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たまには外メシ



●TOMATIN  ~DECADES~ の美味しさ

 今年は「グラハム 1980」というめっちゃ美味しいワインに出会えてシアワセでしたが、それを飲んだゴールウエイさんを久しぶり訪ねて出会ったのが標題のウイスキー。といっても、サービスで試しに一口なめただけ。その前に飲んだ竹鶴も十分に美味しくて満足だったのに、ムムム、これは、あの、その、へてから、ほら、さうか、こういふ味もあるのか、ンガガ。なんのこっちゃねん。


料理の美味しさを言葉で表すのも難しいけど、お酒はもっと難しい。だから「ウマイ」と一言のべて余計なことは言わないのがベターであります。しかし、それは素人であってプロには許されない。美味しさをいかに言語化するか、知恵や経験を総動員して伝えなければなりません。では「TOMATIN」の美味しさはどう説明されてるのか。東京のあるバーのマスターがブログに書いてる文をコピーすると・・・


「ダグラス・キャンベル氏が自分の勤続50年を記念して作り上げた逸品が、先日発売されました。自分で厳選した1967年、1976年、1984年、1990年、2005年のカスクを巧みにブレンド(メインは1990年らしい)し、それぞれの樽の個性と多彩な味わいを余すところ無く引き出した至高のウィスキーとなっています。円熟さとフレッシュさが一体となり、またシェリー樽やバーボン樽のベールをまとった原酒たちが絶妙なバランスで交わることで、深みのある味わいと若さ溢れる爽やかさが共存し、上手に主張し合っています。バーボン樽由来のバニラ香が立ち上がった後、桃や洋梨といった夏果物系のフルーティーな香りを感じられます。味わいはトロピカルフルーツやフルーツケーキのような爽やかな甘さの裏に見え隠れする、アニス、シナモン等の刺激的な味わいが印象的です。余韻は比較的短めですが、シェリー樽由来の重厚な甘みが感じられ、最後までいろいろな表情が楽しめます。」


「あの、その、ンガガ」では商売にならないのであります。ワインを評価するボキャブラリーもこれと同じ。日本酒はもう少しシンプルに語れそうに思うのですが、いや、そうではないという通がおられるかもしれない。


 
 平穏な大晦日。それでは皆様、酔いお年をお迎えくださいませ。


トーマティン

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読書と音楽の愉しみ


●人生最後の?「第九」鑑賞

 聴き飽きて10年くらい封印してきた「第九」。今回、大植英次が振るというので、これはパスすることもないやろと出かけた。人生最後かどうかは怪しいけど、大植さんの棒で聴くのはこれが最後になります。


彼のことだから、定食的な中身にしないはずと思っていたが、案の定、楽器の配置が定食に比べてヘン。ティンパニーが舞台右端、大太鼓が左端。トランペット、トロンボーンが右端、ホルンと木管が左端。セカンドVが指揮台右手で第一Vと向かいあっている。プログラムの解説では、大植氏が初演時の配置を研究、再現したものらしい。通常のように管楽器を中央にまとめるよりは「ステレオ」感が強調されて面白い。


合唱団はこのホールでは通常、舞台後ろの客席を使うが、それをせず、150人を舞台に載せたので、ステージは満員押しくら饅頭のありさま。また、通常は女声のほうが大巾に多いところ、今回は男声を増やして本来のバランスを持ち得た。ソリストはオール外国人。


1824年のウイーンの初演でどんな音がしたか。紙資料しか残っていないから想像するしかないけど、もろもろの事情で、今のアマオケの演奏よりヘタだったかもしれない。誰が聴いても感動するというハイレベルの演奏ができるまで、50年~100年くらいかかったのではないだろうか。
それは、演奏技術の問題だけではなくて、戦争や革命という社会問題も大きく関わるから仕方ない。とりあえず平和な環境に身を置いている現在の私たちは、もう錬磨、成熟を極めた最高の演奏が聴ける。なんと幸せなことでありませうか。


・・てな、堅い話はさておき、醒めた耳で聴いてると、けふはティンパニーがやけにハデに叩いてるなとか、ベーはんもまだトロンボーンを使いこなせてないのが惜しいなあとか、つい余計なこと考えてしまうのでした。同じ旋律を使って、ベルリオーズやチャイコフスキーがこの曲を書けば、どんなオーケストレーションになるか、興味尽きないものがあります。


75分のこの曲で一番好きなところは?と訊かれたら、第4楽章の終わりのほう、最後の四重唱と答えます。こんな美しいハーモニーを耳の聞こえない人がつくったなんて信じられない。
 そして、合唱の終わったあとのコーダ、大植さんは競馬の騎手が残り100mでビシバシ鞭を入れるごとく、これ以上はよでけへん!というスピードでゴールへなだれこんだのでした。(12月30日 ザ・シンフォニーホール)


第九チラシ

読書と音楽の愉しみ


●東京キューバンボーイズ VS アロージャズオーケストラ

     ~なつメロコンサートに酔う~

 この二つの楽団を知っている人と知らない人との境目は何歳くらいになるのだろうか。45歳くらい? 40歳以下の人にはもう「歴史遺産」ですね。


12月25日 日曜日。補助席まで出る満員の兵庫県立芸術センター大ホールで、自分の知らない曲は一つも無いという懐かしいヒット曲が演奏されました。平均60歳台の聴衆、みんな満足したと思います。中には、もう5割方死んでるような高齢のおじいさんもいたけど、あの世へのよい土産になったでせう。両楽団が同じステージにのって演奏するのは半世紀ぶりだというから、なおさら貴重なシーンです。


東京キューバンボーイズは1985年に解散後、20年のブランクを経て2005年に再発足、リーダーは見砂直照さんの息子の和照さんがやっていますが、この人、芸能人にあるまじき実直というか、誠実な人というか、オープニング直後、大ホールてんこ盛りの聴衆と大拍手に思わず涙ぐんでしまうという珍しい場面がありました。再発足後の辛かった道のりが一挙に脳裏によみがえったのかもしれない。


北野タダオが引退して、宗清洋がリーダーになってる、アローの演奏した曲がグレン・ミラーバンドの「ムーンライト・セレナーデ」「イン・ザ・ムード」など、キューバンボーイズは「マンボ No,5」や「セロソ・ローサ」など、おなじみの曲、これにヴォーカルのKIKOが加わって「煙が目にしみる」「コーヒールンバ」を熱唱。

 最後は両楽団の合同演奏で「エル・クンバンチェロ」。合わせて8本のトランペット、8本のトロンボーン、計16本のホーンが咆哮し、パーカッションの汗だく熱演もあって、耳が痛くなるほどの大音響、大いに盛り上がったのでした。これで5割方死んでいたおじいさんも、少し寿命が延びたかも知れません。


そんなもん、年寄りの懐古趣味や、安物の虫下し(下らん)、などと、シラけた見方もできるけど、お互い老い先短いのだから、このさい、素直に楽しみませう。貴重な歴史遺産楽団を消滅させないためにも、気軽、尻軽にお出かけ下さいまし。


■東京キューバンボーイズの演奏動画 マンボNO,5
http://www.youtube.com/watch?v=_FLLxCgqTBQ&feature=related


■東京キューバンボーイズの公式サイト
http://www.tokyocubanboys.com/


キューバンボーイズ


■アロージャズオーケストラの公式サイト
http://www.arrow-jazz.co.jp/

プチ・ケチの研究


●これも節電策のひとつ・・がら空きの冷蔵庫

 何かの記事で「モノを捨てられない人は、鬱病にかかりやすい」とありましたが、納得できます。年中、冷蔵庫を満タンにしておかないと気が済まない人も「うつ」の予備軍かもしれません。


がら空き冷蔵庫の一番のメリットは、在庫が一目瞭然ゆえに、余分な食材を買わなくて済むことです。田舎暮らしならともかく、都会に住んでいたら、スーパーや商店が「うちの大型冷蔵庫」という感覚でよく、こまめに買い出しに出かける方が運動にもなりますしね。


言うまでもなく、がら空き冷蔵庫は掃除がらくちんです。冷蔵庫年中満タン族は、庫内が不潔であること承知しながら掃除をしない。する気が起きない。そのうち、そのうちと思ってる間に、半年、一年が経つ。奥にしまわれた食べ物がミイラ化してゆく。おそろしや~。

 食材を買いすぎないことはお金の節約になり、庫内をスカスカにすることで電気代も節約できる。フル運転しないから冷蔵庫の寿命も少しは延びる。良いことづくめであります。


がら空き冷蔵庫

Theme: 節約 | Genre: ライフ

ア・ラ・カルト



●師走の京都・・花街散歩はいかが

 「いこい」誌、冬号で花街散歩コースを案内しています。有名な祇園を知らない人はいないでしょうが、宮川町、祇園、祇園東、先斗町を一筆書きコースで散歩した人は少ないと思います。(もう一つ、上七軒を加えて京の五花街と呼ばれている) さっさと歩けば一時間で済みますが、そんな無粋は願い下げにして、食事やお茶とともに半日がかりであるけば、ちょっぴり京都通になったような気分になります。


スタートは、京阪清水五条駅、駅の東側が宮川町で北へ上れば祇園につながります。四条通りを渡って花見小路の東手が祇園東になるのですが、観光客はむろん、京都市民でもあまり知らない、ミニラビリンスふうのエリアです。規模が小さくて、いずれは祇園に吸収されるのではと想像しますが、企業のそれみたいに簡単にはコトが運ばないのでせう。白川沿いを歩き、鴨川を渡って、先斗町の細道をたどれば京阪三条駅。


ちょっと変わった体験をしたい人には、祇園「弥栄会館」のギオンコーナー見物がおすすめです。本来、外国人と修学旅行生のために考えられた企画ですが、満員でなければ誰でも利用できます。
 日本の伝統文化のエッセンスをわずか50分で、かつライブでご覧にいれますというのがウリで、茶道、華道、琴演奏、雅楽、狂言、京舞、文樂の七種を演じます。ホント、よくぞこんなにコンパクトにまとめたものだと感心します。但し、あくまで初心者むけの催事なので、これらの趣味をお持ちの方、鑑賞能力のある方は敬遠するのがベターかと思います。

■「いこい」誌は信用金庫の一部の店で配布しています。(無料)


■ギオンコーナーの案内はこちら
http://www.kyoto-gioncorner.com/performance/index.html


祇園弥栄会館
京都花街   


花街は裏道を右往左往しながら歩くのが楽しい
花街  


花街 

Theme: 京都・奈良 | Genre: 旅行

読書と音楽の愉しみ


●立石泰則緒「さよなら! ぼくらのソニー」を読む

 子供の頃からソニー製品のファンだった経済ジャーナリストのソニー批判本。内容のほとんどが経営陣の人事問題なので、ちょっと退屈するところもある。しかし、ソニーの栄光の過去とミジメな現状を経営思想の面から描いていて、著者と同じような、昔、ソニーファンだった人には興味深い読み物でありませう。


ソニーの栄光物語は長く続かず、井深大、盛田昭夫の両トップのときだけだった。トランジスタラジオからウオークマンまでの時代である。次の大賀典雄時代はCDの開発というヒット作があるが、ここが曲がり角、大賀会長が選んだ出井伸之会長の時代にソニーは妙な方向転換を図る。金融や保険業界へ進出しはじめたのである。


本書で最も厳しく批判されてるのは出井会長の経営思想や手腕で、優れたモノづくりの企業から、間口ばかり広げて、何がウリなのか分からないような「ネットワークビジネス」の会社に変身させてしまった張本人として、著者の「出井嫌い」精神がビシバシ責め立てる。


実際、経営者の評価が「結果」で問われるのなら、出井氏は落第といわれても仕方ないかもしれない。「世界に冠たるソニー」を「ありきたりの会社」に悪しき方向転換させたのはこの人なのだから。出井会長時代に、ソニーはモノづくりへの情熱を失ってしまい、パソコンでは後塵を拝する羽目になる。一番象徴的なのは、主力であるはずのテレビで、液晶ディスプレイパネルは開発そのもを放棄して、他社製品を仕入れて組み立てる、およそソニーらしくない発想に落ちぶれてしまったことだ。この祟りは大きく、テレビ部門は今年度まで7年連続赤字計上という情けない状況が続いている。


不幸はまだ続く。不人気の出井会長が後任に選んだ現会長、ハワード・ストリンガー会長は、出井会長に輪をかけてモノづくりに興味のない人だった。当然、生産力はガタ落ちになり、大規模なリストラを余儀なくされ、優れたエンジニアが流出した。その主力が韓国のサムスンに移り、技術開発に貢献し、市場でソニーブランドを食い荒らしている。因果応報でございます。(ソニーだけでなく、東芝やNECなどからもたくさんサムスンに移った)


なんとか生き残った「技術」はゲーム機づくりだけというミジメな状況のなか、今年になって、その関連個人情報が七千万人分以上流出するというスキャンダルを起こした。少し前には、パソコン用バッテリーが火災を起こし、世界中で回収騒ぎを起こした。・・にもかかわらず、トップは責任を取らなかった。バッテリー事故では、メディアへの説明さえしなかった。


ソニーの凋落を横目に見ながら,急激に成長したのがアップル。アイフォーンやアイパッドで世界中を席巻している。これが日本の会社だったらなあ・・と思う人、少なくないでせう。もし、ソニーがこんなに陳腐化しなかったら、作れたかもしれないのに、と。

 でも、アップルだって、いずれはソニーと同じ道をたどるかもしれない。井深大やスティーブ・ジョブスがそんなに都合良く現れてくれるわけでもないし、現れても、その才能の継承はさらに難しいこと、あまたの例で学習してきた。いつか流行った「会社の寿命三十年」説って、当たってます。
(2011年11月発行 文春新書)


さよならぼくらのソニー