない。そこで、本書では、ムラサキシキブとソメイヨシノのネーミングにまつわるネタをつくって話を膨らませている。本書では、ソメイヨシノの「吉野」は吉原の花魁の名前だというフィクションになっている。


巻末の「あとがき」を読んで驚いたのは、本書が文壇デビュー作品であること。一発目から、こんなにこなれた文章が書けるのかと感心しました。江戸時代の話なので歴史の蘊蓄も必要だから、猛勉強されたのでせう。これで「小説現代新人賞」を受賞した。そして2014年は「恋歌」で」直木賞というメジャーな賞を獲て文壇入り、大出世だと言えます。
 著者経歴を読むと、朝井さんは大阪文学学校で学んだとあります。これで、本校は芥川賞、直木賞、両方の作家を輩出したことになり、ブランド価値を高めることに貢献しました。なお「まかて」という変わった名前は、当人の沖縄出身の祖母のなまえを借りたということです。ご当人は大阪府羽曳野市出身。(2011年12月 講談社発行)


大阪文学学校のHP
http://www.osaka-bungaku.or.jp/

makate 


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アジア ウオッチング



●3,000を割るか?・・上海総合指数

 年初からドタバタしている上海の株価指数、今日、11日は 3,016.70 (前日比-169.71(-5.33%))で、3,000スレスレまで落ちた。明日、3、000を割れば、昨年9月以来の数字で、投資家の心理は一段と冷え込みそう。5月の5,166は夢のような高値でした。合掌。


昨年秋の暴落により、中国政府が株価を支えるために投じた金は10兆円ともいわれるが、結局、効果はなかった。このようなボロ隠し投資や元安のせいで、たんまりため込んでいた外貨がドスドスと減っていく。このタイミングでAIIBが正式に発足して、こちらにも大量の資金がいる。中国政府の金庫が満タンだったのも早晩、語りぐさになりそうです。


ニモカカワラズ、昨日も今日も、爆買いの中国人が日本の巷にあふれているのはどうしてなのか。駄目男が考える一番単純な答えは危険情報が行き渡っていないからではないか。
 爆買いにくる皆さんも金持ちではあるが、いわば「B級金持ち」。年収10億とかの「A級金持ち」は爆買いなんかせず、もっぱら、資産を海外へ移すことに精を出す。(元をドルに変える)中国アブナイの危険情報はA級金持ちと党の幹部にしか伝わらず、B級金持ちは、通常の国内情報で景気を判断しているのではないか。むろん、ネットで外国から情報を仕入れることはできるが、大半の人はそれほど勉強熱心とは思えない。


そこで、日本の例でいう「山一証券倒産」レベルの事態が中国で起きたとき(中国では大手銀行や鉄鋼会社などの倒産)ワッとパニックが発生して、B級金持ちはハラホロヒレレレ・・、爆買いは一挙にストップ。それが2016年に起きるか? 専門家ならずとも興味大であります。さもなくば、金庫がスカスカになっていくのにたまりかねて、外貨の持ち出し制限をする。あってはならないことですが、絶無とはいえない。


中国の近未来については、悲観論、楽観論両方あって、いずれにも納得できる論拠があるけど、当の、中国の皆さんが「世間知らず」では困るのであります。

上海総合指数を見たい人はこちら・・・
http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=000001.SS&d=1d


上海指数 1月11日
上海指数 


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●満員御礼・・列車に人がてんこ盛り

 列車における満員乗車風景、これが極限ではないでせうか。バングラデシュはダッカでの風景ですが、日本では絶対に見られない満員ぶりです。これで時速60キロとかで走ったら、カーブで振り落とされる人がいるだろうから、のろのろ運転必至です。危険さもさることながら、みなさん切符は買ったのでせうか。なんだか、全員「タダノリ」みたいに思えるのですが。

引用記事・http://www.afpbb.com/articles/-/3036261?cx_part=ycd
1月11日 AFP・・バングラデシュの首都ダッカ(Dhaka)郊外のトンギ(Tongi)で9日から行われていたイスラム教徒の集会「ビッショ・イジュテマ(Biswa Ijtema)」が11日に終わり、帰路の列車は出席者ですし詰め状態になった。サウジアラビア・メッカ(Mecca)のハッジ(Hajj)に次いで世界第2の規模を誇るこのイスラム教徒集会には、神への祈りやイマム(イスラム教指導者)の言葉を聞きに世界中から信者が訪れる



この状態で列車を走らせるという判断が、日本人には理解不能でありますが・・
バングラ 



このとおり、ちゃんと走ってまっせえ~~
バングラ 


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●爆売れ「火花」に水をかける人たち

◆順番待ちが3,566人
 昨年夏に発売された「火花」は半年近くたった今でもベストセラーになっています。累計250万部はいきそう。売上げ30億円ナリ。
 一方、さらなる売上げ拡大を阻止してる人もいる。図書館で借りて読む人たちです。1月09日現在、大阪市立中央図書館における「火花」の予約者は3,566人。これに対する蔵書は95冊。この順番待ち人数の多さは昨年夏とかわらないので、大阪市内だけでも、何千人もの「買わずに読む」人がいることになります。嗚呼、ぐやじい~~、出版社は地団駄踏んで悔しがります。


何千人もの読書希望者に対して、95冊しか売れなかった。たまりませんねえ。そのタダ読みを図書館がサポートしてくれる。よって「火花」の読者は、のべ300万人を越えると思います。そのうちの2割方はタダ読みで楽しみます。出版社にとって、図書館は営業上の損得においてビミョーな存在であります。


◆ベストセラーは貸し出し規制を、という作家
 昨年、直木賞作家の朝井まかてさんは、図書館での講演会で、こんな発言をした。「地味な専門書、学術書はともかく、流行ものの文芸書は、図書館においては、出版後、せめて六ヶ月は購入、貸し出しをしないでほしい」と。これを図書館のホールで言ったのだから聴衆はびっくりした。そこまで言って委員会?。ま、大半の聴衆は反感を覚えたと思っています。


朝井さんの弁によると、一口に作家といっても、その収入格差はものすごくて、又吉さんのようなシンデレラ的ラッキーな人もいるけど、芥川賞、直木賞をとった作家でも、年収200万そこそこでプアな生活をしている人も多い。本が売れなければ収入ゼロは当然で、なのに、プライドは高いから、コンビニで働くわけにもいかない。で、ヨメさんの収入で細々暮らすはめになる、創作力が失われるというスパイラルに落ち込む。


出版社と作家の収入を確保するために、なんらかの規制を望む、という意見でありますが、読者にすれば「売れる本を出しなさいよ」の反応でおしまいになるでせう。そんなこといわれなくても、作家も、出版社も必死のパッチで考えているのですが、大ヒットは出にくいのが実情です。

◆止まらない「本離れ」
 文化庁の調査では、国民の約半分は、一ヶ月に一冊の本も読まないというデータがでました。ホンマか?と疑いたくなるけど、読書離れは年々進んで、スマホの普及や高齢化がこれを助長しているらしい。年に数冊の本も読まずにノホホンと生きてるなんて、自分には想像外だけど、それが、どないしてん、と言われたら、ままま、お好きなように、というしかない。


本は常に図書館で借りて読むという人が出版文化の隆盛に寄与しつつ、一方で、ちょびっと水をかける、足を引っ張る役目もしているのは残念だけど、全体からみれば微々たる問題かもしれない。・・にしても、なんか、良いアイデアはないものか。


参考資料
http://www.garbagenews.net/archives/2101334.html


駄目男式「火花」売上げの邪魔をする読書法
 芥川賞作品を掲載した月刊「文藝春秋」を買って、作品頁をナイフで切り取り、ホッチキスで綴じて製本?します。 自分が読むだけでなく、回覧もするので、かなり意地悪。書店、出版社の敵であります。これで約1万円の売上げを邪魔した。
出版不況


又吉さん、売上げの邪魔して、スビバセンね。
出版

出版物の売上げは年々下がり、昨年は1兆6千億円を切った。この金額は、パチンコ店最大手「マルハン」一社の売上げより少ない。
出版





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犬町・猫町情報

private


            2月号表紙 by ぽんさん


わんぱく京都 


         小さな手 大きな手 子供にかえれる雪の朝


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気ぜわしいけれど・・・
わんぱくお花見のご案内です
(担当 山本さん・辻さん)

京都・烟河(けぶりかわ)温泉   わんぱくプラン

 亀岡の西、湯の花温泉エリアにあるホテル。60日前に平日宿泊を予約すると3000円割引きになるので、アセって募集します。丹波の里山の春を満喫しましょう。(15名仮予約済み)

◆日程・・・4月6日(水)~7日(木
◆集合・・・阪急能勢電鉄 日生中央駅(宝塚線 川西能勢口乗り換え)  13時00分 (参加者が10名未満のときは15時00分集合)
◆ホテルまで・・送迎バスで約30分
◆宿泊費・・14800円~15800円+飲み物代
(1室3名利用 一人はエキストラベッド)
◆烟河(けぶりかわ)温泉 電話 0771-26-2345

◆二日目はお好みのプランで・・
◇保津川下り・・2時間 4100円
◇トロッコ列車・・25分 620円
◇ウオーキング・・七谷川さくら公園ほか
◇その他 京都水族館 など

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◆申込みについて
1月31日までに、電話・ファクスは山本さん、メールは梅本さんへお知らせ下さい。トロッコ列車を希望の方は、その旨もお知らせ下さい。(トロッコ列車も花見どきなので、早期の予約が必要です)

参加は最大15名までです。なお、1月17日、新世界の新年会でも受付します。

◆スケジュールの詳細は、参加人数が決まった時点で、再度、案内します。当プランは、山本さん、辻さん共催プランになります。7月の例会は休止になります。

◆ホテルのHPの案内はこちら・・・
http://www.oyadonet.com/keburikawa/



わんぱく 


わんぱく 


大阪日暮綴



●古本屋にマルチン・ルターの聖書

 久しぶりに天神橋筋の「天牛書店」に行くと、店のまん中にドテンとでっかい本が陳列してあります。マルチン・ルターがドイツ語に翻訳した聖書です。ものすごいボリュウムに圧倒され、本を読む、という雰囲気はありません。1725年版というから、印刷機が発明されてから300年くらい?経っており、いわば量産品といえます。


かさ高さはともかく、ヘブライ語の原典をドイツ語に翻訳する作業のしんどさ、いかばかりか。想像するだけで発狂しそうになります。翻訳をミスすると「神の教え」の内容、ニュアンスが変わってしまうこともあるので、責任重大です。もっとも、当時は「ここ、まちごーてるで」とチェックする人がいなかったことも考えられ、案外、ミスもあったりして・・。どうでせうか。


300年近くたつ古本ですが、印刷も製本もしっかりしていて、さわったらバラけるといったボロさではありません。これが売り物なのかどうか、聞きそびれましたが、貴重なる文化遺産にして、偉大なるお荷物、というのが凡人の見立てであります。


ルター


挿絵は精緻な銅板画
ルター 


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古本屋からの帰り、天満宮に寄ると「えびす祭」の賛助行事とかで、北新地のネエさんたちが集まっていました。北新地からここまで、人力車で行列してきたらしい。でも、境内は「合格祈願」に参る人がメインで、キレイどころなんか無視。まあ、仕方ないですね。


新地 


手水舎は昔のわき水を復活させたもので、天然水を汲み上げている。きれいさを表現するために、ガラスの積層によるオブジェで演出している。
新地 


境内の南側にある老舗の料亭「相生楼」その玄関脇に「川端康成はここで生まれた」の石碑がある。
新地 


新地




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閑人帳


●三十年前、三太郎の正月は・・

 下の作品は、昭和57年~61年ごろ、バブル景気時代のものですが、三太郎一家は相変わらず「貧乏性」を堅持しています。しかし、当時は「格差」という言葉も普及していなかったし、肯定的な「明るい貧乏性」に甘んじておれた時代だったかもしれません。


三太郎



三太郎 




三太郎 




三太郎 


引用元
http://www.j-cast.com/



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閑人帳



●映画「海難1890」鑑賞

 明治の中頃、トルコ軍艦が和歌山、大島前で大嵐のため遭難した。そのとき、地元の漁民が総出で救出活動にあたり、生存者を看護し、死者を丁寧に弔った。この不幸な事件が日本とトルコの親善、友好の礎になった。1985年、イラン、イラク戦争勃発にさいして、テヘランに取り残された日本人200人余をトルコ政府が、自国民より日本人優先の救援機を出し、全員無事に救出できた。95年後の「恩返し」であった。


という感動物語であります。しかし、事実をそのまま再現するだけでは地味な作品にしかならない。売上げを確保するためには作り話も加えてイロをつける必要がある。そのさじ加減が難しくて、監督と脚本家は苦労したでありませう。ええ加減に脚色するとトルコ国民の感情を害する恐れもある。さらに、1985年の日本人救出案件では、政府批判物語になる可能性が高い。そこのところをかいくぐって、四方丸くおさまる「感動物語」にしなければならない。いやはや、ご苦労様でした。


娯楽作品としてはよく出来た映画だと思います。政治的なことは知らん顔したのも良い。トルコでも大々的に宣伝し、全国で上映されるそうです。安倍総理もトルコの大統領も鑑賞したと、どこかに書いてありました。


イスタンブールから日本まで、一年近くかかっています。わずか2300トンの木造軍艦に600名もの乗員をのせての航海は、人も船もストレス溜まりまくりだったと思われます。何度も寄港して、燃料(石炭)、食料、水、その他の物資を補給しなければならない。船体も傷んでくる。
 実際、帰途につくときは船の修理を勧められたそうですが、断って出港した。一日でも早く故国へ帰りたいという気持ちゆえか、もしや、修理するお金のゆとりがなかったのか。航海に慣れたオランダ船などにくらべてハンディは大きかった。それが悲劇の下地になったかもしれない。
(1月5日 アポロシネマ)

映画の案内はこちら・・・
http://www.kainan1890.jp/



海難





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●三好範英著「ドイツリスク」を読む

 半年ほど前に、エマニュエル・トッド著「ドイツ帝国が世界を崩壊させる」を読んで、ドイツという国家のありように疑問や不満をもつ国、個人がけっこういることを知った。現在の日本人はドイツ国家やドイツ人に嫌悪感をもっておらず、お互い、良好な関係にあると思っているが、それはお人好しの誤解である。


著者は読売新聞の編集委員。ベルリン支局滞在も長かったから、知識層との交流からドイツ人の思想や倫理観について幅広く学ぶ事ができた。その結果、著者が抱いたドイツ人に対するイメージは「夢見る人」である。安易な言葉であるけれど、とても分かりやすいキーワードだ。(この言葉でドイツ人を表現したのはフィンランドの町長)要するに、ドイツ人の多くはリアリストではない。


著者が一番力を入れて書いているのが「原発・エネルギー問題」である。チェルノブイリ事故で放射能にさらされたドイツは、もともと反原発の思想が強かったが、2011年の福島原発の事故で「脱原発」政策を一気に加速させた。政府も国民も足並みをそろえて、脱原発、再生エネルギーへの転換をはかった。


原発憎し、の国民感情はドイツのメディアの煽りが大きく影響したと著者は云う。福島原発の事故に関しても、まるで朝日新聞のような怪しい情報をまき散らした。
 著者が集めた、新聞やTV情報の一部を紹介すると・・。

◆東京でも高い放射線量が測定された。通常より22倍、とNHKは報じている。多くの住民、特に女性と子供は、放射性雲の恐怖から、すでに南に向かっている。もし、放射能雲が東京まで流れてくるなら、4000万人の住民を襲うことになる。

◆消防隊による原子力建屋への放水作業について、日本には今でも天皇中心の忠誠心があると説き、消防隊員の活動は神風特攻隊の行為に匹敵すると報じた。

◆困難な状況のなか、原発に残って作業する東電職員を、多くの外国メディアは「フクシマ50」と讃えたが、ドイツのメディアは「彼らは、実はホームレス、外国人労働者、未成年労働者だ」と伝えた。

◆2年前の今日、福島で壊滅的な原爆事故が起きた。この大事故において、1万6000人が死亡し、2700人がまだ行方不明である。福島の原発事故は、原子力がいかに制御不能で、命に関わるものであるかを示した。

最後の項目の記事は、事故から2年後の報道だが、これを読むと、1万6000人の死者はすべて原発事故で死んだことになる。悪意むき出しの報道だ。


朝日新聞もビビるようなインチキ記事だが、これらの報道でドイツ人の対日感情は当然悪化した。日本政府がキッパリと脱原発を決めなかったことや、政府や駄目メディアによるええ加減な報道に操られる国民にも嫌悪感を抱く。その裏には「ドイツはこんなに頑張ってるのに」の思いがある。


では、ドイツは自慢できるほどエネルギーのクリーン化がすすんでいるのか。残念ながら、ドイツでは今でも原発が稼働している。2020年代はじめには全廃という計画があったが、結局、2040年まで延期された。いっぽう、2030年までに、自然エネルギーの比率を50%にする目標がある。最終的には80%の電力を自然エネルギーで賄う計画だ。


自然エネルギーによる発電の比率が高まれば、それをバックアップする発電所も増やさなければならない。原発を廃止すると、それは火力発電所が担うことになる。要するに、クリーンではない発電も増やさざるをえないことになる。現実に、ドイツでは総発電量の43%が石炭火力発電に頼っている。しかも、その多くは、二酸化炭素の多い、ドイツ国産の褐炭によるものだから、環境への悪影響という点では日本よりタチが悪い。おまけに、ドイツの電力料金はうなぎ登りで、10年余のあいだい2倍になり、国民に大きな不満が生じている。

(注)世間にはアホな人がいて、自然エネルギーの比率を増やせば、その分、原発や火力発電の比率を下げられると思ってる。実際は、自然エネを増やせば、火力発電も増やさねばならない。太陽光で100万kw発電すれば、100万kwの火力発電所も建設する必要がある。


これは本書以外からの情報だけど、電気代値上がりに悲鳴をあげたドイツの企業は、数年前、こんな企画をした。隣国のチェコに原発を作らせ、その安い電力で操業しようというものだ。チェコ産の電力だから、ドイツのエネルギー政策とは関係ない。原発廃止、自然エネ推進という国策に抵触せず、かつ、安い電気が使える。これって、世界を欺く詐欺ではないのか。(この企画は、チェコ側の採算の問題で立ち消えになった)


合理性という点では大きな疑問があるにも関わらず、ドイツ人の自然エネルギー賛歌は止まない。「夢見る人」と云われる由縁だ。
 EU問題、ロシア、中国への傾斜問題においても「夢見る人」が生み出す難儀な問題を提示しているが、とても複雑なテーマなので割愛します。日本人のなかには何かにつけて「ドイツを見習え」を言いたがる浅ましい人がいるが、本当は「ドイツ人を警戒しろ」でありませう。
(2015年9月 光文社発行)


doitu risuku




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大阪日暮綴



●人多すぎて売上げ伸びず・・初詣考

 あまりに運動不足なので、あたたかい今日、家から歩いて住吉大社へ初詣に。2,5キロ、40分ほどの適度な散歩コースになります。三日だから、もう空いてるだろうという予想は外れて大混雑、広い境内が人で埋め尽くされています。警官とガードマンが、押すな、止まるな、と 必死の警備です。


住吉大社は参詣路がたくさんあって自由歩行にすると事故が起きかねないため、一方通行にしています。このため、裏門(東門)から入ると、えらく遠回りになります。ようやく社殿にたどり着きましたが、四つある社殿のうち、一番人気?の第一本宮は人が多すぎて、賽銭を入れる前列まで進めません。で、諦めて引き返してしまいます。
 もし、ほどほどの混雑なら、参拝者すべての人が前列まで進んでお祈りをし、お賽銭を入れるでせう。しかし、今日のように押し合いへし合いで人の流れが妨げられると、参詣者の多い割りには、お祈りもできず、お賽銭も入れられない人が多数になる。


神社にとって、本来、有り難いはずの人の多さが逆効果になってます。ゼニカネの話しに絞れば、人出が多いのに売上げはイマイチという残念なことになります。これを解決するため、社殿の何十メートルか手前から人の流れを整える通路を設定すれば、かなり改善できそうに思えるのですが、何か難しいことがあるのでせうか。


境内には恐らく数百軒の露店が出ていますが、一番人通りの多い道は混雑のために売上げが伸びないという感じでした。作るのに手間取る食べ物は、客が店前で立ち止まるのが困難なため売れないのです。さらに、立ち止まりが必要なゲームものの店は、素通りする客を見送るしかありません。嗚呼、もったいない。


で、通行人がばらけてる、ショバ代の安い道の露店のほうが繁盛しているのです。うまいこといかんもんや、と嘆いてる商人多々であります。警官、ガードマンの「危険です、止まらないで下さい」のスピーカー音がどれだけ恨めしく聞こえるか。ちょっと、同情したくなる場面でした。


貧乏性、駄目男は、神さまの加護を祈るよりは、このすごい人出でなんぼ金が動くねん、のほうに気が向きます。小正月までに延べ300万人が訪れ、境内で一人平均千円消費したら・・30億円! ムム、えらい金額になるではありませんか。日本中の神社の初詣の売上げは1000億になるやもしれない。(こういう統計はみたことがない)けっこうGDPに寄与しているのであります。


事故を避けるため、太鼓橋は一方通行です。
初詣


大混雑の社殿前
初


進化してます!

見世物小屋の進化・・お化け屋敷から「ゾンビ村」へ
初


ただの鯛焼きでは売れないと、こんなにグレードアップ
初




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●林芙美子著「放浪記」(原典版)を読む


◆原典版を読むべし
 図書館の棚から何気なく本書を取り出したら、原典版の「放浪記」で、これが読めたのはたいへんラッキーでした。それって、なんのこっちゃねん?・・実は「放浪記」には原典版と現代版があって、ほとんどの人は現代版、すなわち、新潮社の文庫本を読んでいるらしい。おなじ「放浪記」でも印象がまるで違う二種類が出版されているのです。


巻末で解説している森真弓はむろん原典版を強く推薦していて、234頁でこう述べている
「私は古書店で改造社版の放浪記(1930 昭和5年発行)の復刻版を手に入れ、驚いた。それは現在の文庫版とはまったく印象が違う。どう違うかはあとで述べるが、圧倒的に原典版の方が良い。なんと幼くて、なんとまっすぐで、なんとけなげで元気な現在形の本であろう。そこには社会の底に生きる若い不服従な女のほとばしりがある。それに比べると、文庫版の文章はなだらかで、取りすまして当たり前で、過去のお話になっていた」


戦前生まれの駄目男にとっては、原典版が旧かなづかいであるだけでもムフフであります。「放浪記」を読んだ人はたくさんおられるでせうが、機会あれば、この原典版も読んでみて下さい。
 内容は、行商人の娘であった著者の若き日の放浪生活を日記ふうに綴ったものでありますが、読者の胸に一番ひびくのは、その極貧生活の描写でありませう。樋口一葉「にごりえ」出版から30年以上経ち、文明文化大いに進歩発展していたのに、社会の底辺で生きる人の暮らしぶりは何ほどの向上もなかったことが窺えます。


◆青春時代は「苦しきことのみ多かりき」
 6畳一間の家賃が払えない、どころではない。今日食べる米がない、手元の金は二十銭、十銭、きりという日が続く。それを使い果たしたら、空腹を我慢するしかないない。(当時は、3畳、2畳の貸間もあった)

228頁の文を写すと・・
 
「私は五銭で駄菓子を五つ買ってくると、古雑誌を読みながらたべた。貧乏は恥じゃあないと云ったものの、五つの駄菓子は、しょせん私の胃袋を満たしてくれぬ。手を伸ばして押し入れを開けてみる。白菜の残りをつまみ、白いご飯の舌触りを空想する。何もない。漠々。涙が滲んでくる・・」


 かくして、林芙美子の青春時代は「住所不定・職業不詳」の時代だった。メインの行商のほかに、食堂の店員、カフェの女給、おもちゃ工場の工員、事務員・・転々として定着しない。事務員は大阪天満の毛布問屋の仕事だったが、すぐに飽きてやめてしまった。放浪エリアも九州から東京まで広範囲で、比較的長く住んだ尾道市は「文学散歩」という観光の対象になっている。


これらの放浪記のどこまでが真実、またはフィクションなのか気になるところでありますが、各地を転々とした足跡は大方裏付けが取れてるので、概ね事実だったと思われます。むしろ、次々と入れ替わる男関係のほうが怪しい。食うために体を売った、場面もあったかもしれない。


食うや食わずの苦難の時代を経て、雑誌の連載から出版社の目にふれることになり、1930年、改造社から本書が発行されると大ベストセラーになります。当時(昭和初期)で50万部売れたというから、住所不定、職業不詳女は一気に「女流文学者」に祭られたのです。
 一膳のメシさえ食えなかった逆境にあっても、日記や歌を書くのはやめなかった。何人もの、B級、C級男を渡りあるきつつも、上昇心を失わなかったタフな精神が僥倖をつかむモトになりました。


◆無類の旅好きだった
 放浪は止むをえぬ境遇によるものだったとしても、一カ所に定住することが最善の選択でもなかったらしい。文学者として成功をおさめたあとも、しょっちゅう旅行に出かけた。パリへ行くのはシベリア鉄道経由だったというから、男でもびびりそうなハードさです。
 その印象を小説やエッセイに生かしただけでなく、新聞社の従軍記者として戦地へ行くし、ついには陸軍の従軍記者として、ベトナム、シンガポール、ジャワ、スマトラなど戦闘地へも赴いた。女性の一人旅のリスクなんて全然気にしなかったらしい。


 当時の女流文学者は、インテリや実業家など「ええしの子」が普通で一人旅自体が御法度だったから、彼女は、作家にして変人とみられたでせう。旅好きといえば、与謝野晶子も全国各地へ旅しています。旅好きの第一条件「尻が軽いこと」においてツートップと言えます。(2004年 みすず書房発行)


放浪記



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閑人帳



あけまして おめでとうございます
  本年もご愛読のほどをお願い申しあげます


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●お気に入りをご紹介・・川柳「宙」の句集から

 Hさんもメンバーだった「宙」の句集を頂き、一読して「上手いなあ」と思った句を紹介します。なかなかお洒落な装丁の句集で、31名が各25句づつを掲載しています。これが第100号にして最後の句集とあって、みなさん、力作ぞろいですが、なぜか、代表者の挨拶文もなく、至ってシンプルな編集です。以下、駄目男のお気に入り集です。


もう寝てるきっと阪神負けている


クラクション鳴らされ少しへこんだ日


振りまいた笑顔回収しなければ


貧しいと貧しい世界しか見ない


平凡な空に飛行機突き刺さる


勾玉のかたちでうめく 痛いねん


哀しくて口いっぱいの豚饅頭


糸が切れやっと自由になるビーズ


舞姫のただ立っている停留所


一声を鳴いて愛犬こと切れる


丸くなろうと思ったことがなくて岩


 ひとくちに川柳といっても、思想や表現にはいろいろなスタイルがあるようで、サラリーマン川柳のような、笑いを取ることを第一義にする、わかりやすい川柳もあれば、シリアスドラマのワンシーンみたいな句や、これ以上はアカン、という、飛躍、抽象表現もあります。この句集を読んだ印象は後者のほうみたいです。「もう寝てるきっと阪神負けている」なんて分かりやすい作品は少数派でせう。「貧しいと貧しい世界しか見ない」は川柳というより箴言のような感じがする句です。


川柳 宙





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