FC2ブログ

読書と音楽の愉しみ


●最近の演奏会から・・・

 好きな曲で、かつ、演奏の機会が少ない大曲を一週間に2回も聴けてとてもハッピー。こんなこと、もう二度とないかもしれない

■大フィル4月定期演奏会 ブルックナー「交響曲第9番」
 予定していたハウシルトが病気で、代わりにカール・アントン・リッケンバッヒャーという知らない指揮者が登場。大学教授みたいな風貌の人でありますが、師と仰いだ指揮者がオットー・クレンペラーというのだから相当の年齢であります。
 演奏は、書法でいえば「楷書」で、それでいいのでありますが、少々面白みに欠ける。こなれるほど経験がないのか、彼のスタイルなのか分からないが、表情豊かとはいいがたい音作り。でも、それはピンチヒッターにたいして望んではならないのかもしれない。技術的にはなんの遜色もなかった。残念なのは、曲が終わったとき、拍手をフライングした人が10人くらいいたこと。懲役5年の刑に処す。(4月19日 ザ・シンフォニーホール)

■第51回大阪国際フェスティバル
 大植英次指揮 マーラー「交響曲第2番 復活」
 新しくなったフェスティバルホール、この日が初見参でした。座席数は2700席で前と一緒。形もほぼ同じだが、ステージバックのタッパが前より1,5倍くらい高くなった感じで、音響の改善はこれの効果が大きいのではと察します。しかし、間口が広すぎること、定員が多すぎること、の自分の不満は旧来のままで、クラシックファンとしては好きになれない。エントランスやロビーのインテリアも、もう少し華やかさがほしい。ハレの場に来たという気分が湧かない。ロビーの雰囲気は、シンフォニーホールや西宮芸センのほうがずっと良い。

 設計者の言い分は、ステージバックの空間を大きくとったから、ロビーの面積が狭くなった、もともと敷地が狭いから仕方ないと・・言われそう。


 
さて、大植英次と大フィルによる「復活」は二度目で、最初は大植が朝比奈隆の後継者としてデビューした演奏会、ちょうど10年前になる。
 朝比奈サンの演奏で耳タコになってる、クソうるさいリスナー(自分もその一人)を背中にして、どれだけ大きなプレッシャーを感じたか。彼を選んだ大フィル事務局も祈るような思いで臨んだ演奏会だった。でもデビューは大成功。あの日の聴衆のコーフンぶりは今でも忘れない。


マーラー自身、ベートーベンの「第九」に負けない、凌いでみせると意気込んで必死のパッチで創作したこの曲、残念ながら、まだ「第九」の人気に追いついたとはとても言えない。「第九」サマサマの日本では永久に追いつけそうにないが、聴く人を感動させるという点では決してひけをとらない名曲であります。興味ある人は図書館でCD借りて試聴してみて下さいませ。


当夜の演奏のスローモーぶりは特筆に値すると思いますが、その分、細部まで弱音でもきっちり聞こえ、それゆえ「練習、大変やったやろなあ」と感心もする。他の指揮者だったら、ここまで求めないというフレーズがあちこちでありました。
 コーダでは、トランペットが8本、ホルンが11本で、これがfffで鳴らすのだから、広いホールもものすごい音圧であります。ほとんど座ったまま歌わされたコーラスもボリュウムダウンすることなく迫力満点の
シメとなりました。これをもって「人生最後の「復活」と言いたくはないが、演奏レベルでは、これ以上のものがあるかどうか・・怪しい。(4月26日 フェスティバルホール)


フェスティバルホール 1階エントランス
フェスティバルホール


一階席のロビー
ホール


朝日新聞社ビルは解体工事がはじまっている
ホール 

スポンサーサイト

読書と音楽の愉しみ


●井上理津子著「さいごの色街 飛田」を読む

 飛田新地の南奥「鯛よし百番」でメシを食べたことのある人は、往復の道すがら異様な光景を見て「ひえ~、えらいとこやなあ」と、見てはならぬものを見てしまったという気分になる。もう、とっくの昔に絶えたはずの色街の風景がゾンビのように蘇り・・いや、連綿と続いてるだけなんだけど・・。とにかく、これだけ堂々と売春ビジネスをやってるのは、日本中でこの飛田だけだそうであります。堂々と営業している証拠に、町内には交番所がある。なにをか言わんや、であります。


本書は大阪のおばちゃんルポライター、井上理津子さんが実に12年の歳月をかけて、必死のパッチで飛田のリアル世界に突撃した奮闘記であります。女子禁制の色街になんでおばちゃんが?・・これはもうライターの性というしかない。しかし、もし男のライターだったら暴力沙汰は免れなかったかも、と思えるヤバイ取材の連続だ。
 だからといって、おばちゃんが正義感や人権意識をモロにだしてワルを糾弾するといった感じの本でもない。「直ちに廃止せよ」なんて文言は一度も出てこない。結局、執筆動機は、人間の人間に対する果てしない興味のなせる業としか思えない。


はじめて知ったが、新地内の通りには愛称があって、北よりの通りから「青春通り」「かわい子ちゃん通り」「年増通り」「妖怪通り」「年金通り」となっていて、おねえさんたちが年代別に棲み分け、顧客に分かりやすくなっている。ということは「鯛よし百番」のある通りは「妖怪」または「年金」通りなのか。ただし、当地では、顧客が80歳のじいさんでも呼びかけは「兄ちゃん」であり、おねえさんは60歳代でも「おねえさん」逆に、曳き子は50歳でも「おばさん」という呼称が決まりになっている。
 ある日、著者は「え?ナニコレ!」という場面を目撃する。●●苑と書いた老人ホームのマイクロバスが到着し、ジャージー姿、よろよろ歩きのじいさんたちが店へ吸い込まれたのである。西成界隈では生活保護費をパチンコに使うことが非難されているが、買春に使ってる可能性も当然ある。


飛田新地が事件を起こして世間に知られることが無いのは、伝統の明朗会計システムのためだと言われる。相場は30分コースで21000円。このうち1000円は消費税というのが笑わせる。しかし、冗談でもイチビリでもなく、業態のタテマエは「料亭」なのだ。だから消費税は正当に請求できると。これは標準価格で、マルビの顧客のためには15分で1万円というコースもある。15分や30分で酒なんか飲んでる時間あるわけないから、160軒もの「料亭」があるのに、酒の売り上げはさっぱり・・というのが地元酒屋さんの嘆きであります。


売り上げの配分はどうなのか。飛田では、経営者4、おねえさん5,曳き手おばさん1が普通らしい。一日に3人の客をとれば、おねえさんの収入は3万円になるが、これは表向き、実際はいろんな名目の「経費」でさっ引かれる。おねえさんの多くはモロモロの事情で「前借」のある身なので、稼ぐことイコール借金の返済でしかない。一度この世界に落ちたら抜け出せないのは、おねえさんたちの無知、無教養と経営者のずる賢さのせいだと言ってもよい・・と書けば、みんなワル揃いのように思えるが、なかには救済の姿勢で雇う人もいるから複雑である。


著者が一番関心があったのは、おねえさんたちの身上である。しかし、取材に応じてくれる人はいない。100%暗い過去を背負って、世を忍んで生きてる女性ばかりだから仕方ない。しかし、そこをなんとか・・とアプローチに努力し、数人おねえさんと経営者から話を聞くことができた。これに執着して12年を要したのかもしれない。最後に出て来る岡山の女性はわずか150万円の借金のために飛田へ売られた。彼女を「買った」女性経営者の人生観がすさまじい。まるで鬼である。裏社会で辛酸をなめ尽くし、飛田社会でのシノギを極めたような、えげつないオバチャンだが、99%鬼なのに、1%は彼女を救うのは自分しかいないという仏心が湧いて、鬼オバチャンにも葛藤が起きる。


・・というあんばいで、12年を費やした取材のあれこれが300頁に詰まっている。これがヤミ社会告発の本だったらメディアでも話題になったかもしれないが、あくまでもルポとして書いたというのが著者の姿勢であります。飛田ビジネス同様に、著者も「あうんの呼吸」でこの社会を
見ている。よって、けふも飛田は平穏にアウトロービジネスで稼いでいるのであります。(2011年10月 筑摩書房発行)


戦前は「一見さんお断り」の高級遊郭だったという「鯛よし百番」インテリアの悪趣味コテコテデザインが評価されて、国登録有形文化財に指定された珍しい例。
百番

店のHPはこちら・・・
http://r.gnavi.co.jp/k069800/

ウオーキング・観光


●舞洲に200万輪のゆり園ができる・・

 此花区舞洲の西端の海際に「ゆり園」ができます。ずっと荒れ地のままでしたが、ようやく美しい海岸風景が見られそうです。
 チラシによると、開園は6月1日から7月7日まで。入園料は大人1000円。なかなか強気の料金だけど、チラシの写真のイメージ通りのかっこいい風景になれば人気が出ると思います。。


主催は「ピーエスジェイコーポレーション」という、イベント企画会社。河内長野に本社があり、スキー場のシーズンオフでの観光事業などを手がける会社らしい。舞洲の海辺を花いっぱいにして楽しんでもらおうという意欲的な企画ですが、運営はたいへんでは、と他人事ながら心配してしまいます。空き地だらけの場所だから、駐車場は簡単につくれるけど、その他の施設はすべて仮設でまかなわなければならない。

 水道がないから、食事の提供やトイレはどうするのか、といった基本的なことからクリアせねばならない。敷地内で弁当を使ってもらうなら、ベンチや日よけテントを大量に用意する必要がある・・等々。
 まあ、その道のプロがやるのだから、みんな杞憂に終わるのでせうが、美しい花園づくりの裏側の苦労多々であります。舞洲を売り出す絶好の機会になるので、しっかり利益を挙げて、来年以後も続けてほしい。


■開花状況などの情報はこちらから・・・
http://yurien.com/


チラシのイメージ写真
舞洲 


約5万㎡の敷地がユリで埋め尽くされる・・苗は植え付け済み
舞洲ゆり園 


敷地の東隣の海岸風景。何度もここで紹介したけど、大阪市内とは思えない風景です。 GWはここでのんびり・・も一興。
舞洲

ウオーキング・観光


●京都御所で名残の花見

 三日前の春の嵐で桜は全部散ってしまった・・と思い込んで京都御所へ出かけると、意外や満開。しだれ桜、八重桜をベストタイミングで見ることができました。また、二日前なら御所の一般公開で大混雑したところ、今日は閑散としているのがラッキー。天気も最高。

 歩きのネタに困ったら御所へ・・がなんとなくセオリーになっていますが、いつ行ってもハズレのない、楽しい散歩コースです。(4月9日)


御所 


御所桜 


御所

たまには外メシ


●春宵一献、脳を一撃「TOMATIN 2005」

 バー・ゴールウエイさん、ライブの日、以前に飲んで美味しかったTOMATINの新製品が入ったというので「ほな、ロックで」と注文。
 一口飲んで「ぐえっ、きつ~~」経験したことのない強烈なシゲキ。喉がひりつきます。マスターあわてて「あ、それ60,3度ですねん」「それを先に言わんかい、フガフガ」これの前にアブサンの水割りを飲んでたので、ようまわります。
 自称下戸がこんなんで委員会?としみじみハンセーするのでありました。日本には1200本しか入らなかったレアものらしいけど、いっぺん飲んで納得です。これをストレートで飲むオッサンは、喉と胃袋ががステンレスでできているに違いない。


ゴールウエイ 

ウオーキング・観光


●これはグッドアイデア「福よせ雛」 ~郡上八幡~

 もう一ヶ月も季節おくれになってしまったけど「ひな祭り」の楽しい情報です。ひな人形の古くなったものは、特別に上等なものはともかく、いずれは不要品として処分される運命にあります。
 なんとか活用できないか・・名古屋市の吉野孝子さんは、ミニチュア人形の衣装を古裂でつくる工房の主ですが、お雛さまを現代人に変身させるというトンデモ案を思いついた。宮中の雅なくらしの男女が、衣装のイメージは元のまま、庶民とかスポーツ選手になったら・・すばらしいアイデアです。


これを岐阜県郡上八幡の古い街並みで展示したところ大好評。お店は店先を提供するだけでなく、吉野さんの指導で自ら人形づくりもするので、作りがい、見せがい、両方楽しめ、見物の人とも会話が生まれます。従来の方法で、ただきれいに飾るだけとは大違いです。第一、捨てられる運命の人形たちが「第二の人生」を送れることになっただけでも大ハピーというもの、雛飾り行事の革新です。もちろん、従来の伝統的な雛飾りもきちんと展示されています。


変わり雛や変わり羽子板など、時流を表した展示用の品は従来もありましたが、発想、表現の面白さ、テクニックではこの「福よせ雛」が断然面白い。自分もつくってみたいと思う人、増えるのではないでせうか。


なでしこジャパンのサッカー試合。スタンドも盛り上がってます。
福



■2~5枚目の写真は「回転翼日記」さんから転載させてもらいました
http://rotorblades.blog113.fc2.com/blog-entry-180.html 


刀や矢も金属ゴミだって・・
福よせ雛 



わ、落としてしもた~
 
福 



めがねや新聞のミニチュアも上手につくってあります
福 


なんか、シュールな感覚の「作品」 コーヒーはなんでつくったのか。福

 
 

読書と音楽の愉しみ


●森岡浩著「県別・名字ランキング事典」を読む

 3・11東北大震災のあと、新聞に掲載される犠牲者のお名前を何気にみていて感心したのは、佐藤さん、高橋さんの名前が非常に多いことだった。20人くらいのデータだと必ずどちらか、または両方のお名前が出ていた。東北3県には佐藤さんや高橋さんが多いに違いない。


で、今度この本を図書館で見つけたので、県別のランキングを見ると・・
 岩手県のベスト5は・・佐藤、佐々木、高橋、千葉、菊池
 宮城県のベスト5は・・佐藤高橋、鈴木、佐々木、阿部
 福島県のベスト5は・・佐藤、鈴木、渡辺、斎藤、遠藤、6位が高橋


関東から東北にかけては佐藤さんがすごく多くて、ここでのシェアが高いためか、日本全国のランキングでも堂々の1位であります。
 では、東京都のランキングは?と見ると、鈴木、佐藤、高橋、田中、小林の順です。大都会は人の出入りが激しいから、どの都市も顔ぶれはほとんど変わらないはず、と思って大阪を見ると・・
 ベスト5は、田中、山本、中村、吉田、松本の順でした。高橋さんは9位、佐藤さんは12位。けっこう変化があります。しかし、大阪、兵庫、京都、奈良の四府県を比べるとほとんど変わりません。井上、山田、橋本、藤原さんたちがこれに次いでいます。東京と大阪のいずれにもランクインしているのは田中さんだけです。


名字におけるローカルカラーの豊かな県はどこか・・沖縄県を除けば、宮崎県が一番かな、という感じです。
 ベスト5は・・黒木、甲斐、河野、日高、佐藤 となっています。黒木さんが一番多いなんて、ちょっと奇異な感じがしますね。佐藤さん、ここでもしぶとく登場しています。では、お隣の鹿児島県は?と見ると、ベスト5は、中村、山下、田中、前田、東(ひがし)の順でした。宮崎とぜんぜん違ってるではありませんか。佐藤さんは50位以下、へえ~~。

ちなみに、全国ランキングでは
■1位~10位
佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺、伊藤、山本、中村、小林、加藤

■11位~20位
吉田、山田、佐々木、山口、斎藤、松本、井上、木村、林、清水

■21位~30位
山崎、森、阿部、池田、橋本、山下、石川、中島、前田、藤田
(以下略)こうして見ると、納得できるランキングでありませう。


いったい、こんな難儀なデータをどうして調べたのか。著者によると「電話帳」だそうです。しかし、電話帳は年々薄くなり、とうとう消えてしまった。今後、再登場することはないだろうから、この本は将来、名字研究の大事な情報源になるでせう。(2009年10月 東京堂出版発行)
 

名字ランキング 

プチ・ケチの研究


●即席炒飯の素「鶏だし・ゆず胡椒」 ~グリコ~

 炒飯の素といえば永谷園の「五目炒飯の素」が売れ筋ではと思いますが、独占許すまじとグリコでもしみじみ研究を続けたのか、写真のような新製品を出しています。なんとか味で差異をつけようと、具材、たれの袋をセパレートし、先に具材を入れ、できあがり寸前にゆずの香りがするたれを加えます。これでなにやら味がグレードアップした感じになります。メーカーの皆さん、苦労してるんですねえ。


永谷園のシェアーに食い込むことができるでせうか。この手の商品は、売れないとわかると早々に生産中止になります。二年くらい前、ヒガシマルから出た「ソースめし」は駄目男のお気に入りだったのに、人気が出ず、あっさり撤退してしまいました。
 このグリコの商品は98円ですが、よく見ると「2袋」入りです。五目炒飯は3袋いりなので1,5倍割高。プチ・ケチに厳しい消費者にはこれがネックになるかもしれない。しかし、昨日スーパーへ行ったら棚になかったので、売れてるのかもしれないし・・。

ゆず炒飯