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ウオーキング・観光



●GWの軽いウオーキングにどうぞ・・・

「斑鳩快道」ご案内(マップ送信します)

 昼から歩き始めても大丈夫という、斑鳩の散策コースをご案内。
4月24日に紹介した「藤ノ木古墳」の宝物を展示する文化財センターから、藤ノ木古墳~法隆寺~法輪寺~法起寺と斑鳩の三塔の景観をめでながら、里道を歩きます。約4,5キロの平坦路です。

法輪寺や法起寺は三重塔のロングショットのカッコ良さを楽しむために、一般観光客が歩かない道を選んでいます。法輪寺~法起寺までは、敢えて遠回りして田畑のなかの地道を歩くコースにしています。マイカーや観光バスでの観光では出会えない風景です。(写真参照)


しかし、三つの寺をすべて拝観すると、拝観料だけで1800円もいるので、有料拝観は法起寺だけにする、というケチプランもおすすめです。ご希望の方には地図を送信します。(約1メガ)紙地図が必要な方は その旨お知らせ下さい。FAXもOKです。 (5月末まで)


申込みは<快道メーカー>へ・・・
kai545@violin.ocn.ne.jp


■斑鳩文化財センター
http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/spot10/ikarugabunnkazaisennta.html

■法隆寺
http://www.horyuji.or.jp/

■法輪寺
http://www1.kcn.ne.jp/~horinji/

■法起寺
http://www.horyuji.or.jp/hokiji.htm

■奈良交通
http://www.narakotsu.co.jp/



斑鳩文化財センター
斑鳩 



藤ノ木古墳
斑鳩 


土塀が多い西里の街並み
斑鳩 


法隆寺五重塔
斑鳩 


法輪寺三重塔
斑鳩 


法起寺三重塔
斑鳩 


この地図を送信します。(A4サイズ 約1メガ)
斑鳩縮小、マップ


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たまには外メシ



●京都・喫茶「築地」

 四条界隈には化石のような古い喫茶店が三軒あって、この「築地」と「ソワレ」「フランソア」のトリオ。同窓友人と立誠小学校で短編アニメ三本立てを見たあと、ここに寄りました。


木屋町通りと河原町通りを結ぶ細道に面し、目立たないけど繁盛するという有り難い立地。創業は昭和9年というから、駄目男の生まれる5年前です。内装はほぼ当時のままらしい。
 ここまで使い込むともう改装工事の発想も浮かばないだろうから、100周年まで頑張って維持してほしい。一番の心配は火災でせう。


四条通の南にある「フランソア」も昭和9年創業で同い年です。こちらは、喫茶店としては、国の登録有形文化財指定の第一号。このブランド価値だけで食っていけるのでは、と貧乏人はひがみ半分に想像してしまいます。スタバふう安直なカフェがはびこって純喫茶が絶滅しつつある今、化石のネウチ全開で悠々繁盛している稀な店です。


余談ながら、「築地」のネーミングは、創業者が俳優志願で、東京の
「築地小劇場」へのあこがれからつけたという。「フランソア」は、かの有名な画家、ジャン・フランソア・ミレーから拝借。



築地 



築地 



フランソアのインテリア(Wikiページから引用)
京都喫茶 築地

ウオーキング・観光


●藤ノ木古墳のお宝拝見

 奈良・斑鳩町役場の北にある「斑鳩文化財センター」を訪問、出土品のレプリカを見学しました。藤ノ木古墳から大量の副葬品が見つかったときは出土品の豪華さと被葬者の推定が大きな話題になりました。
 その後、橿原考古学研究所付属博物館でレプリカや複製品の展示があって、現物を見たときは古代人のハイテク、デザインセンスの素晴らしさに驚いたものです。


この斑鳩文化財センターは平成22年に開館したもので、通常はレプリカのみを無料で公開展示しています。よって、写真撮影は自由です。
 レプリカとはいえ、そのワザの見事さは「ようここまでソックリに作れるなあ」と感心します。この世界にも我々が知らない「秘めたるワザ」がたくさんあるのでせう。カタチがそっくりだけでなく、耐久性も必要なので映画や芝居の小道具をつくる技術よりはるかに高度なはずです。


ここから北へ3分ほど歩いたところに、公園ふうに整備された藤ノ木古墳があり、ガラス越しに羨道をのぞき見できます。(暗くてよく見えないが)古墳から東へ行くと西里の古風な街並みを抜けて法隆寺まで徒歩十数分。古墳見学だけでは物足りないから、法隆寺~法輪寺~法起寺を巡るウオーキングコースマップをつくります。


斑鳩文化財センターの案内はこちら
http://www4.kcn.ne.jp/~ikaru-i/spot10/ikarugabunnkazaisennta.html


石棺の複製品
藤ノ木古墳 


展示室
古墳


出土副葬品のレプリカ(本物は国宝に指定された)

馬具
古墳



古墳


刀剣
古墳


古墳の羨道を覗く
古墳


半畳雑木林


●芽出しトップバッターは想定外の「くるみ」

 道ばたや公園で拾った木の実、タネを蒔いて発芽、生長を愉しむ貧乏趣味「半畳雑木林」も今年で三年目です。発芽一番乗りは何の木か、楽しみにしていたところ、意外にも「くるみ」でした。


あんなに硬い殻が湿った土に埋めただけで、パカッと割れて芽を出すなんて想像しにくいので、たぶん発芽はしないだろうと思っていたのに、写真のように五割以上の率で芽を出しました。くるみはエライ(笑)。


くるみ




なんとか育ちそうな「ユーカリ」

 昨年の9月、イレギュラー的にタネを蒔いたら半月ほどで芽を出しました。しかし、冬は葉のみ成長して茎が太らず、ヘナヘナの虚弱児みたいで倒れそうになり、割り箸とヒモで「介護」したら、上向きに伸び始めました。このまま大きくなりそうな気がします。

ユーカリ 



ウオーキング・観光



●新緑萌ゆるとき

 桜が散り、新緑が一番美しい時節を迎えました。若葉の緑のグラデーションのきれいさは、いかなるカメラも画家も再現できない、デリケートな緑のハーモニー。毎年おなじ風景が繰り返されてるのに、毎年感動します。下の写真は、奈良の大和民俗園と子供の森の風景(4月19日)


村田ハイキング 



村田ハイキング 


ウオーキング・観光



●富山へ日帰り欲張り旅行(その3)


■松川の夜桜見物

 本日(4月9日)が富山市の満開日とネットで確かめて出かけました。町の中心部、県庁や市役所があるビル街に花見の名所があります。「日本さくらの名所百選」に選ばれてるそうです。大阪の大川端の花見風景をうんと圧縮した感じ。川幅は京都の山科疎水と同じくらいです。


桜は樹齢100年近い老木が多く、間隔も狭いのでボリュウム感たっぷりです。今日は平日なのでオフイス街から繰り出したサラリーマングループがしっかり場所取りして宴会。ブルーシートの上にダークスーツの面々、なんだかなあ、の光景であります。新入社員が自己紹介している場面もあって、当人には大変な緊張シーンです。楽しいどころか、逃げて帰りたい人もいるはず。でも、ここでは毎年繰り返される定番風景なんでせう。


日が落ちるとライトアップされて余計なモノが見えなくなり、なかなかいい雰囲気です。夜店も10軒くらい出ていて呼び込みに必死、まあ、どこにでもある風景ですが。
 さうだ、家へ帰らなくては・・。そこらへんの居酒屋へ立ち寄りたいところ、我慢して富山駅へ。昼メシはコンビニおにぎりとあんぱん一個だったので「鱒寿司」と若鶴酒造「苗加屋」(砺波市)を買って19時56分発のサンダーバード最終列車に乗ります。ケチな発想ながら、十分中身の濃い日帰り旅ができました。(交通費約14000円=ジパング利用)



夜桜 

  

夕映えの水面
夜桜 




準備完了、みんなの来る前にグイッと・・。
夜桜 




貸し切りの遊覧船もあります。メニューはすき焼きらしい。
夜桜 




照明の色によって花の色が違って見えます。
夜桜 



そろそろ帰らなくては・・・ 。富山駅まで歩いて15分で行けます。
夜桜 





ウオーキング・観光



●富山へ日帰り欲張り旅行(その2)


■富山の美術館めぐり


 ありがたいことに、富山駅前を起点に「ぐるりんバス」というミュージアアム巡りの無料バスがあり、これを利用しました。玄関から玄関まで運んでくれるので大助かりです。富山市も粋なサービスしますねえ。


富山県立近代美術館
 企画展はパスして常設展を鑑賞。洋画ではルオーあたりから現代までの作品が結構充実しています。数点のピカソ作品や駄目男が好きだった、ルネ・マグリットやポール・デルヴォーの作品もあります。「現代」のコーナーには申し合わせたようにA・ウオーホルのマリリン・モンローのリトグラフがあって、世界中で何枚売れたんやろとヒットぶりに感心します。正直、もう見飽きたの感も否めない。


シャガールやミロ、マチス、クレー、ロートレックなどもあり、別室には北欧家具のコレクションもあって楽しい。これらを200円で鑑賞できるのだからローカル美術館巡りがやめられない。


富山の市電にはこんなお洒落なデザインの車両もあります。200円。
富山美術館 



近代美術館。まだ築年数が浅いのに、耐震性能云々などで別の場所に建て替える計画があります。もったいない。
富山 



ピカソ「肘掛け椅子の女」1923年作
富山作品 
ポール・デルヴォー「夜の汽車」1947年作

作品 



ロートレック「座る女道化師」1896年作 (リトグラフ)

作品



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富山県水墨美術館
 神通川のほとりの広大な敷地に瓦葺き平屋建ての本館。庭のしだれ桜が満開でこれも絵になります。近代美術館よりずっとビジターが多いのは、この素晴らしいロケーションのせいでせう。
 企画展は・・と伺うと、なんと「西宮大谷記念美術館コレクション展」です。へえ~、なんの因果でこの巡り合わせか、とパンフを見ると、コレクターの大谷氏が富山県小矢部市出身なのでした。ナットク。


・・というわけで、おなじみの名作のおさらい鑑賞になりました。それにしても、作品のラインナップのゴージャスさには感心します。伊東深水、上村松園、横山大観、小林古径、小倉遊亀、川合玉堂、橋本関雪、奥村土牛、福田平八郎・・有名ブランド勢揃いです。別室には砺波市出身の下保昭作品の展示室もあり、ダイナミックな墨絵が楽しめます。


時間を食って閉館間際になり、館内のカフェの最後の客になって珈琲タイム。これだけ充実した内容ゆえ、富山のファンの満足度は大きいでせう。むろん、駄目男も大満足です。


広い庭園と展示館
富山 



ここでも桜が満開でした。
富山 



ロビーからの眺め。桜並木は神通川堤防の並木。
富山 




伊東深水「吹雪」1946年作
作品 



山元春挙「雪渓遊鹿図」1926年作


作品 



小倉遊亀「赤絵鉢」  作品はすべて絵はがきをコピーしたもの。
作品 



忙中の閑。このあと市電に乗って松川べりの夜桜見物へ。
富山



ウオーキング・観光



●富山へ日帰り欲張り旅行(その1)

 本当は一泊二日で行きたいところ、お金がないので宿泊費をけちり、日帰りプランで実施。往復特急利用で、大阪駅発7時09分、同帰着23時12分。帰宅はちょうど0時になりました。おかげで、日帰りなのに現地で9時間のフリータイムがとれ、これを生かして

■雪山展望ウオーキング 
■美術館めぐり 
■松川の夜桜見物 

 を楽しもうという厚かましいスケジュールです。往復700キロ、在来線での日帰り旅行ではこれくらいがリミットかもしれません。三回に分けてアップします。


■雪山展望ウオーキング
 桜の向こうに雪の山・・京阪神では見られない花見風景を求めて今年は富山駅から電車で30分ほどの上市町へ。JR富山駅は来春の新幹線開業をめざして大改築工事中です。このため、駅ヨコの富山地方鉄道への乗り換え通路がえらく遠回りになっていて、あわてて駆けつけたら行き先を間違えて乗ってしまい、30分のタイムロス。もったいない。


上市は立山連峰の北麓の小さな町で、剱岳が真正面に見えます。これをウリにしていて「JAアルプス農協」とか「ふれあいセンター アルプス」とか「アルプスの湯」とか、施設名はアルプスだらけです。


 剱岳へ登る人はこの町から川沿いに馬場島というところに行き、ここをベースに登るのが一般コースとか。駅には観光案内所もあるけど、観光客は皆無です。上市川沿いの道を散歩すると、まだたっぷり雪をかぶった峰々が連なり、里には桜が満開という風景がとても魅力的です。高い電車チン使った甲斐があります。ただ、肝心の剱岳にモヤがかかってクリアに見えなかったのが残念でした。カメラファンや写生ファンにはなかなか魅力的なところといえます。


上市川から見る立山連峰。大猫山、猫又山あたりらしい(不詳)
アルプス 



大日岳(右)と奥大日岳(左)
アルプス




桜の向こうに雪の山・・京阪神では見られない風景です(大日岳)
アルプス 



上市川堤防の桜並木
アルプス 



富山地方鉄道は,映画「RAILWAYS」の舞台になったローカル線。映画はヒットした?けど、乗客が増えたわけでもなさそうで・・。平日昼間の超閑散ぶりは「あ、あした倒産するんちゃうか?」と心配になるほどです。写真は上市駅駅舎にて。

アルプス 



車両はあちこちの私鉄のお古を買い集めて使ってるらしく、デザインもカラーもばらばら。上市駅に留置してあった車両は、よく見るとドアがプラットホームより低いのでびっくり。本当に使ったらえらく危険です。この写真の車両は問題ありません。
アルプス 




読書と音楽の愉しみ



●こんな歌番組があったのか

 昨年の秋からイヤイヤBS契約して料金を払っているものの、かいもく見ない。これでは全くお金の無駄遣いなので、貧乏性も蠢いて、ようやく、チョコチョコBSボタンを押すようになったが、新聞の番組表を見るのが面倒で、どこで何の番組やってるのか分からない。


昨夜、なにげにBSボタンを押したらコーラスが聞こえて、歌はなつかしい西田佐知子の「コーヒールンバ」だった。たしか、昭和30年代のナツメロであります。とても気持ちのいいコーラスに聞こえたのは、発声やハーモニーの正確さから、グループは音大出身のメンバーに違いない。古くさい歌謡曲もこんなふうにアレンジすれば十分鑑賞に値する、楽しい、と自分は思ったけど、他人はどうなのか。


日本では、歌謡曲の大半は「歌手の持ち歌」として作詞、作曲され、歌と歌手はワンセットで売り出される。歌の中身と歌手のキャラクターが一体であることで人気を得る。「コーヒールンバ」は西田佐知子が歌うことで商品になっている。都はるみが歌ってもサマにならない。


この番組で聴いたコーラス版歌謡曲は、そんな業界の掟、不文律をクリアして、つまり、本来の歌手のキャラクターを消してしまって別バージョンに加工している。これじゃ熱心な歌謡曲ファンにはウケないような気がするけど、どうでありませう。
 ・・なんてことを考えると、この企画を通すにはずいぶん苦労したやろなあ、とまた下世話こと想像してしまうのであります。つまり、スポンサー探しの苦労であります。自分がスポンサー企業の担当者だったら「んなもん、誰が見るねん」と取り合わなかったでせう。


前にも書いたが、歌謡曲を含めた音楽世界は「メロディ資源の枯渇」に大弱りの状態であります。ど演歌業界なんか、過去のメロディのパクリ、切り貼りでしか新曲を生み出せない。歌詞においても未だに港町や夜汽車が出てきて笑ってしまう。
 だったら、いっそうのこと旧製品をカッコヨク 再生して聴かせるのも良いではないか。その方法の一つとして、基礎訓練の行き届いたクラシック界の人材を使ってきれいなハーモニーで聴かせる。企画マンの狙いはこれだったのか。このアイデア、駄目男は賛成であります。
 と、書きながら、コーラスグループの名前も番組のタイトルも思い出せないのだから、えらそーなこと言えませんです。



コーラス 



コーラス


ウオーキング・観光



●春日・京都で等伯作品鑑賞を楽しむ   ~4月8日~

 安部龍太郎著「等伯」上下二巻をTさんから頂戴して読み終えると、小説に出て来る等伯作品を実際に見たくなった。幸い、京都の智積院と本法寺に国宝、重文の傑作があり、公開されているので、桜見納めという暖かい日に出かける。同行は、Iさん、Mさん、Yさんの3名。


■智積院
智積院の宝蔵庫に展示されてる等伯の「楓図」と息子の久蔵の「桜図」はなどいずれも国宝。 今は大きなガラスケースの向こうに収まっているけど、これらの絵が完成したときは寺の本堂や書院に何十面もの襖や壁に連続作品として描かれ、部屋を囲んでいたのだからどんなに華やかだったか。秀吉や貴族の面々も、ひょっとしたらこれらの絵に「位負け」したのではないかと想像してしまいます。


遠近法の概念がなかった日本画の世界は、襖絵のような画面では構図のバランスが優先されて、描かれる樹木や花のサイズは堂々とアンバランスに描かれているのが面白い。自然描写のリアリティより「パッと見たときのカッコ良さ」が大事らしい。鑑賞者もなんとも思わなかったのかもしれない。

それにしても、400年を経た今は汚れや変色、剥落でずいぶん画面が劣化しており、鑑賞者の多くは「なんとかしなくちゃ」と思ってるでせう。


■妙蓮院
 堀川通り近くの住宅街にある寺で、等伯グループが描いた「鉾杉図」が公開されています。杉の形を三角形に抽象表現していて、とても新鮮な発想。よくもこんな題材を選び、こんなカタチにデザインしたもんだと思う。依頼主からクレームが出なかったのだろうか、と余計な心配をする駄目男でした。別の部屋にある昭和の作品「春の野」(幸野豊一作品)のほうが古めかしく見えたくらいです。これも傷みがはげしい。


■本法寺
 堀川通り東側、茶道会館や裏千家家元宅が近い、日蓮宗本山の寺。ここでの見物は等伯作の「大涅槃図」です。文字通り特大でタテ10m、ヨコ6mもあり、ゆえに、これを展示するための専用の建物に収められています。作品の上部を鑑賞するために「2階展望室」が用意されてます。また、表装も別仕立てではなく、作品画面の四周に手描きで表装ふうに描かれた、ものすごく手間のかかった作品です。


お釈迦様を描いた「涅槃図」はいろんな画家が自分流の表現をしていて個性が楽しめますが、この等伯の涅槃図はまずビッグサイズに圧倒され、ディティールでは、悲嘆にくれる人々の仕草、表情も見飽きない。人間だけでなく、馬や蛇や犬までが嘆き悲しんでいる。等伯自身も画面の端っこのほうにいて、みすぼらしい姿で悲しみにくれている。


涅槃図の難儀なところは、こちらを向いて横たわるお釈迦さまに対面する「送り人」たちはみんな背中しか描けないこと。ゆえに、みなさん、お釈迦様の背中側に並んでいるけど、やはりおかしい。等伯は「動物なら横向きに描いても失礼にならない」と考えてこんな構図にしたのではないかと、勝手に想像する駄目男でした。(4月16日からはレプリカを展示)


400年前のアート業界は狩野永徳を頭とする狩野派が注文を独占しており、これをゼネコンにたとえるなら長谷川等伯は「町の工務店」レベルだった。そこをなんとか・・と長谷川社長は営業に走りまわるが、結局 ゼネコンにはなれなかった。逆に、たびたび不運や非業に見舞われ、幸せなアーティストライフといえるのは数年しかなかったかもしれない。しかし、度重なる不幸がこの「涅槃図」の発想と制作の動機にもなった。


 「でっかいなあ」「よう描けてるなあ」は普通の感想。等伯本を読んだ人はもう少し等伯の人生に寄り添って、一片の悲しみとともに鑑賞できる。等伯センセ、安部センセ、Tさんに感謝。



桜満開の智積院山門 
智積院2  



国宝「桜図」等伯の息子、久蔵の作品
桜図  



ランチは久しぶりに京大「カンフォーラ」で。780円ナリ。
等伯 



妙連院「十六羅漢の庭」
等伯 



涅槃図全景 朝日新聞デジタル版より
涅槃図

 


涅槃図の下部 動物も悲しんでいる
涅槃図 




読書と音楽の愉しみ



●狩野博幸著「江戸絵画の不都合な真実」を読む

 こんな地味な本、誰が読むねん、と思って手にしてみたら、いやもう十分に面白い。読んでヨカッタと得した気分にりました。
 とはいっても、絵画に興味の無い人なら一頁読んで退屈してしまうシロモノでもあります。江戸時代の著名な絵師の人物像を著者独自の観点と評価で著しており、世に流布している「定説」 にイチャモンをつけたる、という意図があります。      


まな板に載せられたのは、岩佐又兵衛、英一蝶、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪、岸駒、葛飾北斎、東洲斎写楽、の八名。
 まず、ファンの数ではトップかもしれない伊藤若冲について、定説の人物像は「京都錦小路の青物屋の主人だったが、画業に専念するため、家督を弟にゆずって・・」です。好きな絵を描くために商売をさぼり、人付き合いもせず、とまるでお絵描きオタクみたいに言われています。


しかし、それは違うと著者は述べる。確かに商売からは手を引いたが、五十歳ごろのとき、市場の運営に関して奉行所から利権がらみの嫌がらせを受けたとき、若冲は町会の世話人として率先して難儀な交渉役を引き受けた。要するに政治的駆け引きに活動し、なんとか丸く収めることに成功した。決して毎日絵描き三昧に耽っていたのではないと。


次に曽我蕭白(しょうはく) 若冲とほぼ同時代の人でありますが、作品を見る限り、御しがたい奇人、変人では、というイメージを抱いてしまう。普通に伝統的な絵も描くが、派閥や形式にとらわれない、自由な発想で見る者の眼が点になるような作品を描いた。本当は変人ぶった教養人だったかもしれない。


上記八人の絵師のうち、存命中にうんと世間に嫌われたのが長沢芦雪と岸駒(がんく)の二人。長沢芦雪は円山応挙の高弟で腕前の達者さにおいては何の問題もないが、彼の「自慢しい」に世人は辟易したらしい。彼は絵師には珍しく武士の家系に育った。といっても大した筋ではないのに、事あれば「武士の出」をひけらかし、上から目線で物を言う。作品の出来映えとは関係ないのに「先祖は・・」といって町人に嫌われた。


岸駒はがめつさで嫌われた。依頼主が金持ちとみると法外な制作費を要求した。しかし、それでは注文が逃げてしまう。なので、上げたり下げたり、相手を見透かしては値段を変えた。このアコギな態度は当然嫌われた。優れた有名絵師ではあるが、金に汚いという評判は都で「定評」になっていたという。


かように嫌われたのだから仕事が取れず、作品が残らなかったのかと言えば無論そんなことはない。傑作がたくさん残っている。つまり、イヤミな野郎だと嫌われながら注文がとれた。描かれた作品にイヤミがあるはずもなく、立派な芸術品である。こんな伝記を知って、だから長沢芦雪の作品なんか見たくないという人はいない。人柄が良くてヘタな人の作品が淘汰されるだけのことだ。


東洲斎写楽の正体は斎藤十郎兵衛なり
 昨年9月7日、このブログで島田荘司著「写楽・閉じた国の幻」という本を紹介しました。この本では、写楽の正体はオランダ人外交官という説で謎ときを試みていました。しかし、本書で著者、狩野博幸氏は写楽は斎藤十郎兵衛なりと断定しています。他の説はゴミ扱い、江戸の文化史に精通していない作家や学者が、あーだ、こーだと自説を開陳するなんてちゃんちゃらおかしいというわけです。さよか、すんまへんな。


写楽の正体はこの男だと候補に挙げられた人物は、昭和20年以後だけでも20人を越えるそうだ。70年を経てようやく沈静化し、写楽=斎藤十郎兵衛説で落着するのか。でも、各説を唱えた人は簡単に引き下がらないでせう。あと数年はくすぶり続くかもしれない。


岩佐又兵衛の生涯も興味深い
 この人の父親が伊丹城主、荒木村重だったとは知りませんでした。信長に背いて失敗し、一家皆殺しにされるなか、かろうじて逃げ延びたものの、この惨劇が一生のトラウマになり、画面血だらけの復讐物語の絵巻物をつくる。
 又兵衛の子の一人が長谷川等伯の養子になったとか、歌舞伎、文楽でおなじみの「傾城反魂香」に出て来る「吃又」こと浮世又兵衛は彼のことだという話も興味深い。(2010年10月 筑摩書房発行)


曽我蕭白「蹴鞠寿老図」 一瞬、何を描いてるのかわからない絵に見えますが、仰向きの長頭にして禿頭を後ろから描いた絵です。今でいえば、サッカーのリフティングをやってる場面です。(左は部分拡大図)
江戸絵画 


江戸絵画